episode6
フードコートにやってきた三人は、空いているテーブル席に座ると、各々食べるものを買ってきた。
といっても結局三人とも同じもの、某有名ハンバーガーショップでセットメニューを買ってきた。
ポテトをつまみ、ストローを使ってジュースを飲み、ハンバーガーを口にした。
「ぷはぁ。ん~やっぱおいしいね!ね!お姉ちゃん!」
ポテトを口いっぱいに入れ、ジュースで一気に流し込んだ。
それからすごく幸せそうな表情で宿梨を見つめて言った。
「そうだね。――でもまさかみんな一緒のものを頼むなんて……」
「まぁいいじゃねーか。それよりこれからどこを見るか決めようぜ」
そういうと陽二はハンバーガーなどが乗ったプレートを隅にやり、ショッピングモールのフロアマップを広げた。
このショッピングモールは3階構造になっている。
各階層ごとに特色があり、1フロア目は落ち着いた雑貨や服、そして食料品を扱う店がある。
2フロア目にはおもちゃコーナーや子供用衣服、CDショップや家具家電、本屋やフードコートなどがある。
そして最後に3フロア目は若い女性や男性のファッションの流行を取り入れた店があった。
それらを昼食をとりながらざっと確認し、目星をつけていった。
その結果、10店舗ほど見て回ることにした。
それから他愛もない話をしながら食べ終えると、三人は一番近い店舗に向かった。
最初にやってきたのは2Fのフードコートに一番近い家具屋だ。
だが家具といっても三人の目的は小物。枕やクッションといった類のものだ。
どうせプレゼントするなら実用性のあるものがいいんじゃない?という陽二の提案だった。
三人は分担して候補となりそうなものを物色していった。
低反発枕やふかふかとしたクッション、掛布団やスリッパ……。
だが宿梨はしっくりくるものが見つからなかった。
「よくよく考えてみるとこういうのって母の日とかにあげるものだよね……。たしか今年は5月14日だったような……。うーん結構近いなぁ」
宿梨は悩んだ。
果たしてここで5月16日の贈り物を買うべきか…。それとも5月14日の母の日の物を買うべきか。
「うーん……。まぁ母の日はまだ時間あるし今回はいいかな」
結局宿梨は候補を選ぶことなく集合場所であるこの店の入り口に近い場所に向かった。
宿血がその場所に着くと、すでに二人はおり、宿梨が来るのを待っていた。
だが宿梨同様、二人は何も持たずに立っていた。
「遅かったな」
「ごめん。あまりしっくりくるものがなくって。――二人も?」
「うん。なんかこういうのじゃない気がしたんだよね」
「俺も」
それを聞くと、三人は苦笑いをしてその店を後にした。
それから次の店に向かう途中、ふと陽優が口を開いた。
「ねぇ。せっかくだし三人別々にプレゼント用意しない?」
「それはいいが……陽優ちゃんお金大丈夫なのか?」
「大丈夫!」
「そうか。宿梨はそれでいいか?」
「うん、いいよ。じゃあ3時にフードコート集合でいい?」
「ああ」
「わかった!」
そういうと、二人は別々の方向に歩きだした。
それを見送るようにしばらく立ったままでいた宿梨は、二人が見えなくなると自身も移動を開始した。
二人と別れた宿梨がやってきたのは、2Fの本屋だった。
これまでの人生、あまり贈り物とは縁のなかった宿梨は、何を送ればいいのかがわからなかった。
雑貨?本?家具?服?何がいいのか。
しかも母の日ではなく、『クレマチス・オンライン』の一周年記念日だ。
余計に何を送ればいいのかわからない。
その結果、宿梨は料理をいつも以上に頑張ることにした。
「やっぱ私はものより料理かな」
そうつぶやくと、料理雑誌を手に取り、祝い事をする日に作る献立を探し始めた。
パラパラとページをめくり、サラダからデザートまで、脳内でパズルのように組み合わせていった。
そして大体の案が決まると、一冊の料理雑誌を購入した。
「さてと。まだまだ時間あるし、せっかくだからショッピングでもしようかな」
忘れないうちに料理候補をスマホのメモに入力し、宿梨は本屋を後にした。
それからは、雑貨や服、アクセサリーを見ていった。
そして今は3Fの服屋に来ていた。
そこはすこしチョイスは独特だが、中には掘り出し物があるということで学校で話題になっていた店だ。
そんな店は宿梨と同年代、またはそれ以下の少女たちでにぎわっていた。
キャッキャっとはしゃぎながら掘り出し物を探す少女たち。
宿梨は一瞬入るのを諦めようかと悩んだが、ごくりと唾をのんで店内に入っていった。
それから時間がたつのはすぐだった。
最終的に宿梨は3つ服を探し出し、購入した。
それから特に行くところがなくなった宿梨は、一足先にフードクートに行ってジュースでも飲みながら二人を待つことにした。
フードコートにやってきた宿梨は、ドーナツショップでドリンクを注文した。
頼んだのはアイスティー。
程よく冷えた紅茶とコップが、宿梨の疲れをわずかではあるがほぐしたような気がした。
宿梨はそれをもってカウンター席に行くと、机に先ほど買った雑誌を広げ、ゆっくりと読み始めた。
それから時間になるまで集中して読んでいた宿梨は、二人が来てからも数分の間は気が付かないほど自分の世界に入っていたのだった。
宿梨はある程度決まったようだがあとの二人は何にしたのか!?
それではまた次回!
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