115話 MG杯初戦③
気が付けばラウンド数4:10、後1ラウンド取られてしまうと僕達の負けが決まってしまう。
防衛サイドでは相手の緩急が付いたエントリーに翻弄され、対応が一歩遅れてしまい好き勝手されてしまった。
攻守交代した後も相手チームの固い守りを破ることができなかった。
「悔い残らないように暴れてやろうか!」
「武器も良いものが買えないですね」
前回のラウンドは持っている魔力を全て使って強力な武器を買った、何がなんでも取りたいラウンドだった。
だが3:1の人数有利の場面、最後に残ったスターさんが僕と椿さんと小豆さんを倒す3キルでチームを救った。
相手チームのファンはきっと大盛り上がりだろう。
「数で押し切るしかないぞ」
「だね、もう最速でスモーク炊くからサイト内で耐える立ち回りにしよう」
「エリアはサイトしか取れないから全方位警戒しないといけないけど、やるしかないからな!」
「最後に一泡吹かせましょう」
「索敵矢も打ち込んでやる...!」
取られたら負けると言うプレッシャーもあまり感じなかった。
撃ち負けているはずなのに、ただただ楽しいと言う感情が湧いて来る。
僕はつい新しいことをこの場で試したくなった。
「Aサイト全域見える索敵矢パート4撃つね!」
「パート4!?まだあったの!?」
「これは最終兵器みたいなものなんだ。
壊しやすいからこういった完全にラッシュする時じゃないと刺さらないから」
「いいね〜、今の状況バッチリ合ってるやん!」
「よし!行っちゃお〜!」
カウントダウンが0になりラウンドが始まった。
Aサイトに全員の足音が響く。
中央もBサイトも全ての情報を捨て、Aサイトだけを目指して突き進む。
相手がスモークを入り口に炊いて時間稼ぎをするが関係ない。
僕の索敵矢はサイトのやや上部にある建物の出っ張りに刺さり、サイト全域を見渡す。
「1人やり!」「やった!」
つばロバの2人が索敵矢を警戒していた敵とそのカバーをしていた敵を見つけ撃ち倒した。
そのまま爆弾設置に入る。
無事に爆弾を設置し後はこの爆弾を守るだけだ。
僕はダメージ矢を爆弾から真上にフルパワーで飛ばす。
もちろん2本ともだ。
「必殺技もあるし全力でこのラウンド取ろう!」
「了解」
「了解です」
「分かった」
「了解〜!」
若干諦めムードだったチームの雰囲気が変わった。
取れるラウンドになるかもしれない。
もちろんそう簡単には行かないのだが、状況が僕達有利に傾きつつあった。
つばロバの2人が相手の武器を拾い、人数差も5:3だ。
3人の武器が弱いといっても人数差は埋まらない。
「サイト入ってきた!」
隠れていたローバーさんの報告を受けサイト内のカバーをしようと入り口から顔を覗かせるが、既にスモークが炊かれてカバーができない。
僕は使い魔を出し、サイト内を索敵する。
「左の入り口に2、ローバーさんが隠れている通路に1だと思う」
「了解!」
「スモーク炊く!これでラスト、もうない!」
「ダメージフィールド左の入り口に展開します」
「甘えたらダメよ、相手はまだスターいるんだから」
「スターが左入り口にいた...」
ローバーさんがスモークの隙間から様子を見た瞬間、頭を撃ち抜かれてしまう。
「甘えんなって言ったやんけ!」
「ごめん!80カット!」
「いやダメージ結構与えてるな...w」
「おうよ、ただでは倒れないからな」
「相手ヒールないよ!」
HPが半分だと言うのにスターさんがサイト内に入ってきた。
それと同時にローバーさんが見ている通路からも敵が入って来る。
だがその時、僕が爆弾の真上に放っていたと思っていたダメージ矢が少しずれたのか、スターさんが隠れているスモークに落下した。
「あ」
「おぉ...」
「ら、ラッキー...?」
これで陣形が崩れたのか残り2人も倒すことができ、僕達は4本の武器とラウンドを取得することができた。
「このまま後5ラウンド取るか!」
「取れる分取っちゃおう!」
だがそれは束の間の夢だった。
相手はエコのラウンド、勝てるはずだったが相手のエイム力に捩じ伏せられた気分だ。
目があった瞬間頭を抜かれる。
結局5:11で僕達チームここからの敗北が決定した。
続く2マップ目、奮闘はしたものの7:11で負けてしまった。
僕達のチームは下のトーナメントの1番下に行くことになる。
全ての試合が終わり、トーナメントが更新された。
上のトーナメントには僕達に勝った『流れ星』を含む4チームが出揃った。
今日の試合はここで終わり、明日は上1試合、下2試合行う。
下のトーナメントでは負けたチームはもう試合ができない。
下トーナメントは負けた4チームでトーナメントが行われ、内2チームがこの大会を終えることになるのだ。
勝った2チームは上トーナメント2回戦で負けたチームのどちらかと闘う。
どちらにせよ後がない状況なのだ。
今日の試合を終え、チームここからのみんなで集まっていた。
「いや〜お疲れ様、マジでごめんだわ...」
「俺も本当にエイムダメだった...」
「マイナスのことを言っても仕方ないです、次に活かしましょう」
「ソウダヨー?次がまだあるだから、勝てる勝てる!」
「うん、下からまた這い上がってチーム流れ星に勝っちゃおう!」
「このみんなで勝ちたいね」
「あーもー狐狐ちゃんに言われたら勝つしかないじゃ〜ん」
「うわその言い方きしょっ」
「きしょは失礼じゃない!?」
「椿君声がニチャニチャしてたよ?」
「んなわけあるかい!俺はイケボで有名やぞ?」
「自分で言いますか...」
「待って、ニコさんのマジな声は傷付くのでやめて下さい」
「効いてて草」
「ま、まぁ...士気上がるんだったら...」
「ダメですよ、狐狐さん。
男性はみんなもれなく獣なんですから」
「狐狐ちゃん、マジで男はこんなやつ多いから気を付けてや」
「私もそう思います〜
男の子ってみんな獣なんだから〜」
「お前は男だろぉ!?」
「え〜?なんのこと〜?」
試合で敗北し、後がない状況のチームとは思えない雰囲気に思わず笑みがこぼれる。
みんな純粋にこの時間を楽しんでいるんだ。
僕はより一層このチームで勝ちたいと思うようになった。
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