episode12
最初に仕掛けたのはカデンだった。
二本の異なる片手剣を順手で持ち、【身体強化:アタック】を発動して一気に距離を詰めた。
だがそれはアキレアも同じこと。
【身体強化:アタック】を発動し、片手剣の先を地面につけ、ガリガリと地面を削りながら距離を詰めていった。
そしてカデンとの距離が1メートルほどまで近づいたとき、アキレアは地面から弧を描くように前に振り上げ、切りかかってきたカデンを弾き飛ばした。
そしてそこから跳躍し、宙を飛ぶカデンの下まで来ると、装備の襟をつかみ、そのまま落下。カデンを頭部から地面にたたきつけた。
【身体強化】と落下速度の2コンボの衝撃を受け、あたりの草原は陥没、土煙を発生させ、周囲のプレイヤーからは完全に見えなくなってしまった。
だがその中では金属同士のぶつかる甲高い音と、時々火花が舞い、それらが戦いの激しさを物語っていた。
「ってぇなぁ!」
後頭部から地面に直撃したカデンは、あの後すぐに立ち上がり、反撃を開始した。
切りかかってくるアキレアの片手剣を受け流し、右手の剣でスキル【ホーリースラッシュ】を発動。
白い光を放ちながら大振りの一撃を与え、それを肩から押しつぶされるような勢いで受けたアキレアは背中から地面に直撃。
視界がぼやけ、肺に入っていた空気を一気に吐き出したが、その一瞬、カデンが動きを止めた隙をついて剣を振り上げ、それがカデンの胸元を縦に線を描いた。
その一撃を受け、カデンは歯を食いしばって後ろに跳躍、一度距離を取って態勢を整えようとした。
だが、それとほぼ同時にアキレアが素早く立ち上がり、もう一度肺に空気を取り込むと、元に戻った視界でカデンを捕らえ、獲物を狩るような、普段絶対に見ることのない目つきで突っ込んでいった。
「やあぁぁぁぁ!!!」
「やっべ!!【ブリッツバースト】!!」
「【アサルトプレイサー】!!」
カデンの得意とする【ブリッツバースト】と、アキレアの放った刺突攻撃の【アサルトプレイサー】が同時に発動、カデンの剣は赤色に、アキレアの剣は白色に発光し、それぞれが相手の体めがけて飛んで行った。
そんな中、最初に当たったのはカデンのスキルの初撃だった。
アキレアの肩から斜めに切りつけ、ニ撃目を与えようとしたタイミングでアキレアの突きが命中。
カデンの脇腹を貫通し、深々と根元まで突き刺さった。そしてこれ以上【ブリッツバースト】を食らうことを避けるため、あえてそのまま突進。
カデンの一撃目で振り下ろしたままの右手を巻き込みながら、そのまま押し倒した。
その結果アキレアの剣は深々と地面に突き刺さり、簡単には抜けなくなってしまった。
しかし、それはアキレアだけでなく、カデンにも影響を与えていた。
それは、脇腹に突き刺さったまま、地面に刺さってしまったので、カデンは完全に身動きを取れない状態になってしまっていた。
しかもアキレアはカデンの上に、右手を膝で拘束するように乗っており、しかも微動ながら剣をねじり、じわじわとダメージを与えていっていた。
「くそ!やっぱその装備のスキル、対人戦最強だなおい!」
カデンはそう吐き捨てつつも、自由に動く左腕に持った剣の柄で必死にアキレアの防具をたたきつけた。
すこしでもダメージを与えるために。
だが、無情なことにいくら殴っても、【聖翼装:ウリエル】の持つスキル、【天使の加護】の自動回復機能が勝り、アキレアのHPはどんどん回復し、逆にカデンのHPは徐々に0に近づいて行った。
「くそ!さすがに降りろよ!」
「いやだ!カデンはこのまま街送りにしてあげる!」
「んなこと望んでねーよ!いいから降りろ!」
「降りない!」
剣を手放し、左手でアキレアの肩を押して引きはがそうとするが、アキレアは突き刺さった剣をがっしりと持ち、カデンの態勢からは絶対にはがれない状態になっていた。
右手はアキレアの膝で押さえられ、動かせるのはせいぜい指と手首ぐらいだ。
だがその程度ではどうすることもできず、カデンのHPバーはついに2桁になり、あと数秒で0になってしまうところまで来ていた。
「……仕方ないか…」
カデンはそうつぶやくと、肩を掴んでいた手を離し、草原の上に置くと、全身の力を抜いてアキレアに言った。
「今回は俺の負けだ。だが待ってろ。すぐに戻ってくる!そしてお前からあの箱を絶対取ってやる!」
アキレアは剣を押すために込めていた手を離し、カデンの上に座った状態で笑い、拳を前に突き出した。
「のどむところだよ!奪えるものなら奪ってみなさい!!」
カデンはその拳に拳を当て、光の粒子になって消えていった。
アキレアは立ち上がり、地面に深々と刺さっていた剣を引き抜くと、離れた場所で戦っている【ナツハ】とプレイヤーたちのほうを見た。
そしてそれに加勢するために、【身体強化:アタック】を再度発動して走っていこうとした。
しかし、突然アキレアの背後から、青い光を放ち始めた。
「なになになに!?」
アキレアは目の前で起き始めた現象に動揺し、ただただ体を横に向け、首をひねってその光景を眺めていた。
今回は久々に激闘シーンを書いたような気がします。
あと気のせいでしょうか。なんだか以前の【ハアラシ】戦、【聖騎士】戦の時よりも文章レベルが上がっているように感じます。|(やはり気のせいか?)
それはとにかく、もう少しで総合評価が1000Pに到達しそうなことに私は内心動揺しております
まぁ気にせずいつも通り執筆する予定ですけどね。
それではまた次回!
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