第2話 何故かペットで転生だよ~
広大な宇宙には、神の存在だけ世界があるという。
膨大で途方もないその世界を創造し、役目を終え不要になった星々を再生させているのが、『宇宙創造神ゼノバゼロス』である。
もちろん、いくら神と言えど膨大な宇宙の星々を一人で管理出来る筈もなく、広大な宇宙に配下の神をそれぞれ配置している。
それぞれの神に相応しい力を授け、まるでどこぞの世界にある年功序列型企業の様な、神による、ピラミッド型組織で成り立っていたりするが、そこは神である、年功序列=力=能力が上なので、どこかの世界とは元が違う。きっと大本は、神々が始めた管理システムなのだろう。
各方面から日々ゼノバゼロス神へ報告があるが、大概は担当の神へ丸投げだ。
ゼノバゼロス神が生み出す神々は、優秀でなんの心配もなく星を守ってくれるので、
もっぱらゼノバゼロス神は、宇宙全体を常に俯瞰していた。
もっとも上位に位置する三十八柱の神々は、ゼノバゼロス神が自ら生み出した存在だが、その下には、その神たちが生み出した若い神々がいる。末端になれば、ゼノバゼロス神と言えど把握は困難だった。
そろそろ、そんな末端の神の様子も危機的状況に至る前に、見ておかねばならないだろうと考慮しているさなかに、それは突然起きた。
偉大な宇宙創造神ゼノバゼロスは幾分困惑していた。
突如湧き出た小さき生き物に。
「ふむ? コレは確か辺境の星で生まれるウサギという生き物か? それにしては些か珍妙な風情じゃの。別の星にいるバーバルバニーか?あれは凶暴だったの。うむ、そもそもこれは生物としての色合いではないの。無意識に何かを創生しておったかの? フォッフォフォ。」
床まで届く真っ白な長い髭を撫でながら、ゼノバゼロスはその生物を観察して気がつく。
1メートル程のその生物が、自分と同じ系統の神気を纏い、底知れぬ力を有していることに。
さらに観察して気が付くのは、ゼノバゼロスが神生物と言った生き物は、どうやららゼノバゼロスのゴミ箱から発生した生き物のようだった。
もっとも、何処ぞの星でイニシャルGと呼ばれる類とは一線を画し、ゴミ箱と言ってもその中身と言えば、宇宙世界を創生した時の星屑や神々を生み出す神力の残滓であり、どうやっても不純なものは発生するはずが無かった。
『…… ここは…… どこ? ボクは ……あな……たは? …… 』
ゼノバゼロスが観察していると、小さな生物がたどたどしくも話そうとしている事に気がつき、その呼びかけにゼノバゼロスが応える。
「ここはワシ宇宙創造神ゼノバゼロスのぷらいべいとるーむじゃな。して、そなたじゃが…… ワシもよう分からんが、どうやら新たに生を受けし神の眷属のようだな」
『…… 神 ? 眷属? …… うーん、まだ…… 寝てる? 取りあえずここは、ゼノバゼロス様の家なんですね? 夢の中だけどお年寄りには優しく親切丁寧に! これ我が家の家訓! これからよろしくお願いします。でも頭がぼうっとします。デス』
「フォフォ、生まれたばかりだと申すに礼儀正しいの、うん? …… そなた、どうやら転生してきたようじゃな、その前も転生しとる。これは珍しいの、ワシが創った世界を延々廻りながら転生しているが、記憶は全て消えているようじゃな。ひとつ前の記憶は太陽系の青い小さな星か、おお、その記憶は残っておるようじゃの」
見た目はカラフルでポンポン飛び跳ねるボールみたいで有りながら、可愛い小さな手足がチョコンと付いて雰囲気は小太りウサギに近く、歩く姿はプニコロで微笑ましい。
「どれ、転生のショックで記憶が混濁しておるようじゃ、意識を完全に覚醒させるかの」
ゼノバゼロスが手を振りかざすと、一瞬間光が弾け飛び人影が現れたと思った瞬間現れたのは、やっぱり『ダルマウサギ』もどきが佇んでいたが、その表情は先程とは違い活き活きとしていた。
『おお! ゼノバゼロス様! なんかすっきりしたよーありがとね~ 、なんでここにいるか皆目見当もつかないけど、ここへ来る前の記憶は完璧に…… ? あれれ? なんでこんなところに? 歌とダンスのお披露目は? あれぇ~~~ 』
真琴は今気が付きました! そしてパニック炸裂大混乱中ですよーと言うように、アワアワし始めたが、その姿も傍から見れば珍生物のダンスみたいで微笑ましく、ゼノバゼロス神の顔には、久しく感じた事が無い慈愛の笑みが溢れていた。
「フォフォッ、今更な感じがするがの、取りあえずそなたが何者なのか、ステータスを見てみるかの」
【ステータス】
名前:==========
種族:宇宙神獣バニボー(新種レア)
称号:宇宙創造神ゼノバゼロスのペット
加護:宇宙創造神ゼノバゼロス 宇宙創世獣
体力: ∞
魔力: ∞
スキル: 森羅万象 時空間無限移動 ミニミニブラックホール
宇宙神獣固有スキル: ワンタッチ学習
(どんな事でも一度で覚えることが出来る)
特殊スキル:お取り寄せ
(有機、無機物拘らずあらゆる宇宙世界のどんなモノでも取り寄せ可能で返却も可)
「ぶふぉ !なっ、なんと ‼︎ ワシでも見たことが無いと思えば新種であったか。それにワシのペットとな…… まぁ、それ故のびっくりステータスなんじゃろ。それに宇宙創世獣の加護持ちか、懐かしいの…… ワシの側近の神と同等かそれ以上だろう。生まれながらのワシのペットじゃな。今世の名前はまだ無しか前世の名前はなんと申した? 」
『……ペットですか ? 眷属では無くペット…… 新種…… レア…… ひょっとして…… 人間の姿をしていないってこと ?! …… 名前はまこ と 円谷 真琴 です。』
「そなた今頃気付いたのかの ?まぁよい『円谷 真琴』、本日より宇宙創造神のペットとして生きるがよいぞ」
『ペット…… ペット…… 神様のペット?…… うわぁー! 何故だぁ!? 思い出した! さっきまで奏多相手にナイスな歌と踊りを披露していたはずなのに~ 誰か夢だと言ってくれー 』
しばらくゼノバゼロス神の前でゴロゴロジタバタし続ける、ウサギ似の宇宙神獣バニボー姿の真琴であった。
その様子を見ているゼノバゼロス神は、見るからに孫を相手にする優しいおじいちゃんだった。
宇宙創造神をも無自覚で虜にする真琴は、前世日本に住んでいた頃、真琴の行動区域ではジジババキラーの名を欲しいままにしていたが、本人はモテたい世代と性別も若干違うとよく奏多に嘆いていた。
追記するならば、幼稚園児にも多大な人気を博していたが、ロリでもショタでも無い真琴にはどうでもいいことであった。願わくば15年過ぎてから必ず!必ず来てね!と、女の子限定で念を押していた。
《俺には生まれつき呪いが掛けられている》
これは真琴が誰となく呟くセリフだ。真琴が欲する相手(可愛い同い年から3才くらい年上の女の子)には、見向きもされない呪いだと……。本人は、至って本気のセリフであったことは、疑いようもない事実である。
誤字脱字等ございましたらご指摘頂けると幸いですm(__)m




