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飛んで行け!8
「ねぇ、あれから何日も篭ってるけど大丈夫かしら?」
「ほっとけ、と言いたいところだが流石になぁ……」
「お祭りも控えてるのに。サリバと一緒が良かったな」
「それはなんの祭りなんだ?」
「春一番に砂漠の神に今年の無病息災を祈るんだ。街中が賑やかになるぞ」
「サリバなんて子供の頃は大はしゃぎしてたものよ」
「そうか、それは楽しみだな」
「ええ、そうね。でもあんなに鬼気迫る感じ、少し怖いわ」
「そっとしておくべきだ。彼女は、サリバは越えるべき壁を必死によじ登ってるんだろう」
「そりゃ、見ればわかるわよ。それでも心配なの」
「メディ、見守ろう。彼女の錬金術が最後の希望なのだから……」




