第 壹話 隊長
公開処刑制度
それはあることをきっかけに作られた制度だった。
江戸時代に入ってから人々の身分は大きく分けられた。差別の住民、 農民、 町人・商人、武士、 貴族、 これらに分けられた。ある事件の犯人が差別の住民と上のものに言われて怒りを抑えきれなくなり、 一部の地域で暴動が起こった。それを止めた幕府の役人は徳川に通達。そして、暴動を行ったものは死刑となった。だが、暴動はおさまらず全国へと広がっていった。そこで、 幕府が取った行動が「公開処刑制度」なのである。しかし、 処刑するのは幕府の役人ではなかった。差別の住民に処刑をさせたのだった。「公開処刑制度」導入したことによって暴動はおさまったのだ。
螢空は北海道の松前にいた。
やはり、 幕府を倒すには大きい勢力が必要になる。大きい勢力を持っているのといえばやっぱり薩摩か。「薩英戦争」の一件もあるし今は反幕府派になりつつある。薩摩と手を組めば九州まで開放できるかもしれない。西郷殿に会う必要があるなぁ。まずは北海道を開放してみよう。北海道はあまり身分制度に気合を入れていないからな。武士も少しは協力してくれるかもしれない。西郷殿は頭がいい。北海道で下克上があったと知ればすぐ動くだろう。まずは木村殿に話をしてみよう。あの人は人望が篤いし今の幕府には反対していた。
内心でそうつぶやき、 ぶらりと歩いていた螢空であったが向かうところは木村のところに決まった。
木村 剛啓は、 北海道の武士を仕切る人だ。戦術に関してはすごい腕を持っている。人望も篤くいろいろな人から慕われている。この人は人の差別を嫌う人だ。前は江戸の武士を指揮していたがあることで上司に反発してここに飛ばされたらしい。性格は面白い。
*
「はぁ! いみわかんねぇよ! 何で二人来てないんだよ! 」
男は机から身を乗り出し言った。
「黙ってろ! そしてこっち向くな。お前の頭、眩しいんだよ。ハゲ! 」
それを座っていた奴が注意した。
「ハゲてねぇよ。髪がくるくるの奴に言われたくないね! 」
「・・・・・・」
二人は沈黙して二人とも無視し始めた。
一番最初に声をあげた人は鍼霞 叶。関東地区を管轄・指揮する隊長だ。顔立ちは細く、 頭はハゲている(スキンヘッドというべきだろうか)。年齢は二十代前半くらいだろう。
鍼霞の声を冷静に止めたのは久保 之翠。江戸地区を管轄・指揮する隊長だ。髪は天然パーマだ。こっちも二十代前半ぐらいだろう。
「ああ、 もう、 何でこんな会議しなきゃいけないの? 江戸まで来るの遠いんだから・・・」
文句を言っているこの女性の名は木下 薪。北海道地区を管轄・指揮する隊長だ。髪は肩まである。年齢は二十代後半くらいだろう。さっき話した、 木村 剛啓の上の立場にある人だ。
「しょうがないよ。こうやって各地区の情報を提供しないと日本はまとまらないよ」
穏やかな声で言うこの男性の名は上杉 鬼獰。東北地区を管轄・指揮する隊長だ。目は片方、 眼帯をしている。年齢はこの中で最も上だろう。三十代前半くらいだ。
「あの〜。会議はいつ始めるんですか? 」
この女性の名は彩捺 綾。中国・四国地区を管轄・指揮する隊長だ。顔の形は丸い。髪は木下より少し短い。年齢は十代後半くらいだろう。
「そーだよ。彩捺の言うとおりだ。早く始めようぜ〜」
鍼霞が偉そうに言う。
「そうです。僕、 眠たいので早く帰りたいのです。」
この男の子の名は古松 籠。九州地区を管轄・指揮する隊長だ。隊長とは思えないほどまだ幼い。しかし、 この中では一番強いのだ。年齢は十代前半くらいだ。
久保は、 はぁとため息をつき言った。
「では、 会議を始めようか・・・・・・」
久保がしきり会議が始まった。
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会議は終わったようだった。皆、 部屋から出て各地区に帰っていったらしい。
「おい、籠! 鍵閉めるぞ! 」
之翠が部屋を出ようとしていた時に言った。
「あっ! いいですよ、 之翠さん! 僕が閉めときます」
「そうか。ちゃんと閉めておけよ」
そう言うと之翠は部屋を出て行った。部屋には古松 籠ともう一人。
「では、 徳川様にはこの通りに報告すればよろしいのですね」
その男はさっきまで古松が書いていた書類を手にとって言った。
「ああ、 そのまま報告してくれ」
古松は不敵な笑みを浮かべていた。




