極小の爆弾
レシピは難関という程では無かった。
今のさりばならば何とか作れそうな気がする。
サリバは「よしっ」と気合を入れて、素材を錬金釜へ投入していく。ポチャポチャと音を立てて液の中に入っていくと、液は段々と輝いてゆく。
かき混ぜて、かき混ぜて、かき混ぜる。
錬金術は完成までに時間を要することが多い。
それは難易度だったり、実力だったり、調合のレベルだったりで変わってくる。
今回作る爆弾は、作れればいい。品質や属性付与、効果などは二の次になる。だから、短時間で作り追えることが出来た。
「極小の爆弾の完成です」
「……凄いね、羨ましいよ」
「え?」
「なんでもないよ、さあ、あの扉を壊しちゃおうよ」
「う、うん」
扉に軽く投げると衝撃が伝わり、扉が完全に破壊される訳でも無く、極小の爆弾が触れた場所がぽっかりと穴が空いた。
「開いたけど、せまい……」
「言ってても仕方ない僕たちは小柄だから行けるよ」
「うっわァァ!!すごい!色んな素材がいっぱい!」
「圧巻だよ……。でも間取りの割にはこの倉庫大き過ぎないかな」
「そういえばそうかも?」
「それに、開けられていなかった倉庫という話だけど、素材の鮮度が新鮮なままだ」




