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前世がコミュ障男な僕がVtuberになれますか?  作者: カムカム
1章 コミュ障、Vtuberデビュー!?
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6話 コラボ前夜にデッキを組む

「じゃあ次の週末でオッケーかな?」

「私は大丈夫よ」

「私も問題ない」

「...あ、大丈夫、です」

「企画とかもさっき言った通りでいい?」

「質問箱で来た質問に答えるのよね」

「というか既にトイッターで質問箱募集始めてるよ!」

「行動力の化身」

「ということで次はコラボ当日だね!

私はこの後用事あるから落ちるね〜」

「はーい、お疲れ様〜」

「おつかれ」

「...お疲れ様です」

「私も落ちるわ」

「うん、私も、お疲れ様」

「お、お疲れ様...」


奈女々さんが落ちるとドクロさんも鳴子さんも通話部屋から落ちる。

僕もコラボの日程をメモして通話部屋を抜けた。

頑張ってみたがまだ人と上手く話せない。

話そうとすると喉が潰れたような感覚になってしまう。


(話せるようにならないとな...)


僕はある決意をする。

コラボまでにもう一度配信をして慣れておく...!




コラボが告知され、質問箱には多くの質問が送られてきていた。

やばい質問での事故防止のため、各自でいいと思った質問を何件かまとめる話になっている。

僕は任された質問の厳選が終わり、あとはコラボを待つのみとなった。

だが、僕はコラボ前夜に突発の配信を開始する...!

葵さんに一応コラボ前に配信しても良いか聞いて、オッケーをもらっている。


【緊急会議】コラボ前夜祭?デッキ構築します【九尾狐狐】配信待機中


@九尾狐狐 Monster Live三期生

明日はコラボです。

皆さんの力を貸してください。

♯狐狐ライブ


視聴者数は八千人越え、突発だというのに...

前回の反省を活かして今回はしっかりと告知してから待機場を作った。

壁に貼り付けたカンペメモも更新されている。

その中に「トイッターで告知!」とあるのでもう忘れることはないだろう。

ちなみにコラボする時の為に相手のことを知っておく必要があるだろうと、同期三人の初配信を見返して必要そうな情報をメモして壁に貼っている。

ぱっと見やばい人の部屋のようだ。


コメントは既に盛り上がりを見せ、緊急会議に対する反応がほとんどだ。


【コラボ前夜に緊急会議マ?】

【コミュ障には準備が必要なんやろ】

【初配信で引退するかもと思ってたから俺は嬉しい】

【コミュ障がコラボ前に会議する場所はここですか】

【↑狐狐(ここ)です】

【↑誰が上手いこと言えと】


明日のコラボを考えると、一人で話す配信はなんだかいける気がしてきた。

放送開始時間になり、画面を切り替える。


「すぅ...ふぅ...よしっ!」

【可愛い】

【始まった!】

【可愛い】

【可愛い】

【また呼吸音スタート】

【助かる】

【これは癌に効く】

「...え?もう、マイク...入ってる...?」

【入ってる】

【入ってる】

【聞こえてる】

【可愛い声が聞こえてるぞ】


画面を見直すとミュートが解除されていた。

後から分かったが、どうやら初期設定のシステムでマイクをミュートにしていても配信を開始すれば自動で解除されるらしい。

挨拶の時にミュート芸をしないためのシステムだそうだ。


「えっと...ここにちは〜...Monster Live三期生の九尾狐狐です...」

【ちょっとした事故はスルー】

【なかったことにしたw】

【狐狐可愛いぞ】

【ここにちは〜】

【ここにちは〜】

【ここにちわ〜】


初配信で決めた挨拶をココ友が返してくれる。

僕は早速本題に入る。


「あの、告知にもあったんで分かっていると思うんですけど...三期生でコラボするんです...」

【知ってる】

【楽しみにしてる】

【コミュ障なのにコラボ大丈夫?】

【大丈夫じゃないから会議なんでしょ】

【あっ...】

「はい、ココ友の皆さんの予想通りです。

コミュ障の僕がコラボで話せる気がしないんです...」

【そこは頑張ってもろて】

【コラボ断れないの?】

【三期生コラボやぞ】

【これは断れない】

【今話せてるじゃん?】

「なんか明日のコラボが緊張しすぎてソロ配信が大丈夫になってます」

【自分よりビビりがいるとお化け屋敷とか怖くなくなるあの現象と同じ】

【↑それだわ】

「ということなので、デッキ考えます」

【困ったときのデッキw】


デッキ、それは会話の話題を事前に考えておくことで会話に困った時、その話題を手札から出して会話を繋げるのだ。


「と...とりあえず、天気デッキは必須ですね。

あと、僕は和菓子が好きなので食べ物デッキとかも良さそうですね...

