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episode3

第二の街に着いたラクはアデンの自宅にやってきていた。

中は東の森林にあった小屋の中と同じように、床や卓上に古い本や出土品のようなものが無造作に置かれており、窓も締め切っているので若干埃っぽかった。


「散らかってって悪いな。っとこれが前回の礼だ。」

「ありがとうございます。」


受け取った袋の中身を見てみると、回復ポーションや鉄の指輪など序盤で役に立ちそうなものが入っていた。

その中身を一通り確認にしたラクはそれをインベントリにしまい、手招きしているアデンの元に歩いて行った。


「なんですか?」

「いっただろ?俺の知ってる情報を教えるって。お、あったあった。」


棚に並んだ本の中からひときわ分厚く、自作感のあふれる茶色い表紙の本を取り出してラクに渡した。

本を受け取り、適当に開いてみると、あることに驚いた。


「・・・・・読める。・・・・・なんで・・・・」

「そりゃそうだ。あれは古代文字で書かれていたからな。」


今までこの世界の文字を呼んだことがなかったので気が付かなかったが、どうやらこっちで今使われている文字は普通に読むことができるようだ。

読めないのはアデンの言った古代文字というもので書かれた書物で、それは翻訳すれば読めるようになるようだった。


ラクはその本を机に置き、一ページ一ページをゆっくりと見て行った。

これまで発見した遺跡のこと、そこにいたMOBのスケッチ、中にあったもの、伝承、場所などなど様々なことが書かれている中に、ラクの興味を引くものがあった。


 陽の沈まる方向にある大いなる森・・・・・とする者には番人が・・・・・・

 ・・・・に遺物納めしとき、・・・・・なる龍が現れる。


陽の沈まる方向、つまり西。

西にある大いなる森、そこにあると思われる遺跡、これが冒険をしようとして今まであまりできていなかったラクの冒険心をくすぐった。


「アデンさんはこの西の大いなる遺跡って場所にはもう行かれたのですか?」

「ん?いいやまだだ。奥に進んでも進んでも普通の森で大いなる森って言えそうな場所は見つからなかったんだ。」

「そうなんですか。」


ああ、悪いが少し待ってくれ。もしかしたらあのかけらと本にも何か書かれているかもしれない。それが調べ終わるまでは少し時間がかかるからその本を読んでいてくれ。」


「わかりました。」


ラクは、アデンが用意してくれた木の椅子に座り、本の読み始めた。



 大いなる森にすむ眷属は蛇のごとし

 大海にすむ王は太古に滅びし巨獣のごとし

 遥かなる高みに住む皇は冷酷なる天上人のごとし

 枯れ果てた大地にたたずむ城は絶対なる守護者のごとし



 黒に染まりし騎士は守護者の前にたたずみ・・・・・・・をまつ。

 守護するものは人にあらず。

 街にあらず。

 ・・・・・・にあり。



 騎士の・・・・・矛は守護者に・・・・・・・

 大海向く・・・・は巨獣をしと・・・・・・・

 天にありし・・・・は皇と・・・・・

 蛇は・・・・・守りしもの



 鍵正しき場所に差し込みし時、すべてが始まる



それぞれが何かを示している文章はそれ以降も続き、すべてを読んだ時には一時間がたっていた。

そしてアデンの本の翻訳も終わったようで、本と数枚の紙をもってラクのもとにやってきた。


「待たせたな。翻訳終わったぞ。これがその本の内容だ。」


その紙を受け取ったラクは、一通り内容を確認してみた。



  あんな巨大な龍は見たことがない!

