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前世がコミュ障男な僕がVtuberになれますか?  作者: カムカム
9章 コミュ障、顔が広くなる!?
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89話 推しが増える...?

僕のコラボ企画第0回が配信されて数日、僕は第一回でコラボする相手の配信を見て情報を集めていた。


ふとメッセージの確認でシャベルを起動すると、三期生のチャットサーバーに僕宛でメッセージが届いている。


『狐狐ちゃん、この人狐狐ちゃんのオープニング描いてる人じゃないかしら?』


メッセージと一緒に貼られたURLを開くと、見慣れた絵柄のモデルが待機画面で左右に揺れていた。

間違いなく、僕の配信オープニングを描いたsummer flowerさんこと渡さんだ。


僕は一瞬で頭がパニックになる。

なんで渡さんがVtuberに?

確かに自分でイラスト描けるからやろうと思えばできたのかもしれないけど...


『ちょっと確認してくる』


そう返信して渡さんの配信アーカイブを見に行く。

僕の配信オープニングを描いた野生の公式ということもあってか、再生数はかなり多くチャンネル登録者もどんどん増えているようだ。


(渡さんが挑戦する新しいことってこれ...?)


未だ落ち着かない心のまま配信アーカイブを再生した。




【狐狐ちゃんの野生の公式がデビューま?】

【モデルめっちゃ可愛いやんけ...】

【黒髪ロングのお姉さん系狐は俺得】

【これって狐狐ちゃんの正反対...?】

【確かに】


トイッターで既にモデルを公開していたらしく、待機画面で既にモデルを見せている。

その結果コメントもいろんな予想で盛り上がっているようだった。


数分後、待機画面がフェードアウトすると同時に配信画面に切り替わる。

画面の半分にモデル、残りの半分がコメント欄。

雑談配信のよくある形の配信画面が映った。

コメント欄はココ友が多いのか、僕の名前が多く見える。


「皆さんはじめまして!

めっちゃ緊張してます、夏花です!」


【女かよ!?w】

【一人称俺だったからバ美肉かと...】

【声可愛いやんけ】

【マジで女なのか!?ボイチェンという説は...】


「やっぱり男って思われてたみたいですね...

男っぽくコメントしてたので上手く騙せたみたいでよかったです」


【確かに女ってわかったら迫ってくる男いそうだし】

【ネットは怖いからな...】

【というか狐狐ちゃんと同性ってことは...】


「そう!狐狐ちゃんとイチャイチャが合法的にできる!!」


【合法じゃねぇよw】

【同性でも犯罪は犯罪やでw】

【初配信でこれか...将来有望だな...】

【狐狐ちゃん逃げて超逃げて...】


学校でよく聞く声が美人な狐のモデルから聞こえる。

不思議な感覚だった...

だがそれよりも思うことがある。


(モデルめっちゃ可愛すぎないか...?)


前世からケモ耳が好きだった僕がこのモデルを好きにならない理由が見つからなかった。

配信は相変わらず僕の話で盛り上がる。


「ココ友の皆さんが多くいるのかな...?」


【ココ友です!】

【ココ友やで】

【狐狐ちゃん推しです】

【ココ友以外にも夏花さんファンが見てそうだけどね】


「もう私より狐狐ちゃんを見てくれ...

めちゃくちゃ可愛いんだから...」


【大ファンやんw】

【推しのオープニングを描く画力と行動力がエグすぎる】

【そう考えると夏花さんっていい意味でヤベェやつやな】

【狐狐ちゃんは夏花さんのファンで、夏花さんは狐狐ちゃんのファン...】

【これいつかコラボするってこと!?】


「コラボはしてみたいけど、狐狐ちゃんが緊張しちゃいそうだね〜...」


【放送事故は確定だろうなぁ...】

【間違いない】


「流石に狐狐ちゃんの話だけってのもアレなので、私のことを話しましょうかね」


夏花さんのモデルが右下に寄せられ、プロフィールが空いたスペースに表示される。


「私は狐狐ちゃんの野生の公式こと、summer flowerです!

活動名は夏花、配信はお絵描き配信とか狐狐ちゃんのことをココ友と語りたいなって思ってます。


...多分、狐狐ちゃんの配信追うので配信頻度はそこまでよくないとは思います。

これからよろしくお願いします!」


【よろしく〜!】

【狐狐ちゃん談義楽しみw】

【画力あり得ないくらい高いんだよなぁ...お絵描き配信楽しみ...】

【狐狐ちゃんと限界コラボして欲しい自分がいるw】

【限界同士のコラボ見たいわw】


「じゃあタグとファンの名称も決めちゃいますか。

ファンの名称は...シンプルに夏友にしましょう!

配信タグは、サマーライブで!

ファンアートタグ...は一応作っておきますか。

夏花アートでどうでしょう...?」


その後も初配信とは思えない程テンポ良く話が進み、コメントも一緒に盛り上がっていた。

気がつけばあっという間の一時間。

夏花さんが締めの挨拶をする。


「終わりの挨拶は...おつかれsummerとか...?」


【なんか親父ギャグ臭がするぞw】

【雰囲気が古臭い気が...w】

【おつサマーが可愛いと思う】

【俺もおつサマーが思い浮かんだわw】


「お、じゃあおつサマーで行きましょう!

それではココ友、夏友のみんなおつサマー!」


【ココ友のことも忘れない狐狐ちゃんファンの鏡】

【おつサマー!】

【おつサマー!頑張ってねー!】

【おつサマー】

【おつサマー!】


僕はアーカイブを見終わり、スマホを手に取った。

もちろん渡さんに連絡するためだ...

数回のコール、今日が休日ということもあってか渡さんはすぐに電話に出る。


『はーい、どうしたの?歩さん』


「...配信、見たよ」


『もうバレちゃったか...』


「バレちゃったかじゃないよ!?

これココ友のみんなコラボとか期待しちゃうんじゃないの!?」


『期待するだろね〜...

でも、私は歩さんと同じ立場になって大変さとか理解したかったんだ』


「うぅ...別に辞めてって言うわけじゃないんだけど、ちょっとびっくりしちゃって...」


『あはは、急だったもんね...

とにかく、前から言ってるけど歩さん、狐狐ちゃんに迷惑は絶対掛けないから!』


「うん、そこは信用してる」


『ありがとう、それで相談だけどさ』


「ん、どうしたの?」


『私もVtuberデビューしたし、コラボしない!?』


「僕は企画で忙しいのでまた別の機会に...」


『そうだよねぇ...

っていうかそうじゃん、歩さん初対面の人とコラボなんてできるの?』


「ひ、酷い言われようだね...

最近頑張れば話せる感じだから、任せて!」


『成長したねぇ...

分かった!無理しないで頑張ってね!』


「ありがとう、渡さんも配信頑張ってね」


『わぁ...狐狐ちゃんに応援してもらってるぅ...』


「応援くらいならいくらでもするよ...」


『いくら積めばいい...?』


「お金は取らないよ!?」


自然と会話が楽しくなり、今後の話なども交えて結構な時間話してしまった。

渡さんが自分と同じVtuberになったことで、親近感が湧き距離が縮まったのかなと感じる。


通話を切り、僕は改めて第一回のコラボ相手の情報を集める。

その人たちのことを知り、配信で上手く話を合わせて雰囲気のいい配信にするんだ...


久しぶりに僕の目の前の壁が付箋で埋め尽くされていくのだった。

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[良い点] 野生の公式がデビューだとぉぉぉ 推しを語るためにデビューするとかアグレッシブすぎんよ コラボ期待しています
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