60話 ソロ練習配信
@九尾狐狐 Monster Live三期生
ASS練習します
程よいアドバイスをしてくれると嬉しいです
コメント欄で言い争いはしないようにお願いします!
♯狐狐ライブ
【ASS練習】リーダー枠として頑張るために!【九尾狐狐】配信待機中
顔合わせ配信の翌日、メンバー達は自分達の配信があるため練習はできない。
なので僕は一人で練習をすることにした。
アドバイスをコメントで求める予定だが、予想では口論になってしまうと思う。
僕は事前に注意喚起として動画の概要欄に『アドバイスは質より量と思うので、他の人の意見を否定しないようにお願いします』と書いておいた。
僕は既にかなりの人数が待機していることを確認し、少し緊張感が高まる。
だが、人は不思議なもので回数を重ねるごとに成長していくのだ。
大きく深呼吸すると激しく動く心臓が落ち着く。
僕はモデルの動きを最終確認して配信開始のボタンをクリックした。
「ココ友の皆さん、ここにちは〜」
【きちゃ!】
【ここにちは!】
【ここにちは〜】
【狐狐ちゃんきちゃ】
【久しぶりの一人配信だ】
「そうですね、一人配信は久しぶりです。
...少し寂しく感じてしまいますね」
【一人配信できない体になっちゃった...】
【あんなあったけぇコラボ経験したらねぇ】
【それだけ楽しかったってことやろ】
【最初あんなに人に怯えた小動物みたいな配信してたのに...】
【狐狐ちゃんの成長を見られて俺らも誇らしいわ】
「は、初配信は本当に怖かったんですよ...!
それより、次のイベントのML杯で勝ちたいんです」
【狐狐ちゃんリーダー枠だしね】
【向上意欲凄いねぇ...】
【応援してる】
「ということで早速、野良で入っていきます」
【野良で行くんか...】
【野良ランクはやめといたほうがいい】
【野良は練習にならなそう】
「の、野良ってそんなに危ないところなんですか...」
コメント欄がマイナスな言葉で埋まっていく。
そんなに野良はまずいのだろうか...
僕はどれだけ言われても一回は自分で確かめたい性格だ。
コメント欄が凄まじ速度で流れるのを横目に、マッチング開始のボタンを押す。
「一度経験して判断しますね」
【狐狐ちゃん...!行くな...!】
【メンタルやられないようにな...】
【逝ってらっしゃい】
数秒でマッチングし、このゲームがどれだけの人にプレイされているかが分かる。
マッチングした野良の人の声が配信に乗らないようにVCをオフにしておいた。
ちなみに自分の名前も匿名モードにしているので『プレイヤー1』となっている。
画面は巨大な鳥の背を映す。
同じパーティーになった野良の方がチャットで『よろしく』と書いた。
僕も『よろしく』と返す。
「結構雰囲気良いんじゃないですか?」
【もしや光のASS...!?】
【雰囲気○】
【これはいいんじゃないか?】
「お、降りるみたいですね」
仲間が落下地点にピンを刺し、パーティーリーダーになった野良の人が飛び降りた。
僕も一緒に降りていき、落下地点のピン近くにある建物に入る。
近くにもパーティーが降りたのか、野良の方がピンを刺す。
急いで目の前にあるアイテムを集め、パーティーに合流することにする。
「とりあえずチーターのソウルとショットガンを手に入れました」
【これは熱い】
【ダッシュで接近してショットガンや】
【チーターショットガンは刺されば強い】
【とりあえず合流優先かな】
その時、近くの建物で銃声が響き出した。
パーティーの一人が連続でピンを刺し、慌てていることが伝わる。
マップを見るとほかのパーティーメンバーも銃声の方に集まっていく。
「僕も急いで向かいましょう」
チーターのスキルで移動速度が上がる。
銃撃戦が始まっている建物に近づいた瞬間、後ろからダメージを受けた。
「後ろ...!」
移動速度を活かして近くにあった車に隠れ、しゃがむことで射線を切る。
拾った回復アイテムを使用して回復し、車から顔を出して相手の位置を探りながらパーティーの近くを目指す。
すると建物二階にある窓に一瞬人影が見えた。
その位置を警戒しながら移動を開始する。
「あそこの建物ですね...」
【よく気付いたな】
【え?今見えた?】
【一瞬だけ頭見えた】
【マジで初心者の反応じゃないな】
コメントをチラ見すると、僕の反応速度に驚く声があった。
実は前世でもFPSを遊んでいたので、その時の経験が活きているのだろう。
しかも年齢も若くなっているのでより視野が広くなっているのかもしれない。
「とりあえず合流できましたね、ショットガンなので前線でますか」
【味方の立ち回りに合わせよう】
【味方がサポート系のソウルばっかりだな】
【狐狐ちゃんがやりたいようになってみれば?】
「スキルはクールタイムで使えないので遮蔽物意識しながら...」
敵の位置を把握しながら前線で戦うパーティーの元に駆け寄る。
僕のカバーを頼ったのか、味方がしゃがんで回復を始めた。
車と建物で射線は切れているが、接近されると逃げる術がない場所。
僕はショットガンを構え、敵に備えた。
「足音近づいてきてますね...わ!三人!?」
連携の取れた動きで三人が同時に視界に現れた。
慌ててエイムを合わせ、ショットガンを撃つ。
だがエイムがズレたのか少しのダメージしか入らず、僕のHPは凄い速度で削れていく。
倒れる寸前、味方のカバーで二人をダウンさせることに成功するが、別の敵が投げたグレネードに巻き込まれて僕含めた二人がダウンしてしまう。
「相手グレネード投げる場所上手いですね...」
【今のは相手が上手いわ】
【あそこでグレネード投げるの冷静だな...】
【狐狐ちゃんドンマイ...!】
その後、一対一まで持ち込むも別の敵に漁夫されてしまい全滅してしまった。
画面は最初のロビーに戻ってくる。
「何にも出来なかった気がします...」
【初心者なんだししゃーない】
【伸びしろは感じた】
【最初はみんなそんなもんよ】
何も出来ずやられてしまい、悔しい気持ちが出てくる。
前世から引き継いでいる負けず嫌いの血が騒いだ。
「...エイム練習します」
僕の配信は一回のマッチングの後、残り時間はコメント返信しながらのエイム練習になった。
だが、連続でエイムを合わせる練習をしてしまった為、次の日に手首が痛くなってしまい少し後悔することになってしまう。




