69話 三期生ファッションショー①
『みんなで新衣装お披露目配信しよう!』
奈女々ちゃんがシャベルでメッセージを送ってきた。
そう、実はMonster talk Liveの時には僕以外の三人も登録者が五万人を越え、新衣装が製作されていたのだ。
三人ほぼ同時と言うことでセブンママに負担が掛からないよう新衣装公開は延期となっていた。
だが、セブンママの愛情なのだろう。
凄まじい速度で三人分の新衣装が完成、更にはモデルの動きが滑らかになるアップデートも行った。
『実は、私も思ってた』
ドクロちゃんも奈女々ちゃんの案を考えていたみたいだ。
僕は三人の新衣装配信を見る配信をしようかな、なんて考えていると鳴子ちゃんもメッセージを送信する。
『賛成よ、もちろん狐狐ちゃんも一緒にね』
『もちろん!』
『元よりそのつもり』
『え、僕も?』
『当たり前じゃん!』
『いいの...?』
『むしろ一緒にいてくれなきゃ困るわ』
『みんなで新衣装公開する』
『分かった...!楽しみにしてるね』
次の休みの予定が決まった。
休みまでの数日ある学校がいつも以上に長く感じた。
ついに来た休日、トイッターの告知では凄まじい通知がスマホに届く。
『待ってた!』『狐狐ちゃんの反応が楽しみ!』などいろいろなコメントが書かれた。
僕はいつも通り、早めにご飯とお風呂を済ませる。
そして迫る配信開始時間...
既に通話部屋に全員集合している。
「みんな告知した?」
「私はしたわよ」
「私は今から!」
「ぼ、僕もまだしてなかった...」
「もうすぐだから急いでね」
「はーい」
@九尾狐狐 Monster Live三期生
ついにみんなも新衣装!
三期生みんな揃って新衣装お披露目会です
是非みんなの新しい姿を見に来てください!
♯赤鬼ド狐
♯狐狐ライブ
【新衣装】三期生新衣装お披露目会!【鬼野鳴子/赤桶奈女々/ガシャ=ド=クロ/九尾狐狐】
配信待機中
みんなで配信しているので、全視点見る人は四窓していることだろう。
僕は配信開始ボタンを押した。
新衣装を着た僕とシルエットの三人が並んだ待機画面がフェードアウトし、初期衣装の僕達が画面に映る。
「みんな〜新衣装だぁ!!
赤桶奈女々だぞ〜!」
「いきなり大声出さないの...
ごきげんよう、鬼野鳴子よ」
「ガシャ=ド=クロです。
みんな揃って新衣装お披露目会です」
「九尾狐狐です...!
みんなの新衣装を見に来ました!」
【やっと新衣装お披露目か〜!】
【三期生温か過ぎんか?】
【てぇてぇ】
【新衣装お披露目同期みんなでやるとか最高じゃん】
【一人ただのファンおるな...】
ファン達待望の新衣装で既に盛り上がりは最高潮だ。
最初に今回の新衣装お披露目の流れを説明する。
「まずは今の初期衣装を改めて見た後、順番に新衣装を公開していくわよ」
「さ、最初は僕からだよね」
「そうそう、みんな知っていると思うけど全身を満遍なく見せてちょうだい!」
「声がやらしいわよ」
「奈女々、危ない香りしてる」
「そうかなぁ...」
僕は自分のモデルを画面に全身が映るように動かす。
九尾狐狐の初期衣装が画面にしっかりと映った。
少し恥ずかしさを感じながらも、改めて紹介していく。
「僕の初期衣装がこれです...!」
「前髪をちょんまげにしてるからおでこ見えてるの可愛いよね」
「改めて見ると今にでも泣きそうな顔...」
「全身黒だから肩までの白髪と狐耳、九本の尻尾がすごく目立つわね」
【久しぶりに全身図見た】
【こうしてみると見事な白黒】
【メガネも真っ黒だしな】
【尻尾モッフモフしとるやん】
【耳触りたい...w】
「僕のオフスタイル衣装、初期衣装の次の衣装がこれです...!」
僕は画面を一度カーテンの画像で隠して、モデルを変える。
新衣装に変えたことを確認してカーテンの画像を消す。
「なんかすごく恥ずかしい...」
「いやいやめちゃくちゃ可愛いよ!」
「最初の衣装とギャップ凄すぎて別人みたいね...」
「夏を感じる衣装...!」
【薄茶色の可愛いサンダルに真っ白な狐狐ちゃんの素足...!!!】
【膝までの白いスカートと水色の半袖がマジで涼しい印象】
【全体的に明るくなってるよな...】
【元が暗すぎるんやで】
【ちょんまげとメガネ無くなってるだけで狐狐ちゃんって分かりにくいの草】
【俺は短いポニテが好き】
