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第參拾陸話  消去

 「ハァ……ハァ…」


 出来る……

 螢空は息を切らしながら今の状況に満足していた。それは合成の完成にどんどん近づいているからだ。それの完成に近づいていることは籠も認めざるおえなかった。

 螢空なら完成できる……問題があるとすれば…


 「能力を遠距離で使うこと……」


 その言葉を聞くと満足感を感じていた螢空の顔が少し暗くなる。


 「せっかくのうれしい気分を壊さないでください」

 「けど、 本当のことです。一休みしましょうか…」


 籠に言われて一休みをすることとなった。俺達が休んでる間も桃が能力を発動してると思うとかわいそうに思えてくる。そんな俺の気持ちを察したのか籠が言う。


 「桃は心配いりませんよ。桃には能力を発動することは息をすることと変わりありません。今頃、 寝てると思います」


 寝てても使えるのか……すごい………けど…遠すぎる…


 「あなたはまだ修行を始めたばかりなんですから。悔しがることはありませんよ」



                   *



 「赤い眼…紋章……まさか! 」


 驚愕の表情、 いや、 何かを恐れるような顔を浮かべながら徳川は言う。


 「何なんでしょうか……私でも全然、 歯が立たなかったです」


 包帯を至る所に巻き、 布団に寝込んだままの神流が苦難の表情を浮かべて言った。神流の質問に徳川は答え始めた。


 「能力者を創る研究は本当は言うと二重人格を創ろうとして生まれたのが能力だったのじゃ」

 「二重人格……」

 「そう。人とは表と裏があるしかし、 それを本当に持つ奴は一人もいなかった。だから違う人格を創ろうとした。が、 できなかった。それが前例のなかった能力を二つ持つことで生まれてしまった。わし達が目差した違う人格は最強な人格。この世の神と言える人格を目差した。それがあやつにあるとしたら、 始末しておかなければならない。場所は分かった」


 徳川は険しい表情を浮かべながら行ってしまった。

 場所が分かったって…普通の人、 いや、 零の俺でもそんなもん感じることは出来ないよ……人の生命の流れを感じ取るだなんて、 そして、 それを感じ取っただけで人物が割れるなんて…………化物だよ…

 自分でも気付かなかったが冷や汗を俺は掻いていた。



                   *



 「特別な能力……俺もできるようになりたいな…………」

 「無理ですね」


 きっぱりと否定した籠。


 「あれは本当に特別です。あなたには多分無理でしょう」

 「やってみなきゃ分からねぇだろ!」

 「まぁ、 時期に教えてあげますよ。それよりも能力を遠距離で使えるようになってください」

 「あれは難しすぎる」


 会話はそこで途切れ、 螢空は数秒も経たずに寝た。



                   :



 「ここか……」


 徳川は誰もいない広場の前で立ち止まる。こんな所に徳川家康がいるとは誰も気付かない。結界でも張っているのだろうか。

 よく集中せんと分からんがここには結界が張られている。そして、 能力を使っているのか…

 徳川は目を閉じ、 そこにじっと立ち尽くす。不意に目を開けて、 (こう)を発動した。


 「第参ノ型…神殺。防ぎきれぬ刃。喰らうがよい」


 殺気を感じた桃がとび起きたが、 時はすでに遅かった。

 体は血だらけ。動けない。その時、 能力が解けてしまった。広場に現れる二人の姿。


 「能力が解けたか。だが、 大丈夫じゃ。わしが結界を貼っとる。この状況に誰も気付かない。いや、 視界には入っているが気付けない(・・・・・)


 桃はそのまま気絶してしまった。

 能力が解けたことに二人は気付き、 外にいる人物名を呟いた。


 「…徳川……」


 すると、 徳川がこちらに近づいてくるじゃないか。下駄のカランカランと言う音が辺りに鳴り響く。道を通る人を無視してこちらに来る。


 「螢空……お前を殺しに来た…」

 「螢空。能力を発動しておいてください」


 その瞬間。

 徳川が目の前から姿を消した。

 神速…!

 籠がそう内心で呟いた刹那。背後から光の刀で腹を刺された。


 「籠!! 」


 螢空が籠へ向かって走る。その螢空の紅の血のような目を見て徳川は呟く。


 「やはり……目覚めたのか…………お前は抹殺しなければならない…」


 その瞬間。徳川のもう一方の手に雷がはしった。

 その雷で籠の全身を麻痺させる。動けなくなった籠はその場に倒れることしか出来なかった。


 「こやつは邪魔だ。わしの狙いはお前だけじゃ。徳川螢空」


 その言葉を聞いたとたん螢空の瞳孔は開く。

 こいつは強すぎる……なら…やるしかない…

 螢空は心力を高めて、 集中し始める。


 「合成特ノ型…神速殺」


 その言葉を聞いた瞬間。徳川は俺に飛び掛った。光の刀を振るい、 俺の集中を阻もうとする。


 「出来る奴がいたとはな……そいつをされてはわしでも防ぎ切れんかもしれないからの…」


 チッと舌打ちをして、 他の能力を発動する。


 「第伍ノ型…光刃(こうは)


 光の刀を両手に持ち、 徳川に刀を振るう。しかし、 徳川は意図も簡単に刀を防ぐ。


 「どうした? あまり成長はしとらんようだが…? 」


 くそ〜

 徳川に向けて、 刀を振るおうとしたその瞬間。

 あの殺し屋が俺の刀を遮った。


 「蘇鷺か……! 」


 蘇鷺は俺のほうを向いて言う。


 「悪魔が舞い降りてしまったか……仕方がない…お前を消去する…」


 何を言っているこいつ…

 瞬間。俺の光の刀が折られた。

 その刀を捨てて俺は蘇鷺に殴りかかった。が。


 「異次元へ…」


 広場。いや、 この世界から。上杉螢空は姿を消した。

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