経ってみると早い時間は、スキップしていい時間ではありません。
私は今、カウンターのお客さんと話しをしています。
「月日が過ぎるのは早いものですね。ほんの少し前までまこやぬいの教育とか、伯母さんの採用とか、決めた気がしますが、何か単行本の頁を一頁捲ったら1ヶ月立っていたようなぐらいの、早さで1ヶ月が過ぎました。」
「・・・・・・」
「やっですよー冗談を本気にしないで下さいよ。」
「・・・・・・」
「可笑しなお客さんですね。事実だろうなんて。」
なんて、冗談に迫真の演技で乗ってくれるお客さんは、楽しいですよね。
また来るよなんて言って、お客さんは店を後にされます。
「ありがとうございました。」
私は、いつもの常連さんを店の外まで、お見送りをしてから、店内に戻ります。この常連さんは面白い人なのです。
1ヶ月というのは、月によって28日から31日あります。
先月と今月のように4月の終わりを跨ぎ5月途中の1ヶ月で計算するなら、30日あるんですよ。
30日以下の月を覚える方法知っていますか?2(に),4(し),6(む),9(く),11(さむらい)って覚えるのです。【西向くサムライ】です。30日以下の月を覚えるのにこれで覚えると便利なんです。使う機会は少ないですけど。11が侍なのは、漢数字の十一が漢字の士に見えるからです。
さてこの一ヶ月に何があったのかというお話をします。
実はゴールデンなお休みもありましたけど、仕事でしたし、特に書くことは何もありませんでした。何かあるだろう?小さな幸せ探しですか?考えて見て下さい。毎日日記を書いているあなたもそうですけど、400字詰め原稿用紙5枚に毎日書けって言われて書けますか?
小学生の夏休み一口日記(一言日記)でも、多くの人は
今日は、ゲームをした。
今日は、ゲームをした。
今日は、雨でした。
今日は、おばあちゃんちに行きました。(私、おばあちゃんと二人暮らしで、これは書けません。)
みたいな人、結構多いはずです。何か予定が入っていれば良いのですけどね。
何ですか、この旅行にどこにも行けない人を、晒し者にするような、宿題は……と私のような祖母と二人暮らしで、自営業者の娘は思っていたものです。プンプン。
さて、過去あるあるは、このくらいにして、一ヶ月の話でした。
伯母さんもお昼12時~16時勤務で、働いてくれるようになって1ヶ月です。伯母さんが入ってくれたことで、私が居なくても回るんじゃないかという程、楽になりました。そして、何より話し相手が出来たのは大きいですね。慣れた人がいるというのは心強いことを改めて知りました。
ただ、その分、私の責任も増えるんですよ。新しい労働者が入ると、会社は雇用契約書を会社と労働者との間で締結します。また、タイムカードを作って最低3年は保存しておかなければ行けません。また、労災関係の保険に入る必要もあります。税金の処理申告なども発生します。ウチは、5人未満ですから、保険関係などいくつかは任意なのですが、社員がいると、経営者は労働者に対して雇用の義務というのを果たさなければいけないのです。ただ、お仕事としては、伯母さんが来てくれて正解でした。
さて、この期間にどんな出来事があったか、ダイジェストで報告します。
まこは、もう1ヶ月前のように、運んでいる水を、床に落としてしまうことはなくなりました。2つのことが同時にやってきても、「少々お待ち下さい」と伝えて、一つのことを終えてから、「お待たせしました」と出来るようになりました。また、1注文で3つの商品までなら、確認して間違えずに私に伝えられるようになりました。とても丁寧なので、お客様の評判も上々です。特に、おじいちゃんおばあちゃん層が、孫を見るように、愛でています。たまに出てくる「ですー」トークが一部の若い男女や、お父さんぽい年齢層に、喜ばれるという現象が起きています。
