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前世がコミュ障男な僕がVtuberになれますか?  作者: カムカム
9章 コミュ障、顔が広くなる!?
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95話 寝不足の一日

(結構集中力使うなぁ...)


合計二試合でいい時間になったので配信を閉じた。

ASSのスピード感あるゲーム性と違い、攻守共にじっくりと練った戦略が必要となるので頭を使う。

考えて動くことが苦手な僕はかなりの集中力を使ってしまった。


何も考えずトイッターを開くとフレンド申請につばロバの二人がいたのでフレンドになっておいた。

すると、二人以外にもファンボユーザーからフレンド申請が送られている。

新しいゲームをするとこう言うことがよくあるのだ。


流石に全員フレンドを返すことはできないので、申し訳なさを感じながらスルーさせてもらう。


(次のコラボ相手のことももっと知らないとな...)


配信を終えた夜十時からコラボ相手のアーカイブに目を通す。

第二回の相手は夕暮(ゆうぐれ) あさひさんと雨音(あまおと) うたうさん。


夕暮あさひさんは太陽のような明るい色が多く使われているVtuberさんで、チアリーダーのようなモデルをしている。

結構胸元を強調した服で露出度が高め、お姉さん系のボイスで応援ASMRを投稿している方だ。


雨音うたうさんは逆に暗い水色を使ったモデルを使用し、名前の通り歌ってみたを多く投稿している方だ。

俯き気味でしょんぼりとした表情で常に傘を刺している。

少し暗い声質だが、それを生かし落ち着いた曲調の曲を多く歌っている。


この二人と第二回ではコラボする予定だ。

既に三人のシャベルグループを作り、二人とも入室している。

軽く挨拶は済ませており、後は顔合わせをするだけだ。

だが二人との予定が上手く合わず、当日まで顔合わせはできない。


(あさひさんは元気が良くて見てて楽しくなるし、うたうさんは心が落ち着くなぁ...)


二人のアーカイブを見るとやはり自分との差を感じてしまう。

自分に悪い癖なのだが無意識に考えてしまうのだ。


(二人共...というかみんななんだけど、言葉詰まらないのすごい...)


気付けば日を跨ぎ、僕は慌ててベッドに潜り込むのだった。




いつもの時間にアラームで目が覚め、学校へ行く準備をする。

だが、昨日の夜更かしが響いているのかいつもより目が開かない。

少し体もだるい感じがする...

それでも学校を休む訳にはいかない。


一階に降り、リビングに近付くと何かを焼いている音が聞こえる。

お母さんがお弁当を作ってくれているのだろう。

リビングに入るとエプロン姿のお母さんと目が合う。


「おはよ...」


「おはよう歩、昨日もお疲れ様」


「うん、ありがとう...」


「...眠そうだね?」


「昨日配信の後、次のコラボ相手のこと調べてて...」


「まだ時間あるんだからゆっくりでいいのに」


「早めに知っておかないと心配で...」


「頑張り屋さんだね、でも無理はダメって言ったでしょ?」


「うぅ...ごめんなさい...」


「とりあえず顔でも洗っておいで」


「はーい...」


重い足取りで洗面所に向かう。

顔を洗うと少しだけ頭もスッキリした。

寝癖でボサっとなった髪を整えて、朝ごはんを食べる。


「行ってらっしゃい」


「行ってきます」


お母さんに見送られながら家を出る。




「それで寝ちゃってたんだ」


「うん...ノートありがとう」


「大丈夫だよ」


昼休み、渡さんといつものように屋上でお弁当を食べている。

僕はというと涼しい風と暖かい日光で気持ちよく寝落ちしていた。

授業終わりのチャイムで目覚めた時、ノートには途中で力尽きたように文字がふにゃふにゃになっている所があった。


「そ、そういえばVtuber活動はどう?」


「楽しくやらせてもらってるよ!

今度は絵描きVtuberの人達とコラボする予定なんだ」


「す、すごいね...」


「ふふ、ありがとう」


「お母さんが無茶言ってなかった...?」


「全然!むしろ奈々さんのお陰で私の知名度も爆上がりした訳だし」


セブンママはつい先日Vtuberデビューを果たした。

Monster Live公式イラストレーターと野生の公式のコラボは大いに盛り上がり、トイッターでも注目の話題としてランクインしたほどだ。

その結果、コラボのお誘いがかなり来ているんだとか。


「見てくれたんだ」


「も、もちろん見るよ...

二人共僕の推しな訳だし...」


「狐狐ちゃんに推してもらえるなんて本当に幸せだなぁ〜」


渡さんは嬉しそうに笑って見せた。


僕は寝不足からか、ご飯を食べた後の程よい満腹感にあくびが出る。

気を抜くと眠ってしまいそうだ。


「歩さんまだ眠い?」


「うん...教室帰って寝ておこうかな...」


「ここで寝ていいんじゃない?

時間になったら起こすよ」


「な、なんか申し訳ない気がする...」


「いいよいいよ!全然大丈夫!」


「じゃあ...お言葉に甘えて...」


僕は日陰のベンチで横になる。

すると、渡さんが得意げな顔で太ももをポンポンと叩く。


「膝枕してあげるよ」


「え...さ、流石に恥ずかしい...」


「ここ屋上の端だし屋上入り口からも影になってるから大丈夫!」


「でも重いかもしれないよ?」


「平気、歩さんに固いベンチで眠って欲しくないからね。

私の太ももで良ければ枕代わりにしてよ!」


渡さんはむしろ膝枕したい!というような様子で僕の方を見る。

ここまで言われたら断ることができない。

静かに頷いて渡さんの太ももに頭を乗せる。

柔らかさといい匂いを感じながら、眠気に従うように眠りについた。




チャイムの音で目が覚める。

頭を回して上を見ると、結構な近さで渡さんが僕を見ていた。


「おはよう」


「う、うん...おはよう...」


「眠れた?」


「うん、眠れた、ありがとう」


ゆっくり起き上がり、手櫛で髪を整える。


「じゃあ教室戻ろっか」


「うん」


渡さんと並ぶようにして教室に戻る。

眠気で正常な判断ができなかったとはいえ、膝枕はちょっと恥ずかしすぎたかもしれない...

午後の授業中、渡さんの太ももの感触といい香りを思い出してしまい、顔が熱くなるのを感じた。

読んでいただきありがとうございます!

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