ある雑草の滑舌(300文字小説)
私は滑舌が悪い。周りにそう言って、憚らないでいる。
ある時は、山火事注意を、岩火事注意に聞き間違えられた。全力で否定したが、指摘をされれば思わずにはいられない。
私、岩火事注意って言ったかな、と。自信がない辺り、悪いのは滑舌ではなく頭ではないかと思ってしまう。
そんな予兆が、この間もあった。
頭を洗う最中、シャンプーをしたか忘れてしまった事だ。一先ず洗い直し、中身も外も醜悪、という事態は避けれたが、もはやここまでくると感嘆すら覚えてしまう。
そうそう。最近自分を表すのにぴったりの言葉を見つけた。たった一語で私を語れる、そんな言葉。
言葉というのは素晴らしいものだ。
ちなみに、それがこれだ。
おっちょこちょい。