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前世がコミュ障男な僕がVtuberになれますか?  作者: カムカム
10章 コミュ障、戦場に行く!?
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109話 MG杯練習試合一日目②

「び、B設置!」


「了解!下がってリテイクでいいよ!」


試合は折り返し前のラウンド。

現在は6:3で少し勝ち越しているがこのゲームでは一気にひっくり返されることがある。

まだまだ油断はできない状況だ。


僕はなんとか動きを理解し始め、報告の仕方や顔の出すタイミングなどを掴み始めた。

と言ってもまだ初心者に変わりはないが...

これもつばロバの二人の動画を見ていた成果だろう。


「必殺技使って突っ込む!小豆さんスモーク頼んだ!」


「任されたよ!」


「索敵矢撃てます」


「了解!狐狐ちゃんの索敵矢を合図でいこうか!」


椿さんの声を聞いて、僕はスモークで塞がれたBサイトの入り口からアドリブの索敵矢を放つ。

僕の予想は的中し、索敵矢は綺麗にサイト内へと飛ぶ。

相手もそれを予想していたのか、すぐに壊される。


だが、それに合わせて突っ込んでいった椿さんが僕の索敵矢にエイムを向けていた敵を二人持っていく。

そのカバーに出てきた相手を一緒に突っ込んでいったローバーさんが倒し、ニコさんが倒されるもそのカバーで小豆さんが敵を倒す。


一気に流れるキルログ、その色は僕達のチームの色に染まっていた。

サイトの奥で身を潜めていた敵も人数有利を押しつけて倒し、7:3で攻守交代となった。


「いいやんいいやん!」


「ミンナ、練習前でコレは強いね!?」


「椿さんとローバーさんが撃ち負けてないですね」


「ニコちゃんだってエリアコントロールめっちゃ上手いよ!」


「いえいえ、小豆さんのサポートがあってこそです」


みんなはスキルや武器を買いながら、お互いのことを褒め合っていた。

実際、顔合わせでしか一緒にプレイしているとは思えない連携だった。

椿さんのオーダー、各自のプレイスキルが噛み合っている証拠だろう。


「もちろん狐狐ちゃんの索敵もデッカいんやから!」


「あ、ありがとうございます...!」


「そうそう!エントリーカウンターの索敵矢知ってるなんて天才だよ!」


エントリーカウンター、相手がサイトに入って来るタイミングで索敵矢をサイトに撃つ技の一つだ。

相手はサイト内のクリアリングに加え、索敵矢を破壊しなければならないがスモークや射線の通るサイト内でその立ち回りはあまりにも難しい。

もちろんこの技術も動画譲りだ。


「んじゃこのまま攻めでも勝ち越しますか!」


「っしゃいくぞ!」


「お〜!」


「はい、頑張りましょう」


「が、頑張りましょう...!」


「ミンナ頑張れー」


最初のラウンド、中央を取った後Aサイトに行く作戦を立ててニコさん以外の四人で中央通路を詰める。


「中央敵、やった!」


「ナイス」


警戒して中央を除いてきた相手一人を四人で撃ち、一人目を落とした。


「もう一人!俺突っ込んじゃうわ」


「おっけ、カバーいく」


その瞬間、近くで足音が聞こえその足音を椿さんが追う。

足音が遠ざかっていることから、相手がリテイクをしようとしていることが分かった。


防衛側でも言われていた『リテイク』とは、一度エリアを取らせた後、スキルなどを利用しながらエリアを取り返すことを言う。


そのリテイクをしようと引いて行った敵に一気に詰めた椿さんがもう一キル重ねる。

だが、相手もカバー意識が高く椿さんが落とされてしまう。


「ごめんテイマーはやったけどアンデッドいた...

ダメージ与えれてない」


「Bサイト空いてますね」


と思ったら裏からゆっくり攻めていたニコさんがBサイトからAサイトへ移動しようとした敵の後ろを付き、三人目の敵を倒した。


「えぇ!?ニコさんナイス!?」


「これBじゃね?」


「B行こうB行こう!」


四対二の状況、しかもAサイトに攻めているように見せた結果Bサイトがガラ空きとなっている。

マップではニコさんがBサイトになんの障害もなく入れている。


僕達は中央からBサイトへ向かう。

人数有利を活かし、入り口全てを監視しておく。

更にはスモークや僕の索敵矢もまだ使用していない状況、圧倒的有利だ。


「設置したよ!」


「了解!これ全員で見ておこう」


「スモークきた!これ絶対中通ってくる」


「撃とう撃とう撃とう!」


相手がどうにかスモークで射線を切りながらサイトに入ってくるも、やはり数には敵わない。

僕達はスモークの中にいると確信してスモーク抜きをする。

敵が見えないが、スモークの中に対して弾を撃つことだ。


「アンデッドは倒した!」


「天使はまだ見ていないですね」


その時、Bサイト通路から防衛側の入り口を見ていた僕の背後から足音が聞こえた。

相手はマップをぐるっと回って裏から来るようだ。


「う、裏です...!」


そう報告すると同時にヘッドショットで負けてしまう。

咄嗟に胴体にダメージを与えたが、天使は自分にヒールを使用し回復した。


「ヒール使いました」


「了解!」


爆発までの時間も迫り、焦る相手が入り口から姿を見せた。

来る場所がわかっていればそこを全員で見ればいい、三対一に勝つことはできず僕達は最初のラウンドを取った。


「ナイス!」


「ナイスー!」


「今の立ち回りは上手く決まりましたね」


「だね〜!私スモーク使ってないよ」


「さ、索敵矢どこかに撃った方がよかったですかね...」


「そうだなー...ああいった場面は味方が見れていない場所に撃つだけでもだいぶ変わるかもね。

次似た場面来たら好きに撃ってみようか!」


「分かりました...!」


その後、少し追い上げられるも逃げ切り11:8で勝利を掴むことができた。

だが、多くの課題も見つかりその修正を考えることになる。

別のチームの試合が延長戦に入り、少しばかり休憩時間が設けられた。


約十分後、一試合目が全て終了した。

一日目第二試合がまもなく始まる。


「一旦整理しよか!」


「そうだな」


「まず俺!突っ込みすぎた!すまん!」


「それはそう」


「少しカバーしにくい立ち回りでしたね」


「め、めっちゃ言われとる...」


「俺はー...エントリーが下手過ぎたかな」


「亡霊の強みの分身がモロバレしてたからな...」


「もう少し相手が焦っている場面で分身と一緒にエントリーしてみるのも面白いかもしれませんね」


「なるほどな...」


「私は裏の警戒が甘い部分があったと思います。

もう少しトーテムや呪い人形の範囲を見極めたいですね」


「言うことなしやな、そのまま頑張ってくれ!」


「私はスモークのタイミングが遅かったかなぁ...

エントリーされた後とかにモク焚いちゃった気がする...」


「気持ち早め、もしくはこのタイミングでエントリーさせたくないって時にモクを焚くといいかもしれんな」


「ぼ、僕は立ち回りとかエイムとか...

あと索敵矢のタイミングが下手すぎでした...」


「まあ、初心者ってのもあるかもだけどそこまで深く考えなくても大丈夫よ!

狐狐ちゃんは動画での知識があるけど、経験がついて来れてないだけでその面は俺達がカバーできる。

思いっきり知識を押しつけてやれ!」


「は、はい!」


「二試合目も勝つぞ〜!」


椿さんの声に全員で応える。

僕は頼りにされていることが嬉しくなり、もっと役に立ちたいと思うようになった。

読んでいただきありがとうございます!

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[一言] 少しずつとはいえ慣れるの早いなあ流石やね
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