episode1
【蛇龍ハアラシ】を無事に討伐し、『旋風団』と『タイラント』の参加者、そしてラクは打ち上げを『サフィニア喫茶店』で開いていた。
にぎやかな店内で自分で作ったハンバーグを食べていると、ラクの衣装デザイン相談会議はとは少し離れた別の場所で、主に見知った男性陣の戦闘中でやらかしたことへの反省会が行われていた。
様々な反省点があげられる中、話はギンヨウの狙撃のことになった。
「そういえばギンヨウ。お前よくもあの時はずしてくれたな。」
そのことを持ち出したのた【修羅血鬼】を使ってアオイと共に【蛇龍ハアラシ】に猛攻撃をしたゼラだった。
「あの時しっかり当てていれば数人やられることはなかったし、あのまま勝てていたかもしれないぞ?」
「確かに……俺もあの時ギンヨウさんが落としたがれきに潰されそうになったなぁ…」
それを聞き、カデンもあの時の惨状を思い出してジト目にでギンヨウを見つけていた。
そこにデザイン会議を抜けてきたアオイが合流した。
「それは私もよ?というよりあれのせいでユリちゃんがやれてたのよ?何か言うことがあるんじゃない?ギンヨウ」
そういう三人の目は鋭く、ギラギラとギンヨウをにらんでいた。
その目線と反省で完全に委縮してしまったギンヨウは、しょんぼりと肩を落としてしまった。
「その……あの時は本当に申し訳なかった。拙者がしっかりと当てていれば……間違いなく勝てていた…」
「ま、そんなに気にしてないけど……久々にギンヨウをいじる口実ができて面白かったし、今回は大目に見てやるよ」
「ゼラ……おぬし何上そんなに上から目線なのだ?」
「同期だからいいだろうが。それに知ってるぞ。わざわざ片手剣、正確には刀からあの弓に変えた理由を。ユリちゃんにかっこいいとこ見せたいからだろ?」
「な、なぜそれを知っておるのだ!?」
「なんでって……そりゃユリちゃんからに決まってるだろ?」
「な!どういうことだ!?ユリ!」
そういうとギンヨウは勢いよく首をぐりんと回し、少し離れている場所にあるテーブルの上に置かれている料理を食べているユリを見た。
「んん!?……んぐ…ちょ、ちょっと!ゼラさん!なんで言ったんですか!!」
それを聞いたゼラは逆に「なぜ?」と言わんばかりに首をかしげてユリを見ていた。
「あれ?言っちゃまずかった?」
「当たり前です!!せっかくお父さんが私に内緒で頑張っているのを陰から見ていたのに!!」
その話を離れたところから聞いていたラクは耳を疑った。
「え!?ちょ!ユリさん!?いまなんて…?」
「へ?陰から見ていたのに」
「いや、その前!」
「せっかくお父さんが頑張ってるのを陰から見ていたのに…ってとこですか?」
「そうそこ!ユリさん、ギンヨウさんと親子なんですか!?」
「はい。そうですよ」
「うむ。拙者とユリは親子だ」
それはラクにとって今日一番の衝撃だった。
ラクは持っていたフォークを落とし、口を開けて二人を交互に見つめた。
「二人が…親子……そんなの私達だけかと思った……」
「まぁ、無理もない。しかしだ。もうひとつ貴殿にとって衝撃的なことを言うが……拙者とゼラ、アオイは同じ会社の同期である。」
「えええええええ!?」
ラクが再び驚いていると、そこに反省会をしていたゼラがその場所から声を出してラクに話しかけた。
「あれ?ラクには言ってなかったか?」
「言ってない!!」
「それは悪かったな。ちなみにそこのユリちゃんはお前と同い年、しかも同じ学校に通ってるぞ。」
「はぁぁぁぁ!?」
「え、そうなんですか!?」
「ああ、クラスは隣だったけどな。ログアウトしたらラクに教えるよ。リアルでも仲良くしてくれよ?」
そういうとゼラはユリを巻き込んで反省会という名のギンヨウいじりを再開した。
「ところで……ラク。あの時のセリフは何なんだ?」
「あの時って?」
「ほら、【ベイリーツ古城】で天井ぶち壊して落ちてきた時のセリフ」
ラクはそれを聞いて顔を赤くした。
まさかこんなところでそのことを掘り返されるとは……
しかし今は証拠人であるユリがいる。
ラク高まる鼓動を落ち着かせ、深呼吸してから説明をし始めた。
