表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/47

第 零ノ壹話  序章

 駄目だ……

 口の中は鉄の味しかしない。


『お前は俺を蹴ろうとしたとき、一瞬、戸惑った。俺に情が移りでもしたか? 上杉螢空』


 お前に情を移してなんていない……なのになんで俺は戸惑った。

 悔しさが込み上げてくる。

 俺はいつまで経っても中途半端だ。

 額の傷から出る血は止まることを知らない。

 でも、そのおかげで冷静に考えられたのかもしれない。


 ◆


「やめて! お願い……だから! どうして……どうし……て……」


 どうしてってお前が狂わせたんだ。

 ――俺は何も悪くないんだ。

 俺は自分の母親に刃を振り下ろした。

 これしか方法はなかったのか。それは分からない。

 カランッ

 俺の手から刃物が落ちる。

 刃物は赤い液体で染められていた。

 俺の手も同様。手は赤かった。

 俺はその赤く染まった手で顔を覆い――――


「アハハハハハハハハハァァァァァァァァァァァァァ」


 眼から涙を溢しながら――。


 ◇


『お前は感情を捨てなければ俺には勝てない! 非常になれ!』


 (さっき)言われた言葉を思い出す。何故あんな奴の言葉が俺を歪めるのか分からないだけど、俺は――――非情になんてなれないと思うから。

 人である限り感情を捨てることなんてできないと思うから。

 ゆっくりとその場から立ち上がる。

 頭が痛い。視界が悪い。

 でも、やらなければ……











 ――――――――奴を殺す

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