表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/209

episode13

【古代森林エリア:都市ローレル】


街だったころの形跡がところどころに存在する森林に今、【蛇龍ハアラシ】とプレイヤー総勢約30名との戦闘が始まった。


とぐろを巻いてプレイヤーたちの様子をうかがう緑と黒の鱗をまとう巨大な龍【ハアラシ】。

その左右の茂みに均等に分かれて展開したプレイヤーが、6人一組のPTとなって急接近した。


先頭を盾役、その後ろに5人のアタッカーが連なり、前に出た盾役の左右から飛び出て攻撃をしていった。

そしてトウジとカデンがいるPTも同じように仕掛けた。


「危険と判断したらすぐに俺の後ろに戻ってこいよ!」


トウジは自身の身長ほどの巨大な盾を前に構え、叫んだ。


「その時は頼むぜ!!」


カデンは返事をすると、【身体強化:アタック】を発動し、【ハアラシ】の体の前まで行くと、手に持つ二本の片手剣を駆使して連続攻撃を仕掛けた。


「はあああぁぁぁぁ!!ブリッツバースト!!」


いきなりの大技だった。

右、左の順にクロスするように切り、回転して右の剣で横に一閃。

続けて左手の剣を逆手に持つとまっすぐに地面に平行の状態で突き刺し、順手に持ち替えて切り上げるように剣を振った。


一連の動きを終えたカデンだが、そのまま休むことなく攻撃を続けた。

振り下ろし、横に一閃し、突き、また振り下ろす。

さまざまな角度から何度も切りつけていった。

だが、それは意味のないことだった。


「おいおいおい・・・・・・うそだろ?」


カデンは【ハアラシ】のHPを見て絶句した。


【蛇龍ハアラシ HP1300000/1300000】


攻撃をし始めてから10分、様々な方向からプレイヤーが休むことなく攻撃したが、【ハアラシ】のHPは全く減っていなかった。


「おい!どういうことだ!?攻撃が通らねぇ!」

「それでも手を休めるなよ!とにかく、なんとしてもダメージを与えるんだ!」


周りからはそんな会話が聞こえた。


いくら攻撃をしても全く通じない。

片手剣も、ハンマーも、槍も、弓も、両手剣も。

全ての武器の攻撃がダメージを与えれていない。


このままではただこちらが疲弊するだけだ!


そう判断したカデンは、すぐにギンヨウにチャットコールをした。


『どうしたのでござるか?』

「ギンヨウさん!偵察の時どうやって攻撃を与えたんだ!?ずっと攻撃をしてるんだが全く通用しない!」

『・・・・・拙者もわからぬ。』

「な・・・・・じゃ、じゃあどうするんです・・・・・か・・・・・」


カデンは【ハアラシ】を見上げながら会話をしていると、その鋭い目と目が合った。


その目はまずはどいつから食べようか。

どれが一番うまいだろう。


そんなものがこめられているようにカデンは感じた。

そして、【ハアラシ】は狙いをカデンに定めたのか、ゆっくりと動き出した。


とぐろを巻いていた体をほどき、建物の跡をすりつぶし、生える木々をなぎ倒しながら。

立ちはだかるプレイヤーは噛み殺し、体の攻撃するプレイヤーはすりつぶした。

そして最終的に『旋風団』とその他の参加者数名を長い体で円をつくるように動き、その中に閉じ込めた。


「くそ!囲まれた。気をつけろ!どこから攻撃してくるかわからんぞ!!」


カデンはそういうと、近くにいたプレイヤーたちとともに円の中心部分に固まって防御態勢をとった。

だが一部のプレイヤーは臆することなく、【ハアラシ】に攻撃を仕掛けていた。


「この程度のことでひるんでたまるかよ!行くぞ!」

「おうよ!!!」


そういう男は他ギルドからの参加者のようで、同じギルトの仲間と共に突っ込んでいった。


「おりゃあああぁぁぁぁぁ!!」

「ホーリースラッシュ!!」


臆することなく突っ込んでいったプレイヤーたちは、なんとわずかではあるがダメージを与えていた。

それを見たカデンはまさかと思い、近くにいた弓使いの女性プレイヤーに話しかけた。


「おい。その弓であいつを攻撃してくれないか?」


そのプレイヤーは目を丸くして驚きながらも、コクンとうなずいて矢を引いた。


「ストライクアロー!!!」


青い輝きを放ち始めたその矢は女性の手を離れ、まっすぐと、勢いを増しながら【ハアラシ】に飛んでいった。

そして、尾に近い場所に深々と突き刺さった。


キシャァァァァァァァ!!!


