2話 人生の転機は急に来る
(Monster Live三期生か...次のコンセプトはなんだろう...)
今やトップVtuberグループと言っても過言ではないMonster Liveは一期生、二期生とコンセプトがあった。
一期生は異世界がコンセプトになっている。
僕の最推しのラゴン・ルドラさんをはじめ、冒険者ギルドのウサミミ受付嬢ニコ・ウラナさん、エルフ姉妹のレミさんとソラさん、この四人が一期生としてMonster Liveを有名にして行った。
二期生は動物園がコンセプトだ。
ライオン娘のイオさん、キリン娘のリンさん、パンダ娘のパンさん、カンガルー娘のルーさんの四人がデビューしている。
この八人を語りたいがまた次の機会にしよう。
僕はVtuber好きの前世の記憶もあり、Monster LiveというグループができたとSNSで知ったその日から全員を追っている。
それぞれ個性があり、モデルも可愛く視聴者を瞬く間に虜にした。
僕もその一人だ。
(Monster Liveも三期生かぁ...)
トイッターのみんなの反応を眺めながらそう思った。
僕もコミュ力が高ければ応募してたかもな...とVtuberの人達を眺めながら思う。
僕もこんな風に輝けたらなぁと応援しながらも憧れていた。
もちろんそう簡単に叶う夢ではなく、妄想しては放送事故を起こす自分の姿が容易に浮かび悲しくなる。
配信が始まり、画面にルドラさんが映った。
相変わらず見た目はカッコいい。
配信開始から数分した時、一階からお母さんの声が響いてくる。
「歩〜ご飯できたよ〜!もう食べる〜?」
「うん!食べる〜!」
配信は始まったばかりだが僕は配信を一時停止し、お母さんの声に返事して一階へ降りる。
「お風呂も沸いてるけどご飯先食べる?」
「あ〜...お風呂先入ろうかな?」
「分かった、お湯出る設定にしてるから足りなかったらお湯出してね」
「はーい」
僕はこの時、お母さんが不敵な笑みを浮かべていることに気付かなかった。
お風呂を上がり、ご飯も済ませて配信を巻き戻して見ながら宿題を進める。
画面にはオーディションの詳細と三期生のコンセプトなどが映り、ルドラさんが説明をしていた。
(三期生のコンセプトは妖怪か〜)
Monster Liveはゲームに自信がある人や話すことが大好きな人、歌が上手い人、それ以外の理由でも配信をしたい人を応援したいと語っていた。
トイッターではどんな子がデビューするのかと予想大会が開かれる。
と言う僕自身もいろんな妖怪を思い浮かべながら、どんな子がデビューするのかなと妄想しながら今日を終えるのだった。
時は流れ、相変わらず周りに馴染めない学校生活を送っているとMonster Live三期生の一次審査の結果が発表され始める。
ぼっちな現実から目を背けるようにネットを眺めると、トイッターは既に盛り上がっていた。
今日はちょうど休日で僕はトイッターを何気なく眺めている時だった。
とあるメールがパソコンに届く。
(...?なにこのメアド、Monster... Live!?)
訳もわからず添付ファイルを開いた。
これがウイルスメールだったら一発アウトだっただろう。
だが正真正銘、Monster Liveからのメールであり開いたファイルの中には賞状のような書類のデータが入っていた。
『鷲川歩様
Monster Live三期生に応募していただき誠にありがとうございます。
この度、歩様の一次審査の合格を...』
合格...?
ここで僕は驚きでメールが見えなくなった。
なんで?誰が応募を?僕が?合格?僕がMonster Live三期生になるかも...?え?
その時、タイミングよく部屋の扉が開いた。
「歩、メール届いたかな?」
「え、お母さん...?」
「歩は話すの苦手でしょ?
でも好きなことならいっぱい話せるよね。
だから歩の好きなMonster Liveに入れば話すのが苦手なのも治るかなって思ってお母さん応募しちゃった♡」
「しちゃった♡...じゃないよ!?荒療治にも程があるよ!?」
「でも好きなんでしょ?Monster Live」
「...うん、好きだけど」
「じゃあ頑張ろう!お母さんも応援するよ!」
「そうじゃなくて!僕はどんな設定でMonster Liveに入ればいいんだよ!」
「任せて、お母さんが設定考えておいたから」
お母さんが親指を立てるが全く信用できない。
一次審査ではどんなことをしたいか、どんな思いがあるのか、どんな目標があるのか、そしてどんな妖怪になりたいかを送るようになっている。
僕のクソザコステータスでどうやって合格をもらったのだろうか...
もう一度メールを見直すと下の方に気になることがかかれていた。
「面接の日程...?」
「一次審査に合格した人はリモートで面接をするのよ」
「面接!?無理無理無理!!」
「大丈夫!一次審査受かったんだから!」
「大丈夫じゃないよ!」
「でも憧れてるでしょ?Vtuberに」
「憧れては...いるけど...」
「じゃあ頑張りましょ、お母さんチャンネル登録するね!」
「もう...お母さん!まだ決まったわけじゃないんだよ!?」
言いたいことだけ言ってお母さんは一階に戻っていった。
僕は未だ実感が湧かないままベッドに横になる。
僕がMonster Live...三期生...になるかもしれない...
面接に対する緊張感からか、その日は放送事故で僕の配信が荒れる夢を見た。