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前世がコミュ障男な僕がVtuberになれますか?  作者: カムカム
1章 コミュ障、Vtuberデビュー!?
9/158

8話 褒められると喜びます

三期生コラボ配信を終えて数日、みんなのチャンネル登録者数も徐々に増えている。

嬉しいと思いながらも少しプレッシャーも感じていて、この人達が楽しいと思える配信ができるのかと心配になる。


(いや、今は考えるべきじゃないな...)


今日は平日なので学校に行かなければならない。

自転車登校の僕は履き慣れたスカートを揺らしながら風を切る。

コラボ配信を乗り越えて自信が付いたのか、いつもと違う景色に見えた。

僕...成長してるかも...!


「ごめん、ちょっとどいて!」

「あっ...はぃ...すみません...」


後ろから大きな声をかけられ、道を開ける。

と言っても元々僕一人で道を走っているので、より端に寄った。

しかしよく見てみると僕ではなく、僕の前で並んで登校するカップルに向けて言った様だ。

勘違いで謝った声が聞かれたのかラケットバッグを持った女子学生に見られ、気まずくなり下を向く。

女子学生はカップルは道を開けたのを確認すると立ち漕ぎで去っていった。


(やっぱり他人...怖い...)




場所は変わり教室、今日も出席確認の時間が来た。

コラボでは一万以上の人に見られる中で話すことが出来たのだ。

きっと今の僕ならしっかり返事することができる筈...

出席番号順に呼ばれる名前...僕の番が迫る。


「鷲川歩」


来た、よし...!

僕は大きく息を吸って、返事をする...!


「あっ...は、はい...」

「よし、今日も欠席なしだな〜」


どうやら僕は成長できていないようです。




@九尾狐狐 Monster Live三期生

またまた突発ですが配信しようと思います。

良ければ来てください。

♯狐狐ライブ 


【雑談】コミュ障の狐が話します【九尾狐狐】配信待機中


僕は現実逃避する様に配信の準備をする。

あの後も学校では散々だった。

黒板に答えを書きに行けば視線を浴びて緊張し、線が面白いくらい震えた。

国語の時間では文を読むように言われ、僕のか細い声が教室に響いた。

もう現実が嫌だ...

待機場を確認すると、すでに五千人が待機していた。

平日の夕方なのにこの人数である。


【待機中〜】

【また突発配信でびっくり】

【何かあったのかね】

【また会議?】

【普通に配信が楽しくなったに一票】

【タイトルが自虐してるし嫌なことあったのかも】

【探偵おるやん】

【だとしたら俺の胸で泣いていいぞ】


ココ友の待機中のコメントを眺めながら、もうすぐ始まる配信に向け、心を落ち着かせる。

ソロ配信はいい感じに落ち着いてできるようになってる気がする、まだ数回しか配信していないけど。

時間になり、配信を開始する。


「ここにちは〜...」

【ここにちわー】

【ここにちは〜!】

【ここにちは!】

【あれ、元気ない...】

【やはり嫌なことが】

「まあ、そうですね...現実が嫌になりまして、山に帰りたい...」

【同期に嫌われた...?】

【↑それは大丈夫だろ】

【誰かに嫌われたとしても俺が好きでいてやるよ】

【俺もいるで】

「同期のみんなは優しいし、一緒にいて楽しいですよ」

【お?てぇてぇか?】

奈女々⭐︎【狐狐ちゃんprpr】

【奈女々ちゃんさぁ...】

ドクロ【奈女々、後で通話に来ること】

鳴子【せっかく狐狐ちゃんが嬉しい事言ってくれたのに台無しじゃない...】

【三期生みんないる!?】

【三期生仲良しじゃん】

【狐狐ちゃん愛されてんねぇ!】

「え...三期生みんないるんですか...?」

【いたよ】

【お気に入り登録しておきな】

「そ、そうですね。

お気に入り登録しておきます」


流れていったコメントを遡り、鳴子さんとドクロさんにお気に入りマークを付けた。

というか今日はドクロさんホラゲー配信するはずじゃ...


「ドクロさん配信の準備はいいんですか?」

ドクロ⭐︎【もういつでもできる、配信前に狐狐ちゃん見ておこうと思ったからきた】

奈女々⭐︎【私もドクロちゃんの配信前にお邪魔した感じ!】

【は?てぇてぇかよ】

鳴子⭐︎【私にもお気に入り登録ありがとう!

またコラボしましょうね】

【狐狐ちゃん友達できてよかったなぁ...】

【いい最終回だった】

「まだまだ配信続けますからね!?」

【初配信の頃と比べて声も出るようになっとる】

【思ったけど声やっぱり可愛いよな】

【↑お前今更かよ】

「え、か...可愛いですか...?」

【可愛い】

【可愛い】

【可愛い】

【可愛いから自信持って】

【毎秒喋って】

【ボイス販売まだ?】

【可愛い】

「ボ、ボイスですか...

多分、販売しないです...」

【販売して】

【販売するまで全裸待機します】

【チャンネル登録解除しますね】

「あぁ、解除しないでください...

そんなに僕の声需要ありますか...?」

【めっちゃある】

【ずっと喋って】

【可愛い】

【囁いて欲しい】

【また泣き声聞かせて】

【可愛いぞ】

「泣きませんよ」


怒涛のコメントに嬉しくなり、ついにやけてしまう。

これほどの視聴者さん達が僕の声を聞いて楽しんでくれている、そう思うと期待に応えたいと思った。

というより調子に乗ってしまうのだろう。


「えっと...ボイスは話が来たら挑戦しようかな...」

【ガタッ!?】

【はい買います】

【五万払う】

【全裸で待ってる】

「全裸は風邪ひくから服は着ててください」

【優しい】

【今のお風呂あがりの時に言われたい】

【どんなボイスでもすぐ買う】

「あくまで今の段階でってことです...!」


いつのまにか今日の学校で溜まった憂鬱な気分はどこかに行って、楽しい時間を送っていた。

反応のいい視聴者さん達と過ごすこの配信の時間が生きがいになり始めている。

あっという間に配信を終える時間になった。


「それではココ友の皆さん、おつここ〜!」

【おつここ〜!】

【おつここ!】

【おつここー】


【雑談】コミュ障が何か話します【九尾狐狐】配信終了


@九尾狐狐 Monster Live三期生

今日も楽しかったです!

また話したくなったら配信していきます

改めておつここでした〜

♯狐狐ライブ

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[一言] 「あぁ、解除しないでください... そんあに僕の声需要ありますか...?」 上記を誤字報告しました。意図したものでなければ修正をお願い致します。
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