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私は飛んだ
「うわっと!あは、あはは!」
空を飛ぶものだと思ってたけど、これは凄いジャンプが出来るって感じかもしれない。
でも気分はまるで空を自由に翔る鳥だ。
少しだけ悩みうだうだしていた気持ちが晴れていく。
サリバは運動がスバ抜けてできる方では無いけれど、音痴という訳でもない。
広場の中央にスタッと軽く着地して、しゃがみ足のバネを使ってもう一度、空に翔る。
建物の屋根をピョンピョンと跳ね回って遥か上空から、サリバを悩ました元凶を見た。
中央にそびえるもはやこの街の象徴の『ラビリンス・キャッスル』時折その迷宮は動き、姿を変える。
今は要塞の様な見た目だ。
その両サイドに、巨大なクリスタルのトゲトゲした塊と、反対側にはメラメラ燃える青い火が永遠に立ち上る塊。
細部はここからではよく分からないけれど、異様な光景だった。




