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episode2

 「やあああああ!!」


ラクがエリアボス、古石板の岩巨人のもとに行き、『再炎』について調べ始めてかれこれ1時間が立とうとした。


東の森林で【ハンターウルフ】【ハンターフェンリル】とダリアと一緒に戦ったおかげで、そこそこ感覚を掴み、武器も両手剣も強くなったので、死ぬことはなかった。

かといって余裕で周回できる。

というわけでもなく、接戦をし、回復ポーションがなくなったら休憩もかねて作成するということを繰り返していた。

消費される回復ポーションとひたすら増えていく岩巨人のドロップアイテム。


岩巨人のアイテムは非常に硬いため単体では意味をなさず、スキル『研磨』を使わないとアイテムを作ることができない。

なので今のラクにとってははっきり言ってゴミだった。


「また貯まったの?もう、すぐ貯まるんだから・・・・・」


ラクはインベントリから岩巨人のドロップアイテムで何の使い道もない【古石板のかけら】を出しては一か所に積んでいった。

具体的な数はわからないが、そのかけらやちょっとした山になっていた。


「さて、出し終わったし再開しますか。」


ラクはそういって振り返ると、リスポンしたばかりの巨人に向かって走っていき、両手剣を抜刀した。


「はあああぁぁ!!」


【身体強化】を発動し、スピードとアタックを強化したラクは、岩巨人の前まで行くとそこから高く跳んだ。

巨人の頭上まで跳んだラクはそこから剣を振り下ろしながら落下した。

落下する勢いを追加したその斬撃は、巨人の左腕を肩からを切断し、轟音を立てて左腕と共に着地した。

休むことなくラクは駆け出し、今度は壁を地面から低い位置で走って、そこから跳んで右足の太もものあたりを横に切りつけた。


ガアアアアン


右足を切断された巨人は轟音とともにその場に崩れ落ち、仰向けぼ状態から起き上がれなくなっていた。

足を切断したラクは着地に失敗し、地面を数回転がって壁に背中をぶつけた。。


「いったぁ~。着地に失敗するとは思わなかった・・・・・」


じわじわと痛みが走る腰のあたりをさすりながら立ち上がったラクは、自分の左手に両手剣がないことに気が付いた。


「あれ?剣はどこ?」


あたりを見回しても舞い上がる土煙せいで数メートル先が見えず、ラクはいったんあきらめた。


「仕方ないか・・・・・シフト。」


すると右手に使い慣れた短剣が現れた。

かなり頻繁に使っているので威力や耐久といったもろもろに心配はあるが、いまはあの巨人をどうにかしてたおすことを優先した。

今は幸い巨人は仰向けに寝っ転がっている。

いまなら短剣でも落下する勢いをつければ首元なら刃は通る。

それで勝ちだ。

そう判断したラクは助走をつけて壁を走ると、巨人の頭がある場所に最も近い壁を蹴って頭上に跳んだ。

そして剣を両手で持って下に向けるとそのまま首元めがけて落ちていった。


ガキイイン・・・・(パキイイィィン)


「ん?」

剣は深く、巨人の首に刺さった。

しかしなんだか嫌な音もついでに聞こえたので短剣を引き抜いてみた。

すると、もともと耐久が心もとなくなっていた短剣は、岩に突き刺さるときの衝撃で根元で折れ、刃は首に突き刺さったままとなった。


「あー・・折れちゃった・・・・・」


巨人は光の粒子になって消え、折れた県の刃先は地面に突き刺さったのち、手元にある根の部分ととも光の粒子を放ち、手の中から消えてしまった。


「・・・・・・どうしよう・・・まさか壊れるなんて思ってなかったし、二本目なんて持ってないし・・・」


そういいながらインベントリ内をさーっと見ていると、武器スロットにセット中と表示されている【バスター・ヒリカム】が目に入った。


「・・ということは新しい短剣を買うまで両手剣で戦うしかないの・・・・」


正直言って両手剣はまだ使い慣れていない。


【古石板の岩巨人】【伝承に伝わるかつての聖騎士】。


これまで両手剣を使用した戦いは主にこの二体しかない。

どう立ち回ればいいのかもわからないし攻撃スキルもまだ解放されていない。


・・・まあ見方を変えれば両手剣を使い慣れるいい機会ってことになるか・・・・・


ラクは装備画面の武器スロットBにある両手剣をAに移し、背中に両手剣を担いだ。


「はぁ・・・・『再炎』はわからいし短剣は壊れるし・・・・なんか私運が悪いなぁ・・・・」

そういいつつもラクはしっかりレアドロップアイテムを三つほど手に入れていた。


「なんか変なところで運使ってるような気がする・・・・・」


インベントリを閉じ、軽く体を動かしてから一度街に戻ることにした。


「ぅぉぉぉぉおおおおおおお!!」


突然迫ってくる男性の声に驚いたラクはその声が聞こえた方向を振り返った。

すろとそこには、大きなリュックを背負ったガタイのいいおっさんと、その後ろに大量の【グリーンオーガ】と【グリーンゴブリン】がおっさんを追いかけており、その一行は徐々にラクのほうに向かってきていた。