オススメのデッキとかありますか?」

【和菓子好き解釈一致】

【パンツの色】

【スリーサイズ】

【性癖】

【休日の過ごし方】

【好きな季節】

「なんかエグイのありますけど、僕がそんなこと聞けるわけないじゃないですか」

【ちなみに狐狐ちゃんのパンツの色は?】

【俺も気になってたけどやめとけ】

【コミュ障のロリに聞いてやるなって】

「思うんですけど、パンツの色とかって女性用下着コーナーとかで見たらいいんじゃないですか?」

【それ変態じゃん】

【↑聞いてる方が変態だぞ】

【使用済みなのがいいの】

【変態しかいない】

「まあ、使用済みの方がいいのは分かりますけど...

あんまり女性に聞かないでくださいね、結構怖いと思うので」

【あ、はいすみません】

【すみません】

【急な真面目トーン】

【でも使用済みの良さが分かるあたり俺らと同類】

【狐狐ちゃんがオタクであることは周知やぞ】

【初配信でもめっちゃMonster Liveのこと語ってたもんな】


今、気になるコメントが視界に入った。


「あの...僕初配信で何かやらかしてないですかね...?」

【やらかしてはない】

【ただオタク君さぁ...ってなってた】

【オタクが垣間見えてたぞ】

【というかモロ出しだったけどね】

「うそ...記憶ないんですよね...

昔から話そうとすると必死になっちゃって、何話したか記憶にないんですよ...」

【流石コミュ障】

【さすコミュ】

【嫌な略語だな】

「今は初配信のおかげで結構落ち着けてます。

というかさっきも言いましたけど、明日が怖すぎて...」

【頑張れ】

【応援してる】

【楽しみにしてるから逃げないでね】

「というか僕初配信で何言ってましたっけ...」

【アーカイブ見返して】

【Monster Liveの愛を三十分ほぼノンストップ】

【早口言葉ずっと言ってるかと思った】

ルドラ【私は、まあ嬉しかったぞ】

【団長!?】

【団長だ!】

【一期生の先輩もよう見とる】

「えぃあぁ!?ルドラさ...先輩!?

待って、お気に入り登録どうするんだっけ...!!

やばいやばいやばいやばいまって嘘待ってください今ルドラ先輩に見られて...あ、はじめまして三期生の九尾狐狐です、狐の妖怪です、よろしくお願いします...!これだ...!あぁ...お気に入り登録できたよかった...ルドラ先輩いつも配信見てます、もう本当に、ありがとうございます...

産まれてくれてありがとうございます本当に...」

【落ち着いて】

ルドラ⭐︎【お、落ち着いてくれ...】

【流石の団長も困惑】

【狐狐ちゃんさぁ...】

【オタク出てるぞ】


僕はふと我に帰る...僕は今何を...?

ルドラ先輩の困ったコメントが視界に映った。


「あ...ごめんなさい...」

ルドラ⭐︎【大丈夫だ、少し驚いただけだ】

【ガチ凹みじゃん】

【たしかに最推しが来たら俺らもこうなる】

【やっぱり俺らと同種】

【↑それはそう】

「以後気をつけます...」

【結局明日は大丈夫そう?】

【そうだこの配信作戦会議だった】

「あ、明日のコラボはさっき決めたデッキで戦ってきます...!」

【骨は拾うぞ】

【当たって砕けろ!】

【慰めてあげるからね】

「なんで失敗する前提なんですか!?」

奈女々【狐狐ちゃんみ〜っけ】

【ヒェッ...!】

【うわ出た!】

【狐狐ちゃん逃げて超逃げて】

「奈女々さん!?す、すいません今日はここまでです!!」

【戦略的撤退】

【逃げろ狐狐、俺達が壁になる!】

奈女々⭐︎【逃げられちゃった...】

【あ、お気に入り登録してもろてるやん】

奈女々⭐︎【本当だ!やったぁ!狐狐ちゃん好き!】

【おめ】

【おめでとう】

【これはてぇてぇなのかな...】

【てぇてぇはずだ...きっと...】


【緊急会議】コラボ前夜祭?いいえ、作戦会議です【Monster Live】配信終了しました


@九尾狐狐 Monster Live三期生

今日の配信もご迷惑お掛けしました...

明日は三期生のコラボがあります。

ぜひ見に来てください

♯狐狐ライブ


トイッターには励ましのコメントがたくさん届いていた。

奈女々さんから逃げちゃったけど大丈夫かな...

とりあえず謝っておこう


『先程はすみませんでした』

『あ、狐狐ちゃん!

大丈夫だよ!いきなりお邪魔しちゃったのは私だしね、明日いっぱい話そうね!』

『はい、よろしくお願いします』

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