「あれは……あの時は上でユリにそういうように指示されたの!少しでも【ハアラシ】の動きを止めれたら下の人たちが勝てる確率が上がるって言われて……それで仕方なくよ!わかった!?」
「お、おう。それにしてもなんだかんだでラクも結構アクロバティックなことするよな。城のてっぺんからスカイダイビングするなんて正気沙汰じゃないぞ」
「そう?カデンなら私の幼いころ知ってるでしょう?」
「まぁ……そういわれると納得するしかないな」
ラクに幼い頃のことを言われ、すんなりと納得したカデンはゼラの元へと歩いて行った。
カデンを納得させたラクの幼いころ。
それは小学生のころまでラクは、宿梨はかなりやんちゃな少女だった。
しかもそれは遊びにとどまらず、高校までやっていたバスケや授業の水泳、球技、陸上、アウトドアスポーツにいたるまで、興味を持ったものには全力で取り組み、そのたびに大人の度肝を抜いていた。
それ以降、中学に入学したあたりからは少しは自制するようになった。
もう少し自制したほうがいいのかな……
ラクそんなことを考えていると、ふとあることを思い出し、ゼラ横にいるカデンの装備の裾を引っ張った。
「ん?どうした?」
「【ベイリーツ古城】ってどうなってるの?」
「あの古城?戦った時の状態のままだが…どうした?」
「そこって今でも行けるんだよね?」
「ああ、問題ないと思うが……何かやりたいことでもあったのか?」
「まぁね。――わかった。ありがとう。今から行ってくる。」
ラクはカデンに行けることを確認し、店を出ていった。
「さて、それじゃあさっさと調べてアデンさんに報告しに行こっと」
ラクは『サフィニア喫茶店』を後にし、西の【森林エリア】に向かって真っすぐと歩いて行った。
だが、すぐに後ろから二人の女性に飛びつかれた。
「へへへ、お姉ちゃん一人でどこに行こうとしてるのかな~?」
「おいおいおい、私を置いてくなんてあんまりじゃないか。どこに行くかわからないけど私も一緒に行くからな!!」
それはハルとアキレアだった。
どうやらラクと同じように打ち上げをこっそりと抜け出してきたようだった。
ラクは跳び疲れた衝撃でふらついたがどうにか踏ん張ると、二人をほどいて向かい合った。
「アキレア、それにハルさん。どこに行くかって……【ベイリーツ古城】に戻るだけなんだけど…」
「どうして?」
「ほら、二人ともあの手紙を見たでしょう。だけどまだそれを見つけてないことを思い出してね。それを探しに行こうかと」
「ふーん。でもなんで誘ってくれなかったの!?」
「そうだそうだ!一度ラクさんと冒険みたいのしてみたかったんだから!それにあの【神楽】を使うところ、見たいし」
「まぁ……二人がいいなら…」
「「問題ない!!」」
即答された。
一体どれほど一緒に行きたかったのだろうか…
しかし今考えてみるといままで一緒に冒険したのは、【東の森林】をダリアと、【西の森林】をアキレア、ゼラ、アオイの四人だけだった。
『旋風団』のトウジ、ハル、ヒナツとはその前に【古石板の岩巨人】を周回したときの一回だけ一緒に行動したことがあったぐらいだ。
それなら今度いろんな人誘ってみてどこかに探検に行ってもいいかも……
ラクは次にやることに少しだけ楽しみになった。
「わかりました。それじゃあアキレア、ハルさん。一緒に行きましょうか」
「はーい!!」
「そうこなくっちゃ!」
そういうと三人は再び【西 森林エリア】の深部、【ベイリーツ古城】に向かって歩いて行った。
まずは・・・・Twitterでも言いましたが、総PV回数10万回突破!本当にありがとうございます!
投稿を始めてから約二か月、あっという間ではありました。
ですが、ここで終わると思わないでください!
これからもラクちゃんたちのにぎやかな会話を、ドタバタプレイをどんどん投稿していきます!!
さて、今回から【間章2 ベイリーツ古城と宝探し】が始まります。
【三章】の舞台であるその場所にはその城の主だった騎士がどこかに隠した宝が眠っているらしい。
それを無事に見つけることができるのか!?
それではまた次回!!
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