episode13
目の前で突電何もない場所で青く輝きだした場所をただただ立って見つめていた。
その場所は、アキレアとカデンが激闘の末、陥没させた半径2メートルほどの場所の中央、いまだに若干土煙の舞っている場所だ。
その中心部分では空高く上っていった光の粒子を吸い寄せるように一点に集め、徐々に人の形を作っていった。
そして形成し終えると、一段と強い光を放ち始めた。
その中ではなにやら金属が地面に突き刺さったような音が連続して2つ聞こえ、すぐにそれらを引き抜くような音が聞こえた。
「何なの!いったい!?」
アキレアは左腕でまばゆい光をさえぎって目をかばいながら言うと、何が起きるかわからないので、念のため警戒して剣を正面で構えた。
すると光の中から、両手の剣を構え、先ほどアキレアが倒したはずのカデンが飛び出してきた。
「【ブリッツバースト】!!」
カデンは光の中から飛び出すとすぐにお得意のスキルを発動。
青い光を背に、対応する暇も与えずに容赦なくアキレアに切りかかった。
まず右の剣を前に出しているアキレアの左腕に振り下ろし、続いて左手の剣でアキレアの片手剣の鍔に振り下ろし、その衝撃で片手剣を叩き落した。
それからもう一度右、左と斜めに振り下ろしてアキレアの胸元に赤いXを描いた。
そして左を振り下ろしたタイミングで右手の剣を順手から逆手に持ち替え、左の振り下ろした勢いのまま右足を軸に回転、その勢いをのせて右手の剣をXの交差点付近に深々と突き刺した。
だがまだ連撃は終わらない。
もう一度右手の剣を素早く順手に持ち替え、アキレアの背中を拭けると、背中側から剣を振り下ろす要領で思いっきり振り下ろした。
「これでどうだぁぁ!」
振り下ろした剣が鎧を切断することなく、肩の部分に引っ掛かり、結果、剣を体から抜くための動作としてではなく、アキレアを持ち上げ、地面にたたきつけるための動作になった。
「かは!!」
アキレアは【ブリッツバースト】の最後のモーション、背面からの振り下ろしによって宙を舞い、背中から勢いよく地面に直撃した。
その衝撃で肺の空気を一気に吐き出し、アキレアはそのまましばらく寝転がったまま、空を見上げていた。
ここから反撃しようにも剣はカデンの向こう。
しかも剣を突き付けられ、動こうものなら即座に切り付けられてしまう。
だが、方法がないこともない。
【聖翼装:ウリエル】のスキル【天使の加護】によって今もなおHPは回復している。
それに【身体強化:スピード】と【閃光】を併用すれば、剣を取って後ろから一突きすることもできる。
カデンは寝そべるアキレアに剣を突き付け、息を切らしながら話しかけた。
「はぁ……はぁ……な?すぐに戻ってきた……だろう?」
「はは……いくらなんでも早すぎだよ。あれなに?」
「忘れたか?この剣のスキルを」
左手に持った【アサルトヒリカム】で肩をたたき、カデンはそれを目で見ながらニヤッと笑った。
「……あ。完全に忘れてた……」
「だろうな。なんせ【ハアラシ】戦以降一回も使ってないしな」
「だよねー」
「で、どうする?このまま再開するか?」
アキレアは目を閉じ、そのまま首を横に振った。
「やめとくよ。この状態からじゃどうしようもないし」
「そうか。じゃあ箱を渡してくれないか?もともとあれが目的だし」
「ん?持ってないよ?」
「は?」
「だからもってないよ」
「はぁ!?じゃあどこに隠した!?」
「さあねー。もしかしたら【ナツハ】のおなかの中にあるかもよー」
カデンはあっけにとられたような顔をして、離れた場所で参加者が戦っている【ナツハ】を見た。
【泳龍ナツハ】との戦闘は、参加者側がどうにか持ちこたえているといった状況だった。
この【草原エリア】の残ったプレイヤーの半分以上は【ナツハ】との戦闘経験はない。
というより、ヒナツ達たちのラクを探しに行ったグループに、戦闘経験のあるプレイヤーが半数以上が同行した。
その理由は【蛇龍ハアラシ】への対策ともう一つ、【ナツハ】の性質、行動パターンにあった。
【泳龍ナツハ】
【第二の街】の街のさらに東、【東 海上エリア】のさらに向こうにある【激流島】を中心に生息している水棲型恐竜を素体にしたMOB。
このゲームの1,2を争うほどの火力を持ち、氷と水を中心に近づくものはすべてねじ伏せる。
【蛇龍ハアラシ】の【麻痺】のような状態異常攻撃は存在しない。
また、戦闘時は周囲一帯に分厚い氷の壁を創り出し、援軍は不可、逃走を不可能な決戦場を創り出す。
それが【泳龍ナツハ】であり、戦闘経験があるプレイヤーの中、近接戦闘型のプレイヤーをあえてヒナツ達に同行させた理由の一つだった。
まずは、Twitterでを言った通り、昨日ついに総合評価が1000ポイントを突破いたしました!
ありがとうございます!
さて、アキレアとカデンの戦いに決着がついたのですがアキレアは箱を持っていなかった!?
では一体どこにいるというのか……
それではまた次回!
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