一方で、オーナーに無断での、甘やかし、えさやりが横行しています。勤務中に飴やお菓子等を従業員に与えないで下さいという。張り紙が貼られ、まこには厳重注意処分(命令縛り)が下されました。まこに餌を与えると、夕食や昼食と食べられなくなりますし、危険なものを与えられても困ります。だから、守っていなかった先日は厳しく叱りました。私も、伯母さんの教育が効果を発揮し、叱るという技を習得しました。
ぬいは、もう何一つ問題はありません。もうじき、シールブックがいっぱいになります。今問題なのは、お客さんの質の方です。ぬいは、がさつなままで、しゃべり方も変わっていません。時々気が向いたら、猫を被るように丁寧な応対もしますけど、そちらの方が遊びの一環みたいな雰囲気です。何が変わったのかというと、お客さんがぬいはそういう子認定してくれたようです。常連さんは文句を言わないので、良いのです。伯父さんとの漫才……教育的指導が時より、好評のようです。
何故それで、シールブックが一杯に近づくのかというと、苦情はない上に、仕事はちょっとがさつだけどこなすからです。ただ、ぬいは……まあ、良いんです。きっと私の気のせいです。
そして、神様のお店利用頻度は次の通りです。
1位 クシさん22回――内12回は居座ろうとしました。
2位 ハナさん4回――内一回はクシさん捜索。
3位 モウさん2回――備考なし
3位 直君2回――2回とも学校は休みなの?伯母さんに心配され。何故か私が叱られました。
ミチさんは来ていません。
また、布袋様も1ヶ月前だけです。
また、警察の小山さんと中田さんが、週に1、2度は来てくれます。
だいたいお店が終わる前ぐらいに駆け込みで来られるのですが、その際にクシさんが居ることも多く、結果的に一服したら、事情を聞きたいからと連れ出されています。その回数が5回(小山さん2回、中田さん1回、そしてお二人の同僚2回)です。
クシさん他が神様であることは、私達姉妹3人以外は知りません。
このように、考えて見ると、一ヶ月というのは、結構話題が多いように見えます。だけど、その日その日の話は、それほど刺激的でもないのです。まあ、私の場合は、これまでの刺激が強すぎたのかもしれません。
人によっては、5月のゴールデンな休日が終わったら、7月まで一気に時間が進めば楽なのになんて言う人がいます。でも、一瞬で進んでその間の記憶がなかったら、まこのような、1ヶ月経ってみると、しっかり成長が実感できるという積み重ねも見つからないものです。どんなに辛い時間も、そうやって重なった思い出として何十年か経った後に、懐かしい思い出になっているかも知れませんよ。
なんてね?
ちょっと、哲学しています。今日は、お客さんが少ないので、物思いに耽っていたのです。
この調子で、神様も変な話を持ってこなければ平和で充実するのですけどね。
そうそう、喫茶店内にラジオを置きました。この喫茶店テレビは置いていません。
私も、あまりテレビは見ませんので、ラジオで代用しています。今は物語朗読番組のようです。
ラジオ:経験値が70,000を越え、レベルは1上がった。体力の最大値が2あがり、気力が3上がった。素早さ、精神力、防御力が1下がった。新鮮な持ちネタが4割も減少した。第一章で持ちネタの多くを使い果たしたのだろうか?今回のレベルアップで、打ち切りエンドの可能性が40日も早まったではないか?あれだけ調べたのにレベルアップ制約で20%も進捗が遅れるだと。作者は驚愕していた。そうかこれが、レベルアップ前に、プロットの最終チェックを行わなかった呪いか?次のレベルアップでは、先にプロットを調整せねば。そして私は決めた。今日最後の投稿は短くして、プロットと原作を調整しようと……。
何でしょうか、このお話、全然面白くないんですけど。私は、ラジオを周波数をHKNから民間の音楽番組に変えました。カーラジオで聞くとちょうどよいような、ポップな音楽が流れます。
そうそう、今まことぬいは、休憩中です。時刻は11時30分です。お客さんがいないので、早めの昼食を食べています。
カランコロンと店の扉が開きます。
お客さんです。
「いらっしゃいませ」
このとき私は、今日も明日も、昨日と同じ日が続くと思っていました。
そう、この瞬間までは……