飛んで行け!5
サリバは途中から何も聞こえなかった。
頭が真っ白になった。
何とかしないと、自分で解決するんだ。役に立つんだ。そう意気込んで、結局何も出来なかった。
サリバは悔しくて、情けなくて見せる顔がなくて、その場から駆け出した。
メディが驚いて静止をするも、聞こえてないか、無視したか。目元を隠し走っていった。
「え?え?なに?私?」
「……誰も悪くは無いんだけど、強いて言うなら貴女がトドメを指した」
「ええ?何やっちゃったの?」
何が何だか分からないけど、新人を傷付けてしまったようでいつもの、冷静さをかいたメディはワタワタしている。
アトリエを飛び出したサリバはアトリエに入ろうとした局長にぶつかってしまった。
「あっ、その……!」
「いや、大丈夫だ……どうかした」
局長が言い切る前にサリバは駆けて遠くへ行ってしまった。
「おい、どういう事か分かるやつは居るか?」
「はぁ、僕が説明するよ」
諸々のことを説明し終わると、メディは真っ青になった。
局長は気難しそうな顔をして、後悔をしている様だ。
「わ、私何も知らずにとんでもない事を……!」
「落ち着け、メディ。君のせいじゃない。確かにトドメは指したかもしれんが」
「慰めるてんの?虐めてんの?」
「それだけ喚ければ君は大丈夫だろう。さて、少し出るよ。君達、今日はもう帰ってくれて構わないよ」




