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宮廷のレシピ
「現状の素材は……うーん乏しいなあ」
部屋を傷つけずにドアだけ壊す。
「必要なのは火力の調整。いや、そもそもの錬金物を小さくすればいいのか………」
「……い、おーい、聞こえてる?」
「うわあ!いつの間に。モミジさん……ニンジャ?」
「そんなわけないだろう。人混みを乗り越える為の錬金術をしてるって聞いたけど?」
「あわわわ、それにはまずですね。隣の部屋のドアを壊さなくちゃいけなくて」
「?」
モミジにこのおあらましを伝えた。
「なるほどね、だいぶタイムロスだよ」
「うう、ごめんなさい」
「……これの通りに作って。素材はあるから」
「あのこれって?」
「宮廷のものだよ。とわいっても初級だから」
「あ、ありがとうございます!こんな貴重なものを」
「……いいよ、それに………」
「?」
「いや、なんでも無い。さぁ、もう一度君の錬金術を見せてくれよ」
 




