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前世がコミュ障男な僕がVtuberになれますか?  作者: カムカム
10章 コミュ障、戦場に行く!?
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106話 顔合わせ練習

遂に始まった試合、事前に調べておいた武器の性能を確認する。

ファンボの武器は魔力の込められた魔石で魔法弾を撃って戦う。


下級魔石が少ない魔力で使用できる弱い武器。

そこから中級、上級、超級魔石と続き、消費魔力が多いほどより強い魔石を使用することができる。


最初のラウンドは少ない魔力しか配られないので、スキルか強めの下級魔石を買うことになる。

僕の使うエルフは索敵の矢が無料で使える固有スキルなので、HP増加ポーションミニと少し強い下級魔石を買う。


「最初はどう攻めましょうか」


ニコさんがそう言った。

僕達は爆弾を仕掛ける側のアタッカーサイド。

ABCの三ヶ所ある設置位置にどうやって攻めるかが勝敗を分けるのだ。


「とりあえず攻めやすいAサイトかな」


「頼むよ〜IGL〜」


「小豆さんからの圧がすっごいの...」


IGLとは『in game leader』の略である。

ゲームをする際の作戦や立ち回りを決める、簡単に言えば司令塔のような役割を担う人の事を言う。

椿さんが若干自信無さそうにしながらもIGLを引き受けた。


「とりあえずは各自で得意な動きやっていこうか」


「おいIGL大丈夫か?」


「まずはみんなの実力知る所から始めるのが一流のIGLよ」


「私はCサイト側に罠設置しておきますよ」


「了解!狐狐ちゃんは索敵矢どっか撃てる?」


「えっと、最初Aサイトのロングに撃とうと思います」


「ロング警戒いいね〜」


そうこう話しているうちにラウンドが始まる。

椿さんとローバーさんが僕の索敵矢を合図にAサイトに突っ込んでいった。


「っしゃ行くぞぉ!!」


「お前ヤバいってぇ!」


「スモークまだ炊けてないよ!?」


「ゴリ押し過ぎませんか...」


「二人とも凄い...」


通常相手からの射線を切るスモーク、角待ちや罠が設置されていないかを確認してからサイトにエントリーする。

だが、二人は持っているスキルを使って強引にサイトに入っていく。


裏を警戒していたニコさん以外の四人でAサイトをこじ開けた。

ラッシュと呼ばれる戦法だ、相手がBやCに人を置いている分人数有利の状況が作れる。

それを活かして数で押す。

椿さんはAサイトの奥で待ち構えていた敵に自分から向かっていき、持ち前のエイムで倒していた。


「はい二人目ぇ!!」


「ごめんやられた!」


「カバーします!」


「索敵矢はまだ三十秒使えないです...」


「爆弾設置したよ!」


「狐狐ちゃんと小豆さんは下がってて、俺がサイトで食い止める」


「裏は私の方で監視しておきますので」


Cサイト側に設置した罠が作動し、敵が裏から来ていることが分かった。

ニコさんがその敵を確認しに裏で待機する。

僕は爆弾を解除しに来た敵の居場所を見つけるために索敵矢の回復を待つ。

固有のスキルは時間で回復するキャラクターが何体かいる。

僕の使っているエルフもその一人だ。


「うっわごめんやられた...

Aサイト二人で裏一人だ」


「裏倒しました」


「ナイスすぎる!」


「後は任せてよ、ねっ!狐狐ちゃん!」


「は、はい...!」


残った敵は爆弾を解除しに来た二人だけ、対してこっちは索敵矢が回復した僕と解除妨害のスキルを持つ小豆さんとニコさん。

最初のラウンドは取れたも同然だろう。


「索敵矢撃ちます!」


僕は座学で学んだ場所に索敵矢を撃った。

Aサイト全域が索敵できる場所に刺さった矢は解除しようとした二人の敵を映し出す。


「狐狐ちゃんナイス!」


「その索敵矢撃てるのか!」


「おい狐狐ちゃん天才やって...」


その瞬間、裏がいないと分かったニコさんが敵との距離を詰めており索敵矢に気を取られた敵がニコさんに倒された。


「場所が分かれば簡単に倒せますね」


「ニコさんが強すぎる〜!」


「ニコさん三キルまじかよw」


「椿、俺らいらないかもしれないぞ」


「マジでそれ...w」


「いえいえ、お二人のエントリーで相手のリズムが崩れたように感じました。

ナイスエントリーです」


「そうそう!ナイスチームだよ!」


「う、うん、ナイスチーム!」


その後もつばロバのエントリー力と破壊力、小豆さんの完璧なスモーク、ニコさんのエリアコントロール、僕の索敵矢も上手く決まってかなりの大差で攻守交代となった。


ファンボは11ラウンドを先に取った方が勝ちとなり、10ラウンドで攻守交代になる。

僕達は9ラウンドを取って防衛側になった。

後2ラウンドで僕達の勝ちだ。


「こっれ俺ら強いぞw」


「俺らというより俺と椿以外が強いな」


「それは言うな」


スコア表を見るとキル数がニコさんがトップ、小豆さんがニコさんと数キル差で二番目。

あまり前に出ないキャラでこのキル数はとてつもなく凄い。

僕は後ろからサポートだけしているのでキル数は伸びないが、アシストのスコアが一番だった。


「狐狐ちゃんもサポート上手いしなぁ...」


「あ、ありがとうございます」


「ちなみに狐狐ちゃんは他のマップでもエルフを使う感じ?」


「えっと、とりあえず定点は覚えてきました」


「え、全マップ?」


「あ、はい...」


「天才や...天才がおる...」


「流石狐狐さんですね」


「ニコさんもやっぱりめちゃくちゃ強いね...」


「これが私の武器なので、任せてください」


「私だって負けないぞ...!」


防衛側最初のラウンドが始まった。

僕の買ったスキルと武器は相変わらず一緒だ。

マップを見るとつばロバの二人が前線に出ていることに気付いた。


「ローバー!俺らも負けてられないぞぉ!」


「行くぞぉ!」


二人でCサイトから逆ラッシュを仕掛ける。

だが二人でだ、人数差で押し負けてしまう...

と思っていたのだが。


画面端に並ぶ椿さんのキルログ、相手は裏を警戒していなかったのか全員が椿さんの手によって倒された。

その瞬間ゲーム音声が鳴り響く。


英雄(ヒーロー)


相手チームを一人で倒す、つまり1ラウンドで五キルすると専用の音声が聴けるのだ。


「っしゃぁああ!!!」


「おんまえ!俺のキルぅう!!」


「椿君ナイス〜!」


「椿さんナイスです」


「ヒーローだ、凄い...」


そのままの勢いで僕達は11-1で試合に勝利した。

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