第6話 幼馴染は有能な保護者&教育係
愛する桜に、コロ糞を投げられながらも、ニンマリする真琴を、
慈愛の笑みで見つめるイケメンが一人。
そう、真琴にお取り寄せされた幼馴染の奏多は、古武術の有段者で、文武両道を行く正統派イケメン男子なのである。もっとも真琴が夢見るモテ、イケメンは、正統派イケメンの奏多とは、正反対に位置するアイドル系男子らしく、運よく真琴からの嫉妬や妬みに悩まされることは、一切無かった。
「なんだよ、奏多。いくら俺がナイスガイなイケメンでも、男にゃ興味ないからな、
そんなに見つめても、思いに答えてやれないぞ」
「いや、俺もそんな予定は一切無いから気遣い無用だ。
それよりそろそろ説明してくれないか?
これはどんな現象なんだ、俺は夢でも見ているのか? 」
「うんにゃ、夢じゃないな、俺は確かに死んでるし、奏多と桜は生きてるよ。
俺のお取り寄せスキルで、現世ラノベ的に言うなら召喚とか、転移じゃね?
奏多なら俺より断然、異世界モノに詳しいだろう?
そこで光り輝いているのが俺の飼い主…… 一番偉い宇宙創造神ゼノバゼロス様だ。
詳しい事はゼノバゼロス様に聞いてくれ、そして俺に説明プリーズだ。
俺は桜と遊んでるからよろしくな~ 」
「はぁ、相変わらず適当な奴だな、死んでも全然変わっていない。
何かは死んでも治らないと聞くけど本当の話だったんだ」
昔の人の教えは奥深い。真琴は多分半分も理解していないだろうなと、
やはり真琴が言う、宇宙創造神様に聞くのが先決だと、奏多は早々に事態解決に向けて動き出す。
「突然すみません、宇宙創造神ゼノバゼロス様でしょうか?
突然のことで、色々教えて頂いてもよろしいでしょうか? 」
「フォフォ、真琴の幼馴染とは思えんほど礼儀正しいの、
突然の出来事でびっくりしているじゃろうに冷静じゃな。
其方の聞きたいことは真琴の転生と其方たちの転移について、
転移してきた後の現世での扱いに、真琴の姿とスキルについてあたりかの? 」
さすが神様、聞きたかったことを簡潔にまとめてくれると感心し、
真琴から紹介されたときは不安が募った奏多だったが、
本物の神様なんだと実感していた。
「ふむ、確かに真琴相手だと、そんな気にもなるじゃろて、フォフォ」
「えっ、考えてることまるわかりですか、隠し事なんて出来ませんね」
「フォフォ、普通はそうじゃがの、真琴はよくわからんのじゃよ」
「ああ、それは、多分何も考えていないからだと思います。
本能と煩悩に無駄に正直な奴ですから」
「フォフォ、確かにの、では其方に少し説明するかの。真琴は元来特殊な生まれでな、其方の世界の理から外れた存在、地球が生まれる前から、転生を繰り返している原始の存在なのじゃ。無論本人に自覚も記憶もないが、遥か昔、宇宙を創造する時に、ワシの力を具現化して飛ばした偵察獣じゃ、それが遥か恒久とも思える時とともに、ワシが気が付かない程に転生と変化を繰り返し、単独の存在となってワシの傍に戻ってきたようじゃ」
「成る程、しかし神の力を具現化されて、生まれた存在にしては………
それに現世でのあの死に方…… 」
「フォフォ、確かに其方の言いたい事は分かるがの、
神であるワシでも理解出来ない存在なのじゃ、
過去に放った偵察獣は、役目とともにワシの力として戻っておるのじゃが、
何が理由だったのか、真琴だけが迷子になってたようじゃて、フォフォフォ」
「真琴……。それではゼノバゼロス様、
神の元に戻ったということは、真琴はこのまま消滅するのですか? 」
「それがじゃ、既にワシの力から独立した存在なのだ。
ワシのゴミ箱から発生した今の真琴の姿が創生された瞬間、
現世に転生していた真琴の魂が呼ばれて、
現世の真琴が死んでしまったらしいのじゃ」
「ああ、なんとなく分かりました。
現世での真琴の死は、医者も不思議がる状態でしたし、