肌面積も広く、恥ずかしくてなかなか使えない新衣装。
せっかく作ってもらったので、こういった機会にまた使うことができて少し嬉しく思う。
「さて、僕の衣装はここまでにしてみんなの衣装を見ていこう!」
「誰から発表する?」
「私から行ってもいい?」
「お、ドクロちゃんからで!」
「私達も見てないから楽しみなのよね」
僕はドクロちゃんのモデルを全身映るように表示させる。
背丈は僕と同じくらい、髪の毛の色も似ているがドクロちゃんはプラチナのような色をしている。
髪の長さは僕よりも短く、少しボーイッシュな感じだ。
右目を隠すように眼帯を付け、顔色も良いとは言えない色をしているがやはり可愛い。
洋服は藍色のような暗めの色をしたワンピース。
靴は履いておらず、真っ白な裸足がワンピースから姿を覗かせていた。
全体的に僕と似た色合いだが、僕の『暗い』と言う印象とは違い、『ホラー』の印象が強い。
「この眼帯の下って骨見えるのよね?」
「うん、目が無いよ」
「サラッと怖いこと言わないで...」
「狐狐ちゃんホラー苦手だったっけ?」
「得意では無い...」
【また狐狐ちゃんのホラゲみたいな〜】
【悲鳴待ってます】
【俺の全細胞が狐狐ちゃんの悲鳴を求めてる】
【悲鳴難民おって草】
「そして新衣装をお披露目!
モデル隠すからまってて」
ドクロちゃんのモデルが一度消え、新衣装を着たドクロちゃんがシルエットで現れた。
なんとこの徐々にシルエットが解禁されていくシステムもセブンママが作ったらしい。
「シルエットは知ってるけど、ズボンを履いているのかしら...?」
「上はダボッとしてる感じかな...」
「袖長くて萌え袖っぽい?」
コメントでもいろんな意見が挙がるが、すぐに答えが発表される。
ドクロちゃんは徐々に新衣装を公開した。
数秒かけて下から上までシルエットが解禁され、新衣装が姿を見せる。
「おお〜!かっこいい感じだ!」
「似合ってるじゃない!」
「うわぁ...凄いかっこいいし可愛い...!」
ドクロちゃんの新衣装は、全体的に黒目の色を残しつつも、初期とはまた違う印象を与えるものだった。
シルエットから分かっていたが、ズボンを履いていた。
上に着ているパーカーと同じ黒い色をしている。
長めのズボンの下には大きめの靴が見えた。
パーカーは肘までの長さだが、下に着ているシャツが長袖で藍色と灰色のチェック柄。
そのシャツが萌え袖の原因になっていた。
さらに首には骸骨のネックレスがかけられ、眼帯も健在。
ボーイッシュでかっこいい、でも可愛くて少しダークな印象を受ける新衣装だった。
「ネックレスがお気に入り」
「かっこよさが際立ってるよ!」
「暗めの色はカッコ良くなるのね」
【かっけぇ...】
【カッコ可愛いってやつやな】
【惚れた】
【キャップ被ってマイク持って欲しい】
【絶対ラップするやんw】
【この子がホラゲに出てきたら絶対強キャラだわw】
コメントもとても良い反応だった。
僕もものすごくかっこいいと思っている。
同期ではあるが推しているVtuberの新衣装は感情の昂りが抑えられない。
「すっごく良いです...」
「狐狐ちゃんが限界化してるぞ〜!」
「相変わらずみんなのことが大好きね、狐狐ちゃんは」
「大好き...」
【!?】
【今のはえぐいw】
【ボイスはよぉ!!】
【切り抜き頼む】
「狐狐ちゃんに大好きって言われた〜!
私も大好きだぞ〜!」
「ちょ、い、今はドクロちゃんの新衣装なんだから、僕よりもドクロちゃん!」
「あ、はい」
【怒られたw】
【流石Monster Liveの皮を被ったオタク狐】
【皮どころかMonster Liveなんだよな...】
「そうね、じゃあ登録者五万人と言うことで新衣装になったわけだけど、何か抱負とかあるかしら」
「うん、もっともっと怖くて凶悪なホラゲをクリアして世界中のホラゲを攻略する!」
「やっぱりホラゲなんだね」
「生粋のホラー好きだものね」
「応援してる!」
「狐狐ちゃんも一緒にどう?」
「お断りしたい...」
【苦手なホラーと推しを天秤にかける狐】
【究極の二択w】
【これを機にホラー克服とか出来るかも?】
【↑とか言って悲鳴を聞きたがってるんですね分かります】
高速で流れるコメントにちらほらと僕にホラーをさせようとするコメントが見えるが、見ないふりをして、次の新衣装お披露目に移る。




