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前世がコミュ障男な僕がVtuberになれますか?  作者: カムカム
6章 コミュ障、新たな仲間!?
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61話 二回目の顔合わせ

最初の顔合わせ配信から数日後、練習も兼ねて二度目の顔合わせ配信をすることになった。

4Kテレビのみんなが集まっているグループチャットに日程が書かれ、全員で時間を合わせて配信しようと吉良さんが提案したのだ。


予定の時間が近づき、僕は既に日課になっているエイム練習をやめて通話部屋を覗き込む。

すると既に工作さんとレヴィさんと吉良さんが通話部屋に入室していた。

急いでゲームを落とし通話部屋に入室する。


「狐狐さん来た!」


「狐狐さんこんばんは〜!」


「狐狐さんこんばんは」


三人は雑談を止めて僕に挨拶をしてくれる。

もちろん僕も返す。

残るはきのこさんなのだが、なにやら用事があるらしく遅れるとの連絡がチャットで送られてきた。


「きのこさんは少し遅れるみたいですね、配信には間に合うと言っていますが大丈夫でしょうか...」


「まあ、遅れたら遅れたでなんとかなるでしょ!」


「うん、問題ない!」


「そうですね、四人でも練習はできますし」


「その時に考えればいいか...」


工作さんが少し不安そうな声を出すが、多分大丈夫だろう。

コラボは雑談をするだけでも楽しいので、きのこさんが来るまで話しながらゲームに触れるというのもありと思う。

と、考えている間に配信五分前となる。


「皆さん待機場は既に作っていますか?」


「ばっちり!」


「私も!」


「僕も準備はできています」


まもなく配信が始まるということで、ココ友や他のメンバーのファンの方が大勢待機場に入りコメント欄を賑わせていた。

僕もトイッターで配信が始まることを告知する。




【コラボ】二度目の顔合わせ!練習の成果を見せる時...!【4Kテレビ】配信待機中


@九尾狐狐 Monster Live三期生

今日は二度目の顔合わせです

エイム練習の成果...出て欲しいです...

♯狐狐ライブ

♯4Kテレビ




配信一分前、マウスカーソルを配信開始のボタンに合わせて待っていると、通話部屋の入室音が聞こえた。

きのこさんが本当にギリギリで入室してきたのだ。


「お、遅れたのです...」


「きのこさん、もう配信開始しますよ!」


「い、急いで準備します!」


きのこさんのマイクの先から凄い速度で叩かれるキーボードとマウスのクリック音が聞こえる。

配信三十秒前の出来事である。


「少し配信開始を遅らせましょうか...?」


「だ、大丈夫です!待機場はできてモデルの動作確認も完了です...!」


「本当に大丈夫?」


「問題ないのです!」


「じゃ、じゃあせーので配信開始しましょう」


僕はパソコンで時間を見て、時刻が切り替わる寸前で「せーのっ」と口に出す。

そして予定通り五枠の配信が始まった。


「皆さんここにちは〜」




僕は今、吉良さんにギフトとして送られたゲームをインストールしている。

理由は簡単、ASSが大型アップデートにて今日一日プレイできないとのこと。

事前情報を収集していない僕達のミスだった。

このまま配信を閉じるわけにもいかず、代わりにより仲を深めようと吉良さんがおすすめのパーティーゲームを全員にギフトで配ったのだ。


「まさかみんなメンテのこと知らなかったとはね〜」


「すみませんでした...」


「いえいえ、俺の方こそ確認不足で...」


「まあ、みんなで別のゲームで遊べるんだからいいじゃない!」


「レヴィさんは前向きですね...」


「狐狐さんは落ち込みすぎよ」


「うぅ...すみません...」


コメント欄を見ると、慰めの言葉が多く見られた。

みんなASSを見に来てくれたはずなのに、申し訳ない気持ちが溢れてくる。

その時、吉良さんが唐突に話し始めた。


「実は狐狐さんに一つ聞きたいことがあるんだよね」


「え...あ、吉良さんどうしました?」


「狐狐ちゃんって呼んでもいい?」


「あ、私も狐狐ちゃんって呼びたい!」


「あ、はい、呼び方はなんでもいいですよ」


僕がそう言うと吉良さんとレヴィさんは嬉しそうに声をあげた。


「私のこともキラリでいいよ!」


「じゃ、じゃあ...キラリさんで...」


「やったぁ...!名前で呼んでもらえた...!」


「な、名前を言っただけですよ...」


「狐狐ちゃんは推しに名前呼んでもらえたら嬉しいよね!?」


「う、嬉しいですよ」


「その感情と一緒なの!」


「そ、そうですね...僕で良ければ名前で呼ぶくらいならいくらでも...」


「じゃあちゃん呼びがいいな〜」


「ちゃん呼び...わ、分かりました...」


まだ会って二回目だと言うのにちゃん呼びは正直きつい。

いきなり距離を詰めているんじゃないかと思ってしまう。

相手がちゃん呼びなのはいいのだが、自分がそれをすると気持ち悪がられないかが怖いのだ。

だが、期待に満ちた声を聞き僕は意を決して呼ぶ。


「キ...キラリ...ちゃん...?」


「あー...可愛い、ココ友のみんな聞いた?今の」


「え...?」


キラリさ...ちゃんがそう言うので、僕は反応が気になってコメント欄に視線を移した。


【かわよ】

【なに今の慣れてない感じやばい】

【ボイスはよ】

【俺の名前も呼んでくれ〜!!】

【モゴモゴしてるのリアル過ぎてやばいなw】

【てぇてぇな...】


「な...!?なんかおかしいことしましたか、僕...」


「いや...ココ友のみんなも私も狐狐ちゃんの魅力に改めてやられただけだよ...」


「確かに今のはボイス欲しくなりますね」


「すっごく可愛かったのです」


「うん、可愛かった〜」


「み、みんなまで...!?」


ゲームのインストールが完了するまで、僕はみんなの名前を呼び続けるのだった。

その度にコメント欄がどんどん流れていく理由が分からなかった。

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