140話 後輩とコラボ①
お母さんとのコラボが大いに盛り上がって数日。
マネージャーさんからメッセージが届く。
内容は後輩のMonster Live familyとコラボしてほしいとのことだった。
Monster Live好きという共通の話題で盛り上がれる僕が最初のコラボ相手に向いてるそうだ。
そのメッセージが届いた頃、Monster Liveのシャベルサーバーにコラボ用の通話部屋ができていた。
チャット部屋ではfamilyのみんなが話している。
コラボ前に少しでも絡んで緊張をほぐせたら...なんて考えるが、その輪に入るハードルが凄まじく高い。
(familyのみんなとコラボか...)
コラボ内容は雑談をするらしい。
何を話せば良いか考えているうちにどんどん時間が経っていく。
僕がチャット部屋に混ざれたのはコラボ配信数日前だった。
【コラボ】狐狐先輩と一期生の雑談コラボだワン!【九尾狐狐/骨掘わんこ/夢中メア/長閑稲香/ファリー】配信中
@骨掘わんこ Monster Live family一期生
遂に念願だった狐狐先輩とのコラボだワン!
familyのみんなと狐狐先輩といっぱいお話しするワン!
絶対見に来て欲しいワン!
#MLfamily一期生
#ワンワンライブ
「みんな準備は大丈夫かワン?」
わんこさんが再度確認をする。
「あたしは大丈夫だよ〜」
「私も...大丈夫...」
「私も準備おっけー!」
「稲香ちゃん、狐狐先輩が居るからって緊張しすぎワン」
「う、うるさい...!」
「そ、そうでs...そうだよ...!
き、緊張せずにが...頑張ろう...!」
「わ、分かってます...!」
「なんかぎこちないね〜」
「配信始めるワン!」
わんこさんの声に全員が静かになった。
カチッとクリック音が聞こえ、配信が始まる。
コメント確認用でスマホでわんこさんの配信を見ているが、コメントがあまりにも速すぎる上に文字も小さいので見えない。
「ご主人様〜こんにちワーン!」
【こんにちワン!】
【こんにちワーン!】
【来ちゃー!】
【このコラボを待ってたんだ...】
【待ってた!】
「まずは自己紹介ワン!
私は骨掘わんこワン!」
わんこさんが自己紹介をして僕達にパスをする。
自己紹介順はまずfamilyのみんなが自己紹介をして、ゲストとして僕が自己紹介をする流れだ。
「みんなの夢にお邪魔しちゃうぞ〜
夢中メアだよ〜!」
「長閑稲香です」
「ファリーお姉さんで〜す!」
「そして今回はMonster Liveの先輩に来てもらってるワン!」
「ここにちは...!
今日はよろしくお願いします、九尾狐狐です!」
「というわけで、狐狐先輩とのコラボワン!」
【狐狐ちゃんだ〜!】
【推しがどんどん絡んでくれるのまじやばい】
【やっぱり最初のコラボ相手は狐狐ちゃんか】
「今日はMonster Live博士の狐狐先輩にいろんなことを聞いちゃうワン!」
「狐狐先輩の配信に行くと毎回Monster Liveについて語ってるから本当に好きなんだな〜って伝わってきます!」
「め、メアさん...べ、別に敬語じゃなくても良いよ...?」
「うーん...先輩がそう言うなら!」
「私も狐狐先輩と距離近付きたいな〜...」
「ファリーさんも!」
「私も!あと、私はさん付けじゃなくてちゃん付けで呼んで欲しいワン!」
「あ、ずるい!」
「えへへ...じゃ、じゃあわんこ...ちゃん...」
【毎度距離が近くなる瞬間の狐狐ちゃん好きw】
【そりゃ推しと仲良くなれるんだからなw】
【マジでMonster Live大好きすぎるMonster Liveなんだよな】
僕から距離を縮めるのは苦手なので、こうやって言ってくれるのはありがたい。
でもこうなると稲香さんとも近付きたい...
稲香さんは同じMonster Live好きなので是非とも仲良くなりたい...
勇気を振り絞り、静かにしている稲香さんに話しかけることにした。
「えっと...稲香...ちゃん...?」
「...!」
「あら〜良かったね〜稲香ちゃん?」
「裏で狐狐先輩のことずっと話してたものね〜」
「ファリーさんもメアさんもうるさい...!
こ、こ...狐狐先輩...」
「はい、狐狐先輩です...!」
【なんだこの2人最高か?】
【てぇてぇ】
【狐と狸が絡んだ瞬間である】
【この絡みが見たかった...】
「稲香ちゃんと狐狐先輩も仲良くなったところで、早速最初の話題に移るワン!」
わんこさんが事前に用意していた画面を配信に映す。
そこにはお互いのことを褒め合おうと可愛らしいフォントで書かれていた。
配信の内容は聞いていたが、いざ本番となると少し恥ずかしい。
「私達まだ配信そんなにしていないけど...」
「これからの配信のために自信を付けるワン!」
「本当に申し訳ないけど、狐狐先輩ならどんなことでも褒めてくれそうって思っちゃうな〜...」
「じゃあ私達から狐狐先輩を褒めるワン!」
「え、えぇ!いきなり...?」
「へっへっへ...覚悟してね狐狐先輩?」
メアちゃんの少し悪い笑い声。
自分の後輩だからかより一層可愛く感じた。
「私から言うワン!
狐狐先輩は何事にも頑張ってる姿がかっこいいワン!
その姿を見て、私も挑戦しようと思えるんだワン!
狐狐先輩は見ている人に勇気を与える天才ワン!」
「あ、ありがとう...これ、恥ずかしいね...」
「次は私ね〜!
狐狐先輩はね、無意識に応援したくなる先輩だと思うの!
MG杯とかは特に応援したくなったな...
周りはみんなそのゲームを極めている人達だらけだったのに、初心者とは思えない活躍。
決勝戦はあたし泣いちゃったもん...
これからも体に気を付けて頑張ってほしいな」
「ありがとう...!体調は気を付けるね...」
「次は稲香ちゃんだワン!」
「う、うん...えっと...」
稲香ちゃんは緊張からか声を少し震わせながら話し始めた。
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