episode8
「もう大丈夫だよお姉さん。私があの狼をやっつけてあげるから!! 」
その少女は白い民族衣装のような上着と、腰に布を巻いており、そのなかにはお腹を隠すほどまでの長さのない黒シャツと股までしかな黒の半ズボンを身に着けており、腕と首にはきれいな赤い石のはめられたアクセサリーをつけていた。
その褐色肌の少女は拳を前に突き出して身構えると、一気にラクの呼び出した【ハンターフェンリル】に詰め寄ろうとした。
だがラクはとっさに立ち上がって一匹と一人の間に割り込んだ。
「ちょっと待って!このこは違うの! 」
「お姉さん何言ってるの?それは悪い狼だよ!追い払わないと!! 」
少女はむっと不満そうな表情になり、それでも左右に動いてラクを抜けていこうとした。
しかしラクも負けじと左右に動き、少女の行く手を全力で阻んだ。
何度も抜けようと動く少女と何度も行く手を阻むラク。
はたから見たら訳の分からないその状況を、【ハンターフェンリル】はその場で観察していた。
そしてもう一人、その場を観察している人物の気配に【ハンターフェンリル】は気が付いていた。
「はぁ……はぁ……い、いい加減どいてよ……」
「そうは……行かないんだよね……」
「……ふぅ。その気ならこっちも本気出しちゃおうかな」
少女はそういうと一歩後ろに後退。
そこから態勢を低くして思いっきり地面を蹴って飛び込んでいった。
だがその突進はラクに到達することはなかった。
突然ニワトリ小屋の裏から飛び出してきた小さな影が少女の前に素早く飛び出し、少女のおなかを思いっきり膝蹴りを入れた。
「うげ!!?」
少女はどうしてなのか後ろに吹き飛び、その先にあった物干しざおに掛けられている白いタオルケットに直撃。
そのまま竿を破壊して地面に倒れ込んだ。
「いたたた……なにするのさハリュ!! 」
褐色の少女はお腹をさすりながら起き上がると、頬を膨らませてラクの前に佇む少女歩み寄った。
その少女は髪の色、肌の色が褐色の少女と正反対で、白い肌に黒いショートヘアー。
服装は褐色の少女と同じものを身に着けており、背中には大きなかごを背負っていた。
「なにって……それは私のセリフ!クリュはなんで遊んでたの!?頼んでいたことはやってくれたの? 」
「や、やったよ!言われた通りにちゃんと洗濯物も干したし、餌も上げたよ!――洗濯物はいま洗い直しになっちゃったけど」
「ふーん。で?なにやってたの? 」
「そうだ!!狼!危ない狼がね!!――ってえ? 」
褐色の少女はそういうと黒髪の少女を肩越しにラクのほうを覗いた。
「よしよし。びっくりさせてごめんね」
なんとあの狼が白いローブのお姉ちゃんに寄り添い、そのお姉ちゃんはその狼の体をなでまわしていたのだ。
褐色の少女は目を丸くしてその光景を見ていると、もうひとりの白い肌の少女がラクの元まで歩いて行った。
「その狼はあなたのものですか? 」
「ん?ああ、まぁものというより友達?いや仲間……かな」
「では危険はないのですか? 」
「うん。ないよ。なんなら触ってみる? 」
「い、いいのですか? 」
「いいよ」
そういうとラクは、背面にいる【フェンリル】を少女の前に連れて行いった。
少女は恐る恐る手を差し伸べ、そっと【フェンリル】の毛並みに触れた。
すると少女の表情は一変。
たのしそうな表情になって【フェンリル】をなでまわしていた。
当の【フェンリル】をなでられて心地が良いのか、尻尾を振り回して少女にされるがままになっていた。
「きゃ!ちょっとくすぐったい」
【フェンリル】に頬をなめられてすっかりなつかれてしまった少女は、はっと我に返ってラクを見上げた。
「どう?かわいいでしょ? 」
「は、はい。とっても……かわいいです」
それから少女は続けて言った。
「あの……とりあえずうちにお越しください。質素なものではありますがお茶を用意しますので……」
「あ、ここで大丈夫だよ。。そこの切株に座って話そ」
「は、はい」
そんな会話をした二人は、あっけにとられて切株に座って二人を見ている褐色肌の少女の元へと歩いて行った。
二人目の少女登場!
白黒少女たちとラクはこれからなのをするのか!?
お楽しみに!!
それではまた次回!
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