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episode16

「・・・・・・・・後は頼む。カデン!」


そう言い残してギンヨウは消えた。

そうして第一陣のプレイヤーは全滅し、今頃は城で寝そべっている頃だろう。


第一陣を全滅させた【蛇龍ハアラシ】はまだ第二陣には気が付いていない。

警戒してあたりを見回しているだけだ。


そして少し離れた場所にある家屋の跡地に隠れているカデンのもとに、ゼラからチャットがきた。


『ハアラシはまだ気が付いていない。問題なく作戦の第二段階に移行できる。突撃するタイミングはカデン。お前に任せる。』


『わかった。合図は俺が奴に大技を打った直後。ほかのやつにも伝えてくれ。伝え終わったら報告を頼む。』


そう打ち返したカデンは、その場で身を低くしてばれないように、そうっとハアラシを観察した。

いまだにハアラシは目だけを動かして周囲を観察している。


「ゼラからの報告のあと向こうを向いた時がチャンスだな・・・・・スキルは・・・・・あれでいいか。」


カデンはそっと音を立てないように二本の片手剣を引き抜いた。

一本は昔から使っている愛剣。

そしてもう一つは聖騎士戦の報酬、そしてスキル『再臨』が付いている剣【アサルト・ヒリカム】。

その二本の持ち手を強く握り、いつでも【身体強化】を発動できるように準備をした。


チャンスは一度。

もし失敗したら三度目のアタックで勝てる確率は大幅に減少する。

恐らく第一段階のギンヨウたちは目的を果たした。

ならここでカデン達第二陣が失敗するわけにはいかない。


そう思い待っていると、ゼラからの報告が来た。


『連絡完了。いつでもいいぜ。』


そして【ハアラシ】もタイミングを見計らったように向こうを向いた。


いまだ!


カデンは物陰から飛び出し、【身体強化:アタック】を発動して【ハアラシ】の頭部めがけて高く跳んだ。

そしてあの技を発動した。


「ブリッツバースト!!」


前でクロスするように右、左の順に剣を振り下ろし、一度体の上に着地して、左手の剣を逆手に持ち替え、体をひねりながら跳躍、首筋を斜めに切り付けた。


「はぁぁぁぁぁぁ!!まだまだ!」


それから左手の【アサルトヒリカム】を突き刺し、順手に持ち替えた。

そして【ハアラシ】の背を向ける状態から左手の剣を振り下ろした。

ここまでが【ブリッツバースト】のコンボだ。

そして技の終了と同時に、落下するカデンと交代するように、長い得物を持った黒い影が頭めがけて跳んで行った。


「5:インパルス」


長い得物、その正体は薙刀。

その薙刀を空中で瞬時に5連撃の攻撃を出した黒い影はすぐに体を蹴って離脱した。


「ヒュー・・・ヒナツさんも本気でやってるなぁ・・・・なら俺も!」


離脱した黒い影を追おうとする【ハアラシ】が振り向いたのを見計らい、今度はゼラとアオイが飛び出した。


「あなた。準備はいい?」

「誰に聞いてるんだ?いつでもいいぜ!!」


二人は【ハアラシ】の頭部の左右に跳ぶと、剣を勢いよく、思いっきり顎を打ち上げるように振り切った。


その一撃は狙い通り【ハアラシ】の頭部を打ち上げ、その勢いのまま後ろに倒れた。


ズウウウウウウン


巨大な【ハアラシ】の体は激しい振動と重々しい音を立てて地面に寝そべった。

だがこれで倒したわけではなかった。


ただ・・・・ただただスタン状態にしただけだ。


二人は振り切った両手剣を肩に担いで地面に着地すると、休むことなく追撃をするために【ハアラシ】の頭部めがけて走っていった。


だが二人よりも早く、頭部に技をたたき込んでいるプレイヤーぎた。


「セイクリッドインパクト!!!」

光り輝く片手剣を片手で持ち、勢いよく振り下ろしたプレイヤー。

元気な、明るい声と、宙に舞う長い髪の持ち主、アキレアだ。

アキレアはその後も休むことなく、カデン達が来るまでひたすら切り続けた。

とにかく1でも多くダメージをあたえるために。


そして程なくしてカデン、ゼラ、アオイ、ヒナツが合流した。


それからはこれまで以上の猛攻撃が【ハアラシ】の叩き込まれる。

そう思っていた。


だが【ハアラシ】は、だれの予想よりも早くスタンから回復し、一番近くにいたアキレアをあおむけの状態のまま素早く一飲みした。


「!!アキレア!」


カデンは慌てて助けようとしたが、すでに手遅れだった。


【ハアラシ】は口からアキレアが死んだときに発生したであろう光の粒子を噴き出していた。


「うそでしょ・・・・アキレアが一撃でやられるなんて・・・・」


そういうアオイは目を大きく見開き、その場で硬直していた。

そしてそれはゼラも、カデンも、そしてヒナツも同じだった。

なんとか目視で確認できたあの攻撃。

しかしそれだけでアキレアは死んだのだ。


「・・・・・・・なぁ、ヒナツ。アキレアってどれだけHP残ってた?」


カデンは近くにいたヒナツにふとそんなことを聞いた。

するとヒナツは目を閉じ、首を左右に数回振った。


「わからない。けど一撃も受けてないと推測。」


普通の人ならわからないが、付き合いの長いカデンだからこそわかる。

ヒナツはいつも通りの口調ではないし、かなり動揺していた。


「カデン。一度引くことを推・・・・・・」



ズザアアァァァァァ!



ヒナツの声をその音がかき消し、カデンの目の前を【ハアラシ】の巨体が通過した。

そしてアキレアと同じように、ヒナツまでもが光の粒子となり、城に強制転移された。


「・・・・・くそ!」


カデンは少し離れた場所にいるゼラとアオイの元まで、駆けて行った。

しかしゼラたちは何かを悟ったのか、慌ててカデンに向かって走り出した。

そしてゼラはかでんの装備の首元を掴んでどこかに向かって運んで行った。


【ハアラシ】と並走するようにゼラとアオイが走っている中、カデンは訳が分からずにそのままの状態で叫んだ。


「おい!どこに行くんだ!?」

「カデン!急いで戻るぞ!」

「この蛇の狙いはきっとあの城よ。」


それを聞いてカデンは大きく目を見開いた。

そして問う。


「なんでそんなことが分かったんだ!?」

この先にあるのはあの城だけだ。きっとこの蛇はおおもとの仮スポーン地点かはたまた別の何かを破壊するつもりなんだろう。それに今行かれると、再編中のギンヨウたちが、三度目の死で第一の街に強制転移されて攻略不可能になる!」

「そういうことか。でもどうする?」

「それは任せろ。少しの間なら時間稼ぎぐらいはできるはずだ。だからその間に城にいるプレイヤーたちと対策を練ってくれ。」

「・・・・・わかった。そっちは任せた!」

「了解!」


そういうと、ゼラはその場でカデンを手放し、【ハアラシ】の顔元めがけて全力で走っていった。

そしてカデンは、受け身の態勢をとって何とか地面を数回転がて止まると、すぐに立ち上がり、この道の先にある【ベイリーツ古城】に、【身体強化:スピード】を発動して全力で走っていった。



さて、これからどうなるか!

ぜひブックマーク、評価をお願いします!

それではまた次回!

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