 全然攻撃が通用してる手ごたえもない。

 咆哮は地面を揺らし、龍を呼ぶ。

 皮膚は硬くて通常の武器を通さない。

 口から放たれるブレスは一瞬で草原を焼け野原に変えてしまった。

 

我々はその龍を諦め、その手前にあるわれらの城に逃げ込んだ。

 そのあと最後の望みとして作成した対龍武器は使うこと叶わずに撤退を余儀なくされた。


 そこに一人、殿しんがりとして残った白装の聖騎士がいたが無事だろうか。

 無事なら戻ってきてほしい。

 戻ってこれなくても生きていてほしい。

 生きていればまたいつか会えるかもしれないから・・・・・・

 

 私は西にある自分の城に戻った。

 私は再びあの龍のもとに向かうが、後世のために私の一番大切なものと財宝を城に保管しておく。


 これを読んだ者よ。

 ぜひ、私からの贈り物を取りに来てほしい。


 それが私の最後の願いだ。



文章はここで終わっていた。

どうやらこれは古代の人間の日記、または伝奇のようなものだと思う。

龍への恐怖、友への思い、後世の人間への遺言。

それが書かれた本だった。



「なかなか興味深い内容だろう。」


見終わったラクが紙を膝の上に置くと、アデンが話しかけてきた。


「そうですね。特に後に書かれている西にあるこの人の城っていうあたりが・・・・・」

「だよな!ラクさんはわかってる!!!」


アデンはラクの肩を強くつかみ、いきなり熱弁し始めた。


「こういう文章はワクワクするよな!どんなものがあるんだろう!どこにあるんだろう!限りある残された手がかりを頼りに探し出し、見つけたときの胸の高まりと言ったら・・・・・」


一体アデンさんは私のことを何だと思ってるんだろうか。

私はこの城がどんなものなのか見てみたいっていう意味で言ったんだけど・・・・・


どうやらラクの考えとアデンの考えは微妙にかみ合っていないらしくかった。


「・・・・・・は!いかんいかん。熱弁しすぐてしまったようだ。はっはっはっはっは!」


なんだか機嫌がいいアデンア豪快に笑ってごまかしていた。


「そんなことよりもだ。ラクさんはこれからどうするんだ?」

「へ?私ですか?」

「ああ。もし暇ならまた俺の依頼を受けてほしいんだが・・・・・」


時刻は5時。


今日は夕ご飯の当番ではないので7時ごろまではプレイすることができる。


しかし特にやることのないラクはこのあと戻って『再炎』について調べるのを再開しようと思っていた。

だがそこに冒険のしがいのありそうな情報が流れ込んできたのだ。


これは行かずにはいられない!


そう考えていた。


「えっと、一応先に内容の確認をしてもいいですか?」

「おっと、そうだったな。今回の依頼内容だが、西のどこかにあるこの城を見つけて来てほしいんだ。どうだろうか。」


内容としてはこれからのラクの予定と一致しているので何の問題もなかった。

しかし問題は情報量だ。

いくら城といっても西の森林はかなりの面積があると思う。

それこそ東のものの数倍。

しかも西のものは奥に入っていくにつれてMOBも変わって強力な固体になっていくと以前アキレアから聞いた。

そんな奥にある城、むやみやたらに探すのは危険だ。


けど探したい。

見つけたい、見てみたい。


ラクの頭の中は次第にそういう感情で埋まっていった。


「わかりました。見つかる保証はないですができる限り探してみるという条件であればその依頼、お受けします。」

「それでいい。あまり無茶されても申し訳ないからな。できる限りで構わないから探してきてくれ。」


  【クエスト情報】

     クエスト:西の城を見つけ出せ!を受注しました。

       目的:西の森林のどこかにある古城を見つけ出し、アデンに報告する。


新たにクエスト情報の書かれたウィンドウが目の前に表示された。

アデンと握手をし、ラクは家を後にした。


 さて、だれか暇な人は・・・・・いないよね。

アキレア達はカデンと同じ『旋風団』のメンバーだから最前線のダンジョンにいるだろうし、セロシアも店があるし・・・・


知り合いはみんなそれぞれの用事があり、暇そうな人はいなかった。


「・・・・・・とりあえずいったんログアウトして水飲んでこようかな。」


いままでは見たことなかったので気が付かなかったが、現実の体に関係すること、例えば水分補給が必要とか、お手洗い関係とかは右下に警告されるようになっているようだった。

そしていまは水分補給が必要ということで赤い文字で表示されている。


ラクは一度ログアウトし、水分補給をしてからどうするか考えることにした。


今回は謎の文章がいっぱいありましたね。

ですがここではあえて触れないでおきましょう。

その方が続きが気になるかと思いますので!

それではまた次回!!

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