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前世がコミュ障男な僕がVtuberになれますか?  作者: カムカム
5章 コミュ障、イベントスタート!?
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43話 トークイベント終了

トークイベントも進み、僕もだんだんこの会場の雰囲気に慣れてきた。

次にやってきたのはスポーツ系の雰囲気をしたイケメン。

イケメンオタク...だと...

そう思いつつ、挨拶しようと口を開いた時だった。


「狐狐ちゃん!結婚してくれ!!」


聞き覚えのある声でそう叫ばれた。

アナウンスでマイク切り忘れた時に叫んだ人かな...


「え、遠慮します...

開催宣言の時に同じこと言ってました?」


「あ、それ俺の弟です」


「え、きょ...兄弟で来てるんですね...」


「まさか兄弟で抽選当たるとは思いませんでしたよ。

兄弟でいつも応援してます!!」


「あ、ありがとうございます...!」


イケメンは弟にも何か言ってやって下さい、と言ってきたのでありがとうとメッセージを送っておいた。

後にこのイケメン兄弟は豪運のココ友兄弟として少し有名人になるのだが、それは別のお話。

交代のアナウンスが聞こえると、イケメンはニカッと笑って次の人と交代する。


入れ違いに来たのはスーツを着たおじさんだった。

左手の薬指に付けた指輪がスポットライトで輝いて見える。


「えっと、ここにちは...?で合っているでしょうか...」


「あ、はい、ここにちはです...」


「合っていてよかったです。

実は娘が大ファンでして、今観客席にいるのですが、私と九尾狐狐さんが話している所が見たいと駄々をこねてしまいまして...」


「そ、そうなんですね...大変ですね...」


「ええ、でもとても可愛いんですよ」


おじさんの娘溺愛トークに花が咲く。

なんと時間のほとんどを娘のトークで埋めてしまった。

交代のアナウンスで我に帰ったのか、冷や汗が流れているように感じる。


「あの...すみません...」


「い、いえ、娘さんのことが大好きなんですね」


「お恥ずかしい限りです...

さ、最後にゆーちゃんと娘を呼んでいただけませんか...?」


「わ、分かりました...

えっと...ゆ、ゆーちゃん...?」


「はぁい!!」


ステージの下にある席の最前列にいる小さな女の子が元気いっぱい手を上げた。


「か、可愛らしい娘さんですね」


「ありがとうございます...」


なんとも言えない雰囲気でおじさんはお嫁さんの元に帰る。

椅子に座るとゆーちゃんに抱きつかれていた。


その後もトラブルを心配していたが、何の問題も起きずに進行していった。

そして、あっという間に最後の一人となった。

座ったのは目が隠れるほど髪を伸ばした女の子、僕と同じくらいか年下だろう。

少女は震える手を擦り合わせながらモジモジとしている。

意を決したのか、僕の方を見て口を開いた。


「こ、ここにちは...」


「ここにちは...!」


「あの、えと...その...」


「だ、大丈夫ですよ、落ち着いて話しましょう...!」


「あーダメだ...推しが私のことを心配してくれてる〜...」


「あ、お、推してくれてありがとうございます...!」


「あーもー絶対死ぬまで推す、死んでも推す...」


「死なないでくださいね...?」


「あぁ...寿命が永遠に伸びました、ありがとうございます...」


「す、凄い限界オタクですね...」


「だって狐狐ちゃんめっちゃ可愛いんです、本当に生まれてきてくれてありがとうございます...」


「こ、こちらこそ推してくれてありがとうございます...!」


『まもなく終了です』


「狐狐ちゃん、最後に言ってほしいことがあります...!」


「は、はい、なんですか?」


「とびきりの笑顔で大好きって言ってください!」


少女の要求にココ友の目が変わった。

なんで写真撮っちゃだめなんだ!と聞こえた気がする...

モニター越しにみんなの視線が僕に集まった。

ファンサービスを頑張ろうと思っていたがこれはかなり恥ずかしい。

でもモニターに映る少女から期待の眼差しが向けられる。

よし...やるぞ...!


「い、いきます...。だ...大好き...!」


「きゃぁあああ!!ありがとうございます!!」


僕の声にココ友から歓声が上がる。

既に最後のファンとのトークを終えていた奈女々ちゃんが声を上げた。


「狐狐ちゃん私にも言って!!」


その声でまた会場が笑いに包まれる。

終了のアナウンスが鳴り、トークイベントは大盛況で幕を閉じた。




僕はヘロヘロになりながら控室に戻る。

扉を開けた瞬間、奈女々ちゃんに抱きつかれた。

身長差的に僕の顔が胸に吸い込まれる。


「狐狐ちゃん私にも大好きって言ってよ〜」


「そ、その前に離して...!胸が!」


「押し当ててるのに〜」


「やめて...!」


僕は奈女々ちゃんを振り解く。

残念そうな顔をする奈女々ちゃんを横目に、緑子マネージャーの話を聞く。


「お疲れ様でした。

これからイベント後の感想トークとなりますのですぐ移動ですが、トイレなどは大丈夫ですか?」


「大丈夫です」


「私も大丈夫ー」


僕も大丈夫そうなので軽く頷いておいた。


「それでは移動しましょう」


僕達はスタジオに移動する。

先輩達は3Dモデル、僕達は立ち絵での感想トークとなる。


スタジオに着くと、先輩達はモーションセンサーを身に付けモニターに映る範囲に入る。

僕達はマイクの置いた机に並んで座った。

スタッフさんの合図で会場のモニターに先輩達が映り、それを確認した先輩達は会場に向けて手を振った。


「皆さん本日はイベントにお越しいただき...」


(全員)「ありがとうございました!」


会場は拍手で包まれる。


「それでは今からは感想トークになります」


ニコさんがそういうと、雑談配信で流すような落ち着いたBGMが流れ始めた。

ファン達もいつもの雑談配信を見るように楽な姿勢になる。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 私もあなたを愛しています、キツネちゃんが一番かわいいです!
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