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前世、宇宙人だったとか...


 転生することを選択した後、彼は私の背景について追加で教えてくれた。

 

 「常和さんとして生まれる前、貴女は他の星に生きていました。そこで大きな災害に呑み込まれたんです。結果として命を落とすことになり、その災害で同じ環境に転生することが叶わず、貴方の魂は地球に生まれることを選択しました。」


 他の星で生きていて、地球で人間に生まれ変わった?

 つまり、前世が宇宙人というか異星人となるのだろうか。 


 「魂が転生する際、環境や種族が大きく変わるときは前の感覚に影響を受けることが多いんです。常和さんは地球環境が初めてでしたので、言わずもがなですね。」


「貴女の前世は、その星の多様な生物に対して、サイズ的にとりわけ大きな存在でした。」


 "サイズが大きな生物"と言われて、大型のクジラや、アニメや特撮で都市を破壊する怪獣的なもののサイズ感を思い描いた。


 「大まかな形状は長い手足を1対づつ持っていて、比較的人間に似ていましたね。神話に出てくる巨人の神様をイメージして頂ければ近いでしょうか。地球の人間と比べると精神や思考に比重があります。多様な種が高い知性を持ち、音声だけでなく思念を使ってコミュニケーションを取りながら共存していました。自然の中で出会える例えば妖精や精霊ような、そうですね...一番近そうなのが“ダイダラボッチ”でしょうか。」


 ダイダラボッチ、有名なアニメに出てくる半透明な存在が思い浮かぶ。なんというか、自然を具現化したような想像上の生物? 自分がああいう存在に近い生き物だったと言われても頭が追い付かない。


 「常和さんは“ダイダラボッチ”の感覚に影響を受けたまま人間の中に擬態して生きていたようなものです。サイズ感だけ取っても、今の常和さん、つまり“人間の常和さん”を基準にしたとして、もし一寸法師サイズの生物や、意思を持ち自力で移動できる植物が大多数を占める社会で人間が共存しようと思ったら大変でしょう?」


 確かにそうだ。体のサイズが違えば視界に入るものが違う。常識や考え方、体の動かし方あたりも全く違うのだろう。


 「私は、前世の影響を受けていたということですか?」

 「そうです。常和さんにその感覚が残っているので、常和さんの意識を引き継ぐレステにも少し引き継がれます。なので、もし何かが違うと思ったら、いっそのこと“自分らしい”と思うと良いですよ。レステの世界に対しては、常和さんもその前世も十分に“異なるもの”で、どう考えてもユニークにしかなりませんから。」

  

 苦笑と共に聞かされた生きづらさの種明かしのような話に、納得と驚きと憤りを感じながら”いってらっしゃい”、と送り出されて、私は目が覚めた。


 これから新たに幼児から人生の再スタートとなる。まだ何かができるわけでもない。

 せめて、常和の享年は超えるくらいには生きられたら良いなぁ...

 

 

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