episode7 「これから」
ラクとダリアはアデンの小屋に向かう途中、様々な話をした。
好きなもののこと、お互いの服装のこと・・・・・
そして今はダリアのフードの話になった。
「ところでダリアさん。」
「はい。なんでしょうか?」
「どうしてフードをとらないんですか?私一度ダリアさんの素顔見てみたいです。」
「それは・・・・・・」
ダリア少し困惑しているように見えた。
なにか見られては困るものがあるのか。
それともただ恥ずかしいだけなのか・・・・
理由はわからないがラクは強引に見ようとせず、そこで引き下がった。
「見せたくなのでしたら無理にみせてくれなくてもかまいませんよ。ただきれいだろうなぁってだけですので。」
「ありがとうございます。しかし本来は顔をしっかりとお見せするべきなのですが、そうできない事情がありまして・・・・」
「わかりました。ではこの話はおしまいということで。」
「はい・・・・」
そこでフードの話を終わらせたラクは、沈黙を許すことなく次の話題に移った。
「ところでダリアさんは弓がお得意なのですか?」
「はい!目はかなりいいので遠くから正確に打つことができますよ。」
「それはすごいですね。私なんて全然弓を使えなくて。」
「けどこのような森ですとなかなか活かすことができないので短剣を使っているんですよ。あの時はとっさに出ませんでしたがほら、ここに。」
ダリアはローブをまくり、腰についている短剣を引き抜いてラクに見せた。
その短剣は弓に似た装飾がされており、刀身は30センチほどの直剣だった。
「きれいな短剣ですね。私の持っているものとは全然違いますね。」
そういうと、ラクも短剣を引き抜き、ダリアに見せた。
「見た目で判断してはいけませんよ。大切なのは使い手との相性です。ラクさんの短剣はとても相性のいいものですね。なんというか短剣が喜んでいるような、そんな感じがします。」
そっとダリアはラクの短剣に手を当て、刀身をなでながらそういった。
「ありがとうございます。あ、見えてきましたよ。行きましょう。」
そんなことを話しているうちに、二人はアデンの小屋のすぐそこまで来ていた。
そして、小屋が見えるようになると、ラクはダリアの腕を引いて小屋に走っていった。
「ただいま戻りましたー。」
ラクは扉を開け、アデンがどこにいるか確かめた。
しかし小屋の中にアデンはいなかった。
「あれ?いない。どこに行ったんだろう。」
「おう、お帰り。すっかり仲良くなったみたいだな。」
なぜか後ろに立っていたアデンの声にダリアはびくっと体を動かしてラクにしがみついた。
「ひっ。」
「っと。アデンさん、驚かさないでくださいよ。」
ラクは首を動かしてダリアの後ろにいるアデンをじーっと見つめた。
「わっはっは。すまんすまん。一度やってみたかったんだ。」
「もう・・・・。それよりその手に持っている袋は何ですか?」
ラクはアデンが左手に持っている大きな麻袋が気になった。
そこまでの量は入っていなさそうではあるが、そこそこの量が入っていそうな袋の中身が何なのか。
「ああ、これか。ちょっと近くまで材料調達にな。驚かせてしまったお詫びに一つ、料理をふるまおう。ささ、はいったはいった。」
アデンは二人の背中を押し、小屋の中に入っていった。
部屋の中に押された二人は、アデンがキッチンで麻袋から何かを出しているのが気になり、そっと横から覗き込んだ。
すると台の上には、タケノコに似たものやピーマンに似た野菜、それと何かの肉があった。
アデンはその肉を細切りにしてぼうるのなかにいれると、他の調味料と混ぜ、熱した鍋にいれて色が付くまで炒めた。
そしてその後、タケノコに似たものを入れ、最後にピーマンに似た野菜を入れて炒めると、完全にチンジャオロースそっくりな料理が完成した。
それを皿に盛りつけ、アデンはあらかじめソファの前に出しておいたテーブルの上に置いた。
「さぁ食べよう。自信作だ。」
アデンは橋を机に置くと、ソファに座って三人分よそってそれぞれの前に置いた。
「では、いただきます。」
「いただきます。」
一口。
しばらく間で味を楽しんだ後、ごくりと飲み込んだ。
「