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前世がコミュ障男な僕がVtuberになれますか?  作者: カムカム
10章 コミュ障、戦場に行く!?
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117話 MG杯下トーナメント一回戦②

「強すぎるんだけど!」


「ニコさんマジかよ...」


「つよっ!」


「ニコさんすごい...」


「私も負けてられないので」


残されたニコさんが相手チームのリーダー、えーいーさんとの一騎打ちに勝利した。

世界でも名の知れたプレイヤーとの1対1に勝ったニコさんに思わず声を上げてしまう。

だが相手はこちらの場所を把握できていない状況で、ニコさんを後一発で倒せるHPまで削っていた。

流石の反射神経とエイム力だ。


現在のラウンドは10:9、ニコさんが今取ったラウンドがあまりにも大きすぎる。

先にマッチポイントとなり、相手は魔力が無い。

油断はできないが、状況を見ればかなり有利なことに変わりはないだろう。


「いけるぞ...!」


「油断はするなよ」


「甘えちゃダメだよ!」


「最後まで分かりませんからね」


「お、落ち着いて行こう...!」


取れば勝てるラウンドに思わず手が震える。

深呼吸して索敵矢を構え、最終ラウンドのカウントダウンに集中した。

0になった瞬間、索敵矢を放つ。

相手は強い武器が買えていないので、このチャンスを見逃すわけにはいかない。


「A側に2人映った!」


「Bから攻めよう」


つばロバの2人を先頭にBサイトを攻める。

ドラゴンのスモークを炊いてエントリー、ニコさんがスモークを炊いてBサイトに入りにくい状況に持ち込む。

設置した椿さんは即座に戻ってきて、隠れるポジションで待機する。

解除音が聞こえたら全員で顔を出して解除を阻止するのだ。


「裏反応した!」


小豆さんがそう言うと同時に裏から3人が詰めていることがマップで分かった。

僕は急いで小豆さんの援護に向かう。

武器差と小豆さんに敵が集中していることもあり、僕は2人を倒すことができた。

もう1人は小豆さんが倒している。


解除に来た2人の残された敵も、なす術なくつばロバの2人に撃ち抜かれ1マップ目は11:9で僕達の勝利で幕を閉じた。


「よっしゃぁ!!」


「マジでナイス!」


「やった〜!!」


「ナイスゲームでした」


「勝てた...!」


「ナイスすぎるよー!」


大会初めての勝利に心の底から震える。

この感覚、もっともっとこのチームで共有したいと思えた。

次のマップも勝って、まだこのチームで試合がしたい...


画面には相手が選んだマップが映し出される。

マップは魔界、テレポートできるゲートがあるマップでABどっちを攻めていても急なローテーションができる。

防衛側ではそのテレポートに上手く対応しなければならないのだ。


「よっしゃ勝つぞ!」


「勝つしかないよな!」


「うん、勝とう!」


「ここで勝って次に進みましょう」


「勝つしかないもんね!」


僕達のキャラ構成は同じで相手もまたエルフを採用していた。

エルフの索敵矢は狭い通路以外どこでも使えるほど強力なスキルだ。

僕達はアタッカーサイドから始まる。


「ファーストラウンド大事よ!」


「索敵矢はどこに撃った方がいい?」


「Bサイトに撃てる?」


「もちろん、じゃあここに撃つね」


僕はマップにピンを刺す。

サイトの端上部に撃つ索敵矢、入り口を見ている敵からすれば振り返って上を見てエイムを合わせないといけないので、初見ではだいぶ強い索敵矢だ。


「B3!?」


「AAA!」


「了解!」


Bに3人がいることが分かり、Aにローテーションすることにする。

索敵矢はクールタイム中なのでエントリーする時に使えない。

だが、スキルを使ったエントリーはつばロバの2人ができる。


「相手のスモーク来た、もう強引に入るぞ!」


相手のスモークを無視してつばロバの2人がサイトへ入り込む。

ドラゴンの短いスモークが相手の射線を切り、注目を集めたところをローバーさんの錬金術師がカバーで出る。

相手がエイムをローバーさんに合わせた瞬間、スモークが無くなり椿さんが姿を現す。


「2人やった!」


「お前マジでさいっきょうやんけ!」


「3人目!」


調子が上がってきたローバーさんが姿を見せる敵全てを薙ぎ払っていく。

一緒に入って行った僕が落とされるが即座にローバーさんのカバーが入る。


「ごめん、ナイス!」


「ヒーローチャンスヒーローチャンス!」


相手5人を1人で倒すと出るヒーローというエフェクト、4人まで倒すとユーザーの中では『ヒーローチャンス』と呼ばれ、最後の1人を譲るのが暗黙の了解みたいになっているらしい。

なのだが...


「あ、ごめん」


「俺のヒーローチャンスがぁ!?」


「あっはっはw

小豆さんナイス〜w」


「本当ごめん!スモーク適当に抜いてたらいた...」


「ま、まあラウンドを取得できたのでいいでしょう...」


「俺のヒーローチャンス...」


ローバーさんがしょんぼりした声を出す。

見えてはいないがきっとコメント欄でもヒーローチャンスを期待したファン達が悲しんでいるコメントが流れているだろう。


「え、えっと...ローバーさんはいつでもヒーローだよ?」


「おっほ、おい聞いたかみんな...」


「狐狐ちゃん俺は!?」


「も、もちろん椿さんも!」


「私は〜?」


「小豆さんも!」


「ふふ、結局皆さんでヒーローですね」


「に、ニコさんもヒーローだからね!」


「私はただの受付嬢ですよ。

ですが、そう言われると嬉しいですね」


みんなの声が明るくなったように聞こえた。

やっぱりみんなの楽しそうな声が大好きなんだなと改めて実感する。


「狐狐ちゃんも俺たちのヒーローだからな!」


「ぼ、僕も...?」


「当たり前じゃん!」


「チーム名だってゲームの立ち回りだって、全部狐狐ちゃんが始まりなんだから!」


「あ、ありがとう...」


「なーんでそんなに照れる!」


「なんか...嬉しくて恥ずかしい...」


「おいこっちまで恥ずかしくなるってぇ!」


耳が熱くなっていることを感じながらも、嬉しさを噛み締めながら次のラウンドに備える。

読んでいただきありがとうございます!

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[一言] 圧倒的にヒロイン側なんだよなあ狐姫
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