悲鳴のような声を上げ、徐々にスピードを落とし、静止した。

そしてHPはというと、確実に、少しづづ減っていた。


「うそ・・・・・攻撃が通った・・・・・?でもなんで?」


カデンは眉間にしわを寄せ、矢を射った女性はその光景に驚き、口を開けたままぽかんとしてた。


どうして攻撃が通ったかわからない。

もしかしたらたまたまかもしれない。


祈る気持ちでカデンはもう一度弓使いの女性に話しかけた。


「なぁあんた。もう一度射ってくれないか?」

「いいけど・・・・・狙いは?」

「どこでもいい!早く!」

「は、はい!!」


そういわれ、女性はもう一度攻撃スキル「ストライクアロー」を放った。


キイイィィィィィン


甲高い音を立てまっすぐ飛んで行った矢は、胴体の中央に近い部分に刺さり、さらにHPを削った。


「どういうことだ・・・・・・さっきは通らなかったのに今回とその前、そして剣もダメージを与えた。・・・・・・・待てよ・・・・・・そうか!みんな!奴がとぐろを巻いていない時を狙え!!恐らくあいつがとぐろを巻いている間はダメージを与えれないが、動いてる間はダメージを与えれるはずだ!!」


カデンは叫び、【身体強化:アタック・スピード】を発動、二本の剣を引き抜き、だれよりも速く駆け、その場で首を持ち上げてプレイヤーを見下ろしている【ハアラシ】に向かって高く跳び、落下する勢いをつけて剣を振り下ろした。


「はぁぁぁあああ!!!」


その攻撃は胴体の腹の部分を縦に線を描くように切りつけた。

そして再びあのスキルを使用した。


「ブリッツバースト!!!」


交差するように切り、突き刺し、切り上げる。


二度目の大技は確実にHPを奪い、その場にいたプレイヤーに希望を与えた。


この調子で攻撃すれば勝てる!!!


そう思ったプレイヤーたちは武器を構え、走っていった。

そして胴体をひたすら攻撃し、どんどんHPを削っていった。


カデンも、アキレアも、トウジも、そして【ハアラシ】を挟んで向かい側から『タイラント』のメンバーと遊撃隊のゼラ、アオイ、ヒナツが攻撃をしていた。

休むことなく放たれる攻撃スキルを受け、【ハアラシ】は動くことができなくなっていた。

何処かに逃げようとしてもハンマーで防がれ、食おうとしても矢で妨害される。

とぐろを巻こうとしても大技で防がれる。


【蛇龍ハアラシ HP 984792/1300000】


そして攻撃を始めてから約20分。


【ハアラシ】のHPはようやく100万を下回ったのだが、ここである問題が発生した。


「ハァ・・・・・ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・もう・・・・・無理・・・・・・」


強力なプレイヤーといっても中身は人間。

体力の限界が近づいていたのだ。

そしてそれはいままで堅硬な壁がぶつかっているようだったプレイヤーの攻撃に大きく影響を及ぼし、その壁はあっさりと崩壊した。


【ハアラシ】は体をそらし、口を大きく開いて、疲弊しているプレイヤーに食らいかかった。

ぐねぐねと体をひねらせ、戦場中を這いずり回りながら一人、また一人と食らい、確実に光の粒子に変えていった。


「くそおおぉぉぉぉぉ!!」

「絶対リベンジしてやるからな!!」


巨体が地面を這いずり回る音、それによって壊れるがれきの音、メキメキと木々の倒れる音、そしてプレイヤーの断末魔、その惨状を目の当たりにして戦意を喪失して逃走するプレイヤー。

ここは劇のような戦場から一転、悲惨な戦場と化した。

立ち込める土煙とプレイヤーから放たれた光の粒子、それが混じり、きらきらと輝く土煙の中、体をうねらせながら狩りの対象を見下ろすその眼は、怪しい光を放っていた。




ポーン・・・・ポーン・・・・


立ち込める土煙とその中に王者のように君臨する【ハアラシ】を前に唖然としていると、チャットコールが鳴った。

相手はラク。


・・・・・・どうして今かけてくるのだろう・・・・


カデンはそっと通話ボタンを押した。


さて『VS蛇龍ハアラシ』が始まりました!

さっそく苦戦しているカデン達はどうやって勝つのか!?

それではまた次回!

ブックマーク、最新話下部から評価、レビューをお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