「おおおおおおお!!ハァ・・・おお!そこの・・・ハァ・・・・お嬢さん!!ちょっと・・・助けてくれえええええ!!!」

「はぁ!?え?ちょっと!!」


ラクは慌ててその一行から逃げるように走り出したが、おっさんが根性でラクの横まで走って追いついてきていた。


「おお!誰かと思えば・・・・ハァ・・・・・ラクさんじゃぁ・・・・・ないか!!」

「え!?ア、アデンさん!?どうしてここに!?」

「ちょっと調べごとをな!それより後ろのなんとかしてくれないか!?」

「無理です!あんなにたくさん一度に相手したことありませんよー!」

「ならどうする!」

「全力で逃げましょう!」

「了解!!」


そういうと二人は全速力で森中を走り、後ろの団体をまいたのはそれから10分後のことだった。



オーガ達をまいた二人は走るのに夢中で気が付かなかったが、元の場所に戻ってきていた。


「ハァ・・・・ハァ・・・・ハァ・・・・・どうやら振り切れたようだな・・・・・」

「ハァ・・・・ハァ・・・・・そ、そのよう・・・・ですね。」


すっかり体力を使い切ってしまったのか、アデンはリュックを下して地面に寝そべっていた。

その間ラクは、まだ残っていた捨てたかけらの山に、さらにさっき手に入れたいらないかけらを積んでいった。

それを見たアデンは勢いよく立ち上がると、ラクのもとにヨロヨロとしながら歩いて行くと、かけらの山を指で指した。


「なぁラクさん!それ・・・・・おれにくれないか?」

「この・・・・かけらですか?」

「ああ。俺はこれがほしかったんだ。これには古代の遺跡の場所が断片的ではあるが書かれている(はず)。そして俺はその遺跡に行きたいんだ。頼む!」


アデンは手を合わせ、頭を下げてラクに頼み込んだ。

特にラクは必要ないモノなので上げてもいいと思ったが、ふとアデンが口にした言葉が気になった。


「あの・・・・・アデンさんってこの文字読めるんですか?」


かけらを一つ手に取って文字を指さして言った。


「ん?ああ、そういう研究をしているからな。」


もしかして・・・・・


「えっと、これはすべてアデンさんに差し上げます。」

「おお!!そうか!ありがとう!」

「その代り一つお願いを聞いてもらってもいいですか?」

「ん?なんだ?」


ラクはインベントリからあの本を取り出し、それをアデンの前で開いた。


「この本になんて書いてあるか教えてくれないでしょうか?」


この世界のNPCであるアデンさんなら読めるかもしれない。

そう思ったラクは一か八かでアデンに頼んでみたのだった。

そしてアデンの回答は・・・・・


「そ、それは・・・・・まさか・・・・」


プルプルと手を震わせてその本を持つと、パラパラとページをめくって内容を確認した。


「間違いない!私がずっと探していた本だ!」


なんという偶然だろう。

まさかこんなところでお目に掛かれるなんて・・・・・


そうぶつぶつとつぶやきながらアデンはページをパラパラとめくっていた。


「あの・・アデンさん。」

「は!!すまんすまん。それで、この本を翻訳してほしいのか?」

「はい。私はこの文字が読めないのでお願いできないでしょうか。」

「それは構わないが・・・・・これだと私が一方的に有利な取引になってしまうが・・・・・いいのか?」


アデンはそのことが納得いかないようで、どうやら対等な取引がしたいようだった。

そして続けて言った。


「ならこういうのはどうだ?私が持っているこの本に関係する情報をすべて教えよう。遺跡、伝承についてすべてだ。どうだ?」

「まぁ・・・・・アデンさんがそうしたいのであれば・・・・私は構いませんよ。」

「よし!決まりだ。またしばらくよろしくな。」


アデンは右手を出し、握手を求めてきた。


「はい。またよろしくお願いします。」

「それで、これからのことなんだが・・・・・前の依頼の報酬も渡したいから一緒に東の街まで来てくれないか?」


東の街、つまり第二の街までの護衛。

それが実質クエストの第一段階のようなものだった。

しかしクエストの通知が来ないということは、そうシステムにプログラムされていないのだろう。

ようするにただの趣味程度の付き合いといった感じなのだろう。

それが『再炎』の特定に行き詰っていたラクにとっては、今後特に剣を買いに行くぐらいしかやることがなかったので、やることができてよかったと心のどこかでそう思っていた。


「わかりました。では行きましょうか。」

「おう!あ、その前にこれを・・・・・」


アデンは一体どうしてそんなに入るのかっというほどの岩巨人のかけらを背負っていたリュックに詰め込んでいった。

というか山になっていたかけらを全部入れてしまった。


「よっこいしょっと。さすがに重いな。」


あれだけ入れればさすがに重いに決まっている。


ラクはそう思いつつも、ゆっくり歩いて行こうっと思ったのだった。


まさかの第二章で登場したアデンが再登場!

皆さんは予想できましたか?

さて、本に書かれている内容とは?アデンの知っている情報とは?

また謎が増えそうな予感がしますね。

それではまた次回!!

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