99話 十万人記念！②
【十万人記念配信】皆さん本当にありがとうございます！【九尾狐狐】配信待機中
@九尾狐狐 Monster Live三期生
チャンネル登録者数十万人達成！
本当にありがとうございます！
これからも頑張っていこうと思います！
記念配信は今日の夜からです！
♯狐狐ライブ
配信待機場を作り配信時間まで軽く声を出しておく。
いつも緊張しているが、今日はそれ以上の緊張感に包まれる。
変なプレッシャーに押し潰されそうな気分...
既に待機場ではココ友のみんなやまだ僕を知らないけど、気になったから見に来てくれた人がコメント欄で盛り上がっていた。
【楽しみ過ぎてタヒぬ】
【狐狐ちゃんの凸待ちだし十万人記念だし期待しない訳がない】
【狐狐ちゃん十万人おめでと〜！！】
【Vtuber知らないのに初めて見るのがこの記念配信w】
【↑狐狐ちゃんはいいぞ】
【Monster Liveって言うグループの三期生の子】
配信を始めていないのにコメントの流れはとてつもなく速かった。
刻一刻と時間が迫る。
焦ってしまう僕は、Monster Liveのみんなから届いたメッセージを見て元気をもらう。
『狐狐さん頑張って下さい』
『狐狐ならきっと最高の配信にできるさ』
『狐狐ちゃんがんばれ〜！』
『ファイト、狐狐ちゃん』
『狐狐ちゃんがんばれのだ！』
『誤字しちゃった、がんばるのだ！』
『狐狐ちゃんファイトだよー』
『僕は配信を見ながら応援するからね！』
『焦っても失敗するだけよ、落ち着きなさいね』
『楽しみにしてるよ！』
『あまり緊張し過ぎないようにするのよ』
『頑張ってね』
みんなからのメッセージを見返す。
改めて深呼吸をして配信開始ボタンを押した。
待機画面がフェードアウトし、画面が真っ暗になる。
【お？】
【始まった！？】
【俺の顔が反射で映ってるw】
【真っ暗だ】
【なんか始まる...？】
始まったことに興奮するコメント、真っ暗なことに動揺するコメントが流れる。
僕は少しの間を開けて夏花さんにもらったアニメを流す。
アニメは薄暗い僕の部屋から始まる。
パソコンの光が机を照らす。
モニターにはMonster Live一期生と二期生が配信しているところが映り、そのモニターを輝いた目で見る僕がいた。
配信が終わったのか、僕は画面を消す。
すると、メールの通知が来ていることに気付きメールを開く僕。
そのメールはMonster Liveからだった。
次の瞬間、モニターが輝いて薄暗かった部屋が明るく照らされる。
僕はその明るさに目を細めた。
目が慣れたのか、ゆっくりと目を開く。
そこには八人の人影、一期生と二期生のみんなだった。
目を見開いて驚く僕。
目が潤んでいき涙が溢れそうになる、そんな僕の頭に優しく手が乗せられ三人の人影が姿を現す。
そう、三期生のみんなだ。
僕のことを優しい目で見てくれる三人に囲まれ、僕は一期生と二期生の元へ駆け出す。
その時の僕は涙を流しながら、最高の笑顔をしていた。
アニメが終わり、綺麗な背景と二代目の衣装を着た僕が配信に映る。
クオリティの高すぎるアニメの後で僕自身も声を失っていた。
【すっご...】
【え？プロのアニメ？】
【なんかもう泣いてる俺w】
【泣く】
【こ〜れ号泣です】
【エモさがカンストしてる】
【最後の狐狐ちゃんの顔で涙腺崩壊した】
ココ友のみんなも同じらしい。
僕は深呼吸をして声を出す。
「皆さんここにちは〜！
チャンネル登録者数十万人！
ありがとうございます！！」
【ここにちは〜！！】
【ここにちはー！マジでおめでとう！！】
【ここにちは、めでてぇ！】
挨拶を返してくれるコメントと祝福のコメントで溢れる。
それだけで既に泣きそうになってしまう。
「本当に皆さんありがとうございます...！
もう泣いてしまいそうです...」
【泣かないで！】
【大丈夫、俺らはもう泣いてるw】
【声ちょっと震えちゃってるやん...】
「最初に流したアニメは皆さんお馴染みの野生の公式さんから頂きました！
実は一回配信前に確認で見たんですけど、泣きましたね...」
【やばかった】
【絵柄が似てたからもしかしてと思ったけど夏花さんか...】
【夏花さん流石すぎる...】
【クオリティエグすぎw】
【夏花さん見に来てるんじゃない？】
summer flower⭐︎【狐狐ちゃん見てるぞ〜！！】
【おるやんけw】
【夏花さんいつもありがとう】
「夏花さん見てくれてますね...
アニメありがとうございました！
本当に最高です...」
summer flower⭐︎【こちらこそいつもありがとう...】
【この絡みを見たかった俺がいるw】
【狐狐ちゃんと夏花さんのコラボ待ってます...】
【いつかしそうだけどね】
「十万人記念配信、最初はイラストを描いていただいたファンアートの紹介をさせて頂きます！
絵師さんには配信に載せてもいいか許可は取っていますので安心して下さい」
僕は事前に、ファンアートを描いてくれた方達に許可を得てイラストを配信に出させてもらう。
どのイラストもそれぞれの個性ある絵柄で可愛く描いてくれている。
二頭身で描かれた僕のイラストを表示させる。
「まずはこの方です！
デフォルメな感じがとても可愛いです...
キーホルダーにしたいですね！」
イラストを切り替え、次は満面の笑みでこちらを見る僕のイラストが映る。
「次はこの方！
この嬉しそうな笑顔がめちゃくちゃ良いです...
守りたい笑顔をしてますね...」
どんどんファンアートを紹介していく。
たくさんのイラストを紹介し、その絵師さんも配信を見てくれていたようで直接感謝の言葉も伝えることができた。
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