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前世がコミュ障男な僕がVtuberになれますか?  作者: カムカム
2章 コミュ障、推しと並ぶ!?
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14話 これは泣きます

記念配信を始めて数分、二個目の質問を回答し終わった時通話部屋の入室音が聞こえる。

それと同時に声が聞こえた。


「狐狐ちゃん三万人おめでとぉ!!パァーンッ!」

「わぁ!?」

「えへへ、クラッカー準備してたら遅れちゃった」

「わざわざ用意してくれたんですか?」

「当たり前じゃん!おめでたいんだから盛り上がらないと!!」

「ありがとうございます...!えっと、皆さん分かっていると思いますがお名前をお願いします!」

「はい!Monster Live三期生の赤桶奈女々だよ!

みんな大好き狐狐ちゃんの収益化、そしてチャンネル登録者三万人突破のお祝いに来たぞぉ!

ココ友のみんな!今日は宴だ!!パァーンッ!」

【宴だぁあ!!】

【やっぱり奈女々ちゃんが来るかw】

【耳いった】

【鼓膜ないなった】

【良かったわ、鼓膜のストック用意しておいて】

【↑俺にも鼓膜分けてくんね?】

「ちょ、ちょ...何個クラッカーあるんですか...」

「えっとね〜...十二個入りパーティークラッカーだって」

「後十個あるんですか...」

【鼓膜足りない】

【2000円:クラッカー代】

「想像以上にうるさかったし、もうクラッカーは鳴らさないでおくね」

「そうしてもらえると助かります」

「うるさくしちゃってごめんね?

とにかく、本当におめでとう!またコラボしようね」

「ありがとうございます、またコラボしましょう...!」

【狐狐ちゃんがコラボのお誘いに乗った!?】

【三期生あったけぇ...】

【狐狐ちゃん...成長したな...】

【狐狐ちゃんが俺を置いて成長していく...】


コラボのお誘いに驚いたコメントが凄まじい量流れる。

三期生となら一度コラボしているし、配信外でも仲良くしてもらっているので自然と心が開いていったんだと思う。

一緒にいて楽しいし、話す時に感じる緊張感もかなり薄れている。


「じゃあ面白そうなゲーム見つけたら誘うね!」

「はい、待ってます」

「それじゃ、またね!」

「ありがとうございました、赤桶奈女々さんでした!」


奈女々さんが通話部屋を出た瞬間、退出音と同時に入室音が聞こえた。


「おっ...」

「やっほ、狐狐ちゃん」

「あ、ドクロさん!あ...えっと、お名前をお願いします!」

「オホン、ガシャ=ド=クロです。

狐狐ちゃんのお祝いにきた」

【どうもじゃない挨拶初めて聞いた...】

【ドクロちゃん親しい人にはやっほって言うんだ】

「狐狐ちゃん、三万人と収益化おめでとう」

「ありがとうございます!」

「本当に凄い」

「支えてくれるみなさんのおかげです...」

「狐狐ちゃん自身も凄い」

「あ、ありがとうございます...

あんな初配信してしまったのに応援してもらえて、本当に嬉しいです」

「これからも頑張って。

後、私ともコラボして」

「もちろんです...!」

「うん、やろう。

次、鳴子来るから、またね」

「あ、言って良いんですかね...

はい、来てくれてありがとうございます!」


すると入室音が鳴る。


「なんで言うの〜!」

「あ、来た」

「本当に鳴子さん待機してたんですね...」

「そうよ、三期生で順番にお祝いしようと思ったらドクロちゃんがバラしちゃうんだもの...!」

「つい...」

「ついじゃないわよ...!」

「私も混ぜろぉ!!」

「わっ!?」

「もう!奈女々まで来たら収集つかないじゃないの!」

「私を置いて三期生集合なんて許さないぞ!」

【三期生集合した...!】

【実質コラボ】

【てぇてぇ】

【あったけぇな】

【三期生仲良いなぁ】


その後も雑談混じりでお祝いのメッセージが送られる。

知らぬ間に時間が経ち、配信終了まで十分になっていた。


「待って!?もうこんな時間じゃない!?」

「あ、話しすぎた...」

「やばい...やらかしちゃった...」

「え、何かあるんですか...?」

「それはお楽しみよ」

「とりあえず私達はここでおさらばするね!」

「じゃあ、またね」

「は、はい!ありがとうございました!」


三人が退出し、一気に静かになった。

何を話して良いか分からなくなったが、さっきまでの三期生集合の感想を言おうとしたその時、入室音が鳴る。


「あ、来てくれてありがとうございま...」

「やあ、ラゴン・ルドラだ。」

【最推しきちゃ!?】

【団長だぁああ!!】

【狐狐ちゃん大丈夫か!?】

【これは嬉しすぎるな狐狐ちゃん...】

【狐狐ちゃん良かったなぁ...】

「ル、ルドラさん...」

「なんだ、狐狐」


僕は今まで挫けそうな自分の支えになってくれた推しがすぐそこにいることに、そして僕の為にここに来てくれたことに感動して声が震える。

辛かった時見ていた配信、その配信で元気をもらっていた。

そこにいたのが、ルドラさんなのだ。


「ルドラ...さん、来て、くれたんですね...」

「もちろんだ、大切な後輩だからな。

他のみんなも来る予定だったが、三期生のみんなが仲睦まじくてな。混ざれなかったんだ」

「そ、それは...すみません...」

「なに、謝ることはないさ。

...私が来たのはみんなに言われてな」

「皆さんに...?」

「ああ、私に祝ってやってくれと。

狐狐はずっと私の配信を見てくれていたそうだな。

ありがとう、そしてチャンネル登録者三万人、収益化おめでとう」


ルドラさんのその言葉が体に響いた。

コミュ障で人と話すことすらできなかった僕が今最推しのルドラさんと話している。

しかも、僕のことを祝ってくれていると思うと涙が溢れて来た。


「あ、あり...ありがとう、ございます...」

「狐狐...大丈夫か?」

「はい...だ、大丈夫...です...」

「初配信から頑張っていたからな。

私はずっと見ていたぞ」

「初配信...から...」

「ああ、そしてこれからも応援し続けよう。

共に頑張っていこうな、狐狐」

「は...はい...!」


コメントでも祝われながら、僕の記念配信は終わった。

今でもルドラさんの言葉が頭に残っている。

僕は幸せな気持ちのまま眠りにつくのだった。


その日のトイッターでは記念イラストやルドラさんと狐狐が並んだイラスト、三期生が仲良く集まっているイラストが多く投稿され、お祝いコメントも多く届いた。

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― 新着の感想 ―
[一言] とても良いです、私は継続を待っています
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