俺もびっくりし過ぎて、現実味がありませんでしたから」
「そうじゃろうのー、真琴については全てが予定外じゃて、
それと其方らは真琴が持っているユニークスキル、
『お取り寄せ』で現世から召喚された。
確かめてみたが、其方の世界の時間軸から、今現在は外れておるの。
真琴のスキルで、元の時間と場所に戻れるぞ」
「成る程、日本に戻っても浦島太郎にはならないで済む訳ですね。
記憶はどうなるのでしょうか? 」
「浦島太郎が何かはわからんが、現世に戻ればここにいた記憶はないの」
「記憶を無くさないようには出来ませんか? 」
「それは可能じゃが、其方が現世へ戻った時に大変じゃないかの」
「いえ、真琴が転生していた事を忘れる方が大変ですから」
「フォフォフォ、わかった。それでは其方の記憶を、
其方の世界の理から外しておくからの」
「ありがとうございます、ゼノバゼロス様。
それから、真琴はスキルを、使いこなしているのでしょうか? 」
「フォフォ、ダメじゃな、何やらはんばーがーと、
偶然其方らを取り寄せしたことくらいかの。
おお、そうじゃ、変身スキルを練習しとったの、変身の出来に憤慨しておったわい。
真琴のスキルはこれじゃ、其方なら上手に説明出来るじゃろうて、フォフォ」
【ステータス】
名前:円谷 真琴と(転生)
種族:宇宙神獣バニボー(新種レア)
称号:宇宙創造神ゼノバゼロスのペット
加護:宇宙創造神ゼノバゼロス 宇宙創世獣
体力: ∞
魔力: ∞
スキル: 森羅万象 時空間無限移動 ミニミニブラックホール
宇宙神獣固有スキル: ワンタッチ学習
(どんな事でも一度で覚えることが出来る)
派生スキル:変身魔法
特殊スキル:お取り寄せ
(有機、無機物拘らずあらゆる宇宙世界のどんなモノでも取り寄せ可能で返却も可)
ゼノバゼロス様から、教えられた真琴のスキル能力は、反則的に最強と言えるチートな能力だった。
「ホントに凄い能力だな、全ての能力値がカンストしてるじゃないか。スキルに至っては神様に匹敵する能力じゃないのか? 神獣固有スキルの名前はふざけている気がするがワンタッチ学習って一度教わればあらゆる魔法が行使出来るんじゃないか? 」
奏多は、真琴がこの力を、使いこなせる未来が全然思い浮かばないようだった。
「俺が呼び出されたのがこの『お取り寄せ』スキルだな。この能力が一番チート過ぎる。
召喚された俺が、真琴の能力で、現世に記憶保持で帰還出来るなんて、夢のような能力だよ。
もっとも記憶保持は、ゼノバゼロス様頼りだが、これだけの能力を真琴に教えるのは至難の業だな、どうするのが一番か。」
……… やっぱりいくら考えてもこれしかないな、いくら神様でもあのペットは放置出来ないだろう。
きっとそのうち、手に余るからと捨てられてしまったら…… そんな独り言が出て来るほど、奏多は必死で考えていた。
「ゼノバゼロス様、考えたのですが俺もこちらに留まり、
真琴の傍で長い目で能力の使い方を教えたいと思いますが、
どうでしょうか? 」
「おお、それは良い考えじゃ、実はワシも真琴を一人にするのは、
どうじゃろうかと思案しとったところじゃ。
あ奴は色んな意味で特殊な気がするでの、フォフォフォ」
「ハハハ、確かに」
「しかし、よいのか?現世は其方が召喚された時点で時が止まるが、異界の時間は進む。
現世に戻るとき外見は呼ばれた時の姿に戻るが、精神面や記憶は進むぞ?
長くなるほど弊害が出てくるからの」
「分かっています、ですが真琴がここで暮らすなら、
俺達兄弟同然で育ったのに、真琴一人、
置いてはいけないです」
この奏多の決断で、二人とも、考えもしていなかった、
異世界での新たな一歩を踏み出すことになる。
ただし、奏多はまだ知らない。
真琴の保護者代理&教育係という称号を
ゼノバゼロス神より、既に与えられていることに……
誤字脱字等あればご指摘頂けるとありがたいです。




