130話 Monster Live family一期生①
僕は終わらせた宿題をカバンに入れる。
明日の準備も万端、僕は溜まっていたみんなの配信を見ることにした。
昨日休みで遅れた分の勉強は渡さんに見せてもらい、ノートを写させてもらった。
今日宿題を急いで終わらせたのには理由がある。
遂に今日、Monster Live familyの一期生が4人デビューするのだ。
公式から告知があり、ファンの全員が今か今かと配信時間を心待ちにしている。
僕もその1人だ。
僕は配信お休み中なので、久しぶりに予定のない夜を満喫するつもりである。
トイッターでMonster Live familyで検索していると、僕の推しが増えるといった投稿をしている人が結構いた。
お風呂も晩御飯も済ませて、パジャマに身を包んでパソコンの前に座る。
配信待機場には既にかなりの人数が待機していた。
【遂に来るぞ〜!】
【この待機してる人の中に狐狐ちゃんいると予想】
【絶対いるw】
【狐狐ちゃんだけじゃなくて、先輩たちみんな見に行くって投稿してたぞ?】
【後輩たち緊張するだろうなぁこれw】
【そういえばどんな子がデビューするか情報出てる?】
【多分出てないと思う】
family一期生の情報はシルエットすら出ていないのだ。
完全にデビュー配信が初お披露目となる。
Monster Live familyからはコンセプトがなくなり、色んなジャンルの人外ライバーがデビューしていくという事だけは発表があった。
どんな子が出るか予想しているうちに配信の時間となった。
デビュー配信リレーで4人のライバーが配信を繋いでいく。
最初の1人の配信が始まった。
【初配信】Monster Live family一期生の骨堀わんこだワン!【骨掘わんこ】配信中
画面にモデルが映し出された。
ボーイッシュな短い黒い髪、折れてへにょっとした犬耳が可愛い。
吊り目気味で鼻に貼った絆創膏から活発な女の子だということが伝わってくる。
短パンTシャツの動きやすい格好に走りやすそうなスニーカー。
胸が控えめなことからぱっと見、男の子のように見える。
『ご主人初めましてだワン!』
【きちゃ〜!】
【可愛い〜!】
【ワンワン!!】
【犬娘だ!!】
【はい推します】
『私は骨掘わんこだワン!
人間社会を頑張るご主人に元気を出して欲しくて、こうして配信をしようと思ったんだワン!』
可愛い。
可愛い声がイヤホン越しに聴こえてくる。
とても元気いっぱいな女の子、僕はすぐに推そうと思った。
『私は体を動かすことが大好きだから、いつかダンスをご主人達に見せたいワン!
応援よろしくお願いしますワン!』
【応援するよ〜!!】
【応援するワン!】
【頑張れ〜!】
【1人目からレベルがたけぇ...】
【まだ後3人いるのか...心持つか...?】
わんこさんはこれからやりたい配信や目標を話した。
すると、コメントを拾い1番推している先輩を答えることになった。
『1番推している...っていうか憧れている先輩がいるワン』
何故かちょっと呼ばれるかも?なんて思っている自分がいた。
こ、こんなコミュ障狐に憧れるよりもっと凄い先輩はたくさんいるんだよ...
『先輩達は全員憧れているけど、その中でも狐狐先輩に憧れているワン!』
「え...?」
思わずパソコンの前で声が出てしまった。
こんな元気いっぱいな子に憧れられるのか?と嬉しさよりも困惑が勝ってしまう。
わんこさんは話を続けた。
『私は諦めやすい性格で、どうしても長続きしないワン...
でも狐狐先輩は自分が苦手なことでもしっかりと向き合って頑張っているんだワン!
私もそんな配信者になりたいんだワン!』
【分かる...狐狐ちゃんめっちゃ頑張り屋だもんな】
【MG杯見たかみんな】
【初心者の知識量じゃないし、配信お休み入ったし絶対無茶してたって...】
【狐狐ちゃんお大事に!】
【そうか狐狐ちゃん絶対いるもんなw】
『狐狐先輩!大会お疲れ様だワン!
配信復帰したらコラボしてくださいワン!』
(こ、コメントした方がいいのかなぁ...)
マネージャーさんからは配信が休みなだけなので自由にしていてくださいと言われている。
雰囲気も僕が登場すれば盛り上がりそうな様子なので、ちょっとした注意も兼ねてコメントすることにした。
九尾狐狐【復帰したらしましょう、後せっかくのわんこさんのデビュー配信なので僕のことより自分のことを話して下さい】
コメントを投稿して一瞬で後悔した。
なんか堅苦しいし、上から目線すぎじゃないか...?
やってしまったと思っていたが、わんこさんは明るく対応してくれた。
『わあ!狐狐先輩!ありがとうございますワン!
すみません、どうしても狐狐先輩のことを話したかったから話させてもらいましたワン!』
【おるやんけ!】
【先輩からのありがたいお言葉】
【こ〜れ、狐狐ちゃんわんこちゃんのこと知りたいんだと思います】
【間違いない】
『コラボ楽しみにしてますワン!
お気に入り登録させてもらいましたワン!』
九尾狐狐⭐︎【ありがとうございます!】
【実際に会話してないから敬語だw】
【この2人がてぇてぇするところ早く見たいな...】
【狐狐ちゃんはお休み中だからもうしばらく後だな】
わんこさんは相当僕のことが好きなのか、僕がコメントしなくなっても僕の事をものすごく語っていた。
それでも視聴者の人達も僕のことを知ってくれているようで、みんなでMonster Liveの話で盛り上がっていた。
あまりにも盛り上がりすぎて、2人目のデビュー配信が10分遅れてしまったのは反省するべき点だろう。
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