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錬金術師サリバの終わりゆく話  作者: 新規四季


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29/91

飛んで行け!10

何度も素材を駄目にした。

ここ数日は日々の業務もそこそこにずっと、ずーーっと調合をしている。

倉庫から引っ張り出してきた『古代の算定』というステッキを使って調合を繰り返し行っている。


夜闇のような深い黒のステッキの頭部分にサリバの知らない石が嵌め込まれているだけのシンプル過ぎるステッキだ。


ただ、持った時はこんなにも細いのに何十kgもあるんじゃないかと思うほど重たかったのに、今では釜をかき混ぜることはできるようになった。


持ち上げるのも一苦労したステッキだったが、ソレがサリバの閃いたレシピには必要だと感じたから、使っていた。錬金学園フラスコでは、直感は正解への道標だと教わっていた。


杖自体に意思があるように、たまに動きを補助してくれるような気がした。疲れすぎてそう感じているだけかもしれないが。


今日も朝から初めて、既に日は落ちた。綺麗な三日月が月光となり、この街を夜ながらも月夜で明るく感じられる夜だった。


「素材がもう無い。これで最後……。出来なかったら……」


諦めよう。そう思いはしたが、声にはしなかった。声に出したら折れそうな気がしたから。


釜にポチャポチャといつも通りの手順で素材を投下する。その夜はステッキに変化が起きた。


アトリエに月の光が差し込んだ時、ステッキに嵌められていた石が変形したのだ。


それは美しいダリアの花に変化した。


花弁の1枚1枚が、クリスタルの様に光を受けてよわく発光する。


それは暗がりとなっていたアトリエをより神秘的に映した。


そしてその時が来た。

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