episode3
アキレアに連れて来られた場所、広場の中央にある石造りのきれいな円形の土台は、部分的には破損しているものの、周りと比べてかなりきれいな状態だった。
その円形の内側には、中央に丸い穴、内回りに排水溝のようなものがあった。
だがそれ以外に特にこれといったものは見当たらなかった。
「ねぇアキレア。何を見つけたの?」
ラクはアキレアが何を見つけたのかがわからず、本人に答えを聞いた。
するとアキレアは自慢げに腰に手も当て、今いる場所の向かい側を指さした。
「あっちにあるよ。行ってみて」
「あ、私が行ってくる。ラクさんはここで待ってて」
そういうと、ハルはアキレアの指さした場所まで歩いて行くと、目を丸くしてラクを見た。
「ハルさん?どうしたんですか」
「ラクさん!ここだ!!」
「……はい?」
ハルが突然大声を出して言うので、何があるのか気になったラクは、ハルの元まで歩いて行った。
するとそこにあったのは、地下へと続く石造りの階段だった。。
それは一体どこまで続いているのかというほど地下へと伸びており、地下と石レンガでできた壁の隙間からは冷風が吹き上げていた。
「どうどう!?すごいでしょ!」
その光景にラクも目を丸くしていると、誇らしげな表情でアキレアがやってきた。
その右手にはどう考えても行く気満々なランタンを持っていた。
その姿を見たハルはなぜか興奮しだし、アキレアと同じランタンをインベントリから取り出した。
「やっぱこういう場所は行かないとな!」
「でしょ!ハルならわかってくれると思ってた!!」
「あたりまえだろ?こんな面白そうな場所を見過ごすなんて私にはできないぜ!な!ラクさん!」
「わ、私!?」
「そうだよお姉ちゃん!行くよね!行くよね!!?」
アキレアがぐいぐいとラクに迫り、一緒に行こうといわんばかりに目を輝かせていた。
それはラクとアキレアを見ていたハルも同じだった。
どうもこの二人にはどこか似たような部分があるみたいだなぁ…
ラクは二人のことをそう感じ、アキレアの肩を掴んで距離を作った。
「近い!」
「みゃん!……もうお姉ちゃんったら強引なんだから」
「なんでいきなりキャラ変わってんの?それより行きたいんでしょ?」
「もちろん!ね!ハルさん!」
「聞かれるまでもないぜ!」
「……なら行きましょ。ほら、私それ持ってないんだからアキレアしっかり前照らしてね?」
ラクは二人が行きたいからしょうがなく。
といった言い方をしたが、本当はラクも行く気満々だった。
もしかしたらこの先に騎士の大切なものやお宝があるかもしれない。
もしあるなら少しでもいいから見てみたい。
そう思っていた。
だがさすがは妹、アキレアはすっかりそのことをお見通しだったようだ。
「わかってる!じゃあ早速しゅっぱーつ!」
そういうと、右手にランタン、左手にラクの手の握って階段を下りていった。
「だから私を置いてくなって!」
そのあとをハルが下りていき、前をアキレア、後ろをハルが照らす状態で地下へと進んでいった。
三人はそれぞれ足音をこの空間に響かせながら地下へと降りていった。
しかし降り始めてたった15秒ほどで階段は終わり、代わりに奥へと続くまっすぐな通路が伸びていた。
階段を下りた方向から察するにこの先にあるには【ベイリーツ古城】その地下のはずだ。
だが何があるかはわからない。
もしかしたら崩落に巻き込まれたせいで何も残ってないかもしれない。
そう思ってはいるが、それとは別にラクはドキドキしていた。
もし押しつぶされてなければ、この道の先には何があるのだろう。
財宝、宝石、絵画……
武器、盾、装備……
どれがあってもおかしくはない。
だけどもし何もなかったら…
だけどそんなことはどうでもいい。
何があるのかが気になるだけだ。
だからなにかあってもなくてもラクにとってはどっちでもいいのだ。
だがアキレアとハルは違うようだった。
「何があるのかなー。ハルは何があると思う?」
「うーん。やっぱレアアイテムじゃない?あんな強いやつがいたエリアだし。きっといいアイテムが置いてあるよ!」
完全に何かある前提で話していた。
しかも目を輝かせて。
ラクは何もなかった時の二人を思い浮かべ、苦笑しながら先に進んでいった。
何かありますように……
ラクたちが【ベイリーツ古城】で宝探しをしている一方、第一の街『サフィニア喫茶店』では……
「やっぱこっちのデザインのほうがいいんじゃないか?」
いまだにセロシア達はテーブルに様々な服のデザイン案を書いた紙を広げて話していた。
参加者はセロシア、カデン、ギンヨウ、アオイ、ゼラ、ユリ、トウジだ。
「否!やはり巫女衣装がラク殿にはあっている!」
「お前わかってないなー。ラクには着物風のデザインのほうがいいに決まってる!」
「あら、ゼラもそう思ったのね。実は私もよ」
「だよな。あの子が小さいときに着物着せたときがあったが…その時からめちゃくちゃかわいかったもんな」
「最近は恥ずかしがって来てくれないけど…今度着てもらおうかしら」
「あ!それなら俺にも送ってくださいよ。ラクの着物姿一度見てみたかったんですよ」
「みなさん!リアルを知っている人たちだけで話し盛り上げるのはやめてください。それとはやりラクさんには女騎士の装備が一番似合うと思います!?ユリさんはどう思いますか!?」
まさかのトウジまでもが熱く語っていた。
「ひぇ!?……確かに…ラクさんの着物姿見てみたい…です」
な!?騎士の鎧が似合うと思うには私だけですか!?」
「「「「「「たぶんな」」」」」」
「そ、そんな……」
よほどショックだったのか、トウジは肩を落としちびちびと皿にのせてあったフランスパンを再現したパンを咀嚼し始めた。
それからも話し合いは続いたが、
ギンヨウが手を挙げてある提案をした。
「……拙者から一つ提案がある」
「お、なんだギンヨウの旦那」
セロシアは返事をするとテーブル越しにグイッと身を乗り出してギンヨウに顔を近づけた。
だがギンヨウは動揺することはなく、冷静に説明し始めた。
「いっそのことすべて作ってみてはどうだろうか。そのうえでラク殿に試着してもらい、どれが一番似合うか白黒はっきりさせるなはどうだろうか」
「……いいんじゃない?じゃあ審判は……」
「それはいつの間にかどかに行ったヒナツ、ハル、アキレアでいいんじゃないか?まぁたぶんこっそり抜け出したラクについて行ったと思うが」
「じゃ、そういうことで。試着会はラクに日程の確認ができ次第、『旋風団』の参加者とセロシアには俺から」
「なら『タイラント』からの参加者には俺から連絡する」
最後にカデンとゼラが連絡役を名乗り出て、この話し合いは終了したのだった。
さてまずは謝罪から。
昨日投稿したepisode2ですが誤って修正前のものを投稿してしまったことを謝罪します。
ですが昨日午前9時には修正版に書き換えましたのでそれ以前に見られた方はもう一度見てくださると助かります。
本当にすみませんでした。
さて、ラクたちが宝探しをしている中、裏で動き出したファッションショーの計画…
ラクがこのことを知るのは果たしていつなのか!?
それではまた次回!
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