第5話 取り寄せスキルで再会だ
短めだったので本日2本投稿します。
ちょっとおバカ気味な真琴の為に、ゼノバゼロス神が、能力のミニ説明講座を開催。短いつきあいながらも、すっかりペットと、優しい飼い主の構造が出来上がりつつあった。
「そうじゃの、森羅万象は神々が持つ基本すぺっくじゃな、星の維持再生には欠かせない能力じゃ、ブラックホールは、そちの前世で使う言語と同じじゃの、重力磁場だが。神が使う場合は、不要になった星を、消滅させる手段に使うの、時空間無限移動は、お主が行きたい場所へ何時でも行ける能力、固有スキルのワンタッチ学習は …… 先程実践したから、今更説明は不要かの」
「う~ん…… 変身は俺の一番の課題、これをクリアしないと未来はないっ! あっ、でも擬態も試すんだった。どこでも行ける能力は、素直に嬉しいかも、普通の高校生は、旅行なんてなかなか行けないからね。!森羅万象…難しそうだから使う予定無しの方向で、ミニミニブラックホールは、吸い込むモノを選ばない掃除機って事で、最後のお取り寄せ?なんだろう?」
「フォフォ、変身は長い目での。取り寄せはユニークスキルじゃが、かなり珍しい、というより、ワシも初めて見る能力じゃな、そちの、過去の転生と深く関わっておる能力のようじゃ、何か取り寄せればはっきりするじゃろて」
成る程、ではでは、何を取り寄せしようかな?やっぱりまずは、食べ物系だよね。死んでから?何にも食べてないから。まずは、マ〇ドのセットが食べたいな。取り寄せしようと、欲しいものを思い浮かべるだけで、小さな手のひらから虹色の光が溢れ出す。
「えいっ! 」 ポンッ!
出てきたのは、現世でお馴染みマ〇ドのバーガーセット、
熱々出来立てポテトに、シュワシュワドリンク。
お取り寄せスキルの、満足な結果に思わずニンマリしてしまう真琴であった。
そう言えば自分がペットになった事で忘れてたけど、俺の桜はご飯貰ったかな?
……グスッ、奏多に頼む暇なくこっちに来ちゃったしな。
「奏多、俺の桜にヒマワリのタネ食わせてくれよ~」
ペットのハムスター桜と、幼馴染を脳裏に思い浮かべ、無意識に取り寄せスキルを発動していた真琴。気がついた時は既に、虹色の光が手のひらから溢れ出し、その後に見えたのは、少し前まで傍らにいた学生服姿の幼馴染と、愛すべき桜だった。
「おおおおおっ!!!な、な、なんだ? どこだ? 桜っ! 無事かっ? 『キュー』ほっ、良かった、お前に何かあったら、真琴に顔向け出来ないからな」
そんな光景を茫然と見ていた真琴は、我に返ると、会いたかった桜へ駆け寄るが、現世でも見たことが無い珍妙な生き物が、幼馴染の忘れ形見めがけて突っ込んでくるのを見た奏多は、反射的に鋭い蹴りを、『ダルマウサギ』もどきに向けて炸裂させた。
奏多もまた、武道を嗜む本物の猛者だった。
「うんぎゃぁーーー」ドテっ ゴト、
ゴロゴロ ばったん。
かなりのダメージを受けた真琴だか、気力を振り絞って、元凶に食って掛かる。
「奏多っ!! てめぇー何しやがる!
それが愛する幼馴染に対する態度かっ!
まぁ、桜を守ろうとしたことで、許してやらんでもないがな!
ぷん、ぷん、ぷん! 」
「えっ、何で桜の名前知って…… 俺の事まで知ってる? ……… って、
真琴? 真琴なのか? ウソだろ? 」
「何言ってやがる、俺様以外に誰だと言うんだ!
っああ~~~こんな姿じゃ分かんないか? 」
「ホントに真琴なのか? 」
「ああ、オレオレ、詐欺じゃないよ~ 俺だよ~ 」
「そのくだらないセリフに言い回しは、真琴で間違いないな、はぁ…… 」
「なんだよ、その呆れ具合は! 俺だって、好きでこんな姿になったんじゃないぜ」
「ああ、頭が混乱してるが。俺と桜も一緒に死んでしまったのか?」
「なぁーに言ってやがる、奏多はともかく桜を殺すんじゃない、
もっとも奏多も桜も死んでないよ。
俺が二人を、無意識で呼び寄せたみたいだな」
「よくわからんがっ…… 真琴に、また会えて良かった」
カラフルウサギもどき姿の真琴を、包み込むようにそっと抱きしめる奏多と、
カラフルウサギもどきの『バニボー』姿で、桜を捕まえようとして、
ハムスターの習性の一つ、"糞なげ"されまくる真琴であった。
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