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飛んで行け!6
「ここにいると思ったよ」
「私、約立たずで、何やってもダメで」
「そうか。なら、辞めるか?」
「え?」
「別に君の失敗なんて痛くも痒くもない。誰の失敗だってそうだ。意図的にしている訳じゃなし、君を叱る人間は此処には居なかったと思うけどな」
「それは……でも」
「まあ、今回は私も悪かったよ。気が動転していた」
「………」
「私はここのトップだ。君たちの為なら幾らだってこんな頭下げてやる。だがね、もう諦めたやつにはそんな事はしない。だから決めなさい。錬金術士として続けるかい?辞めるかい?自分の胸に手を当てて良く考えなさい。私は行くよ、後が詰まってるようだから」
「え?あっ」
「やあ、随分と良い身分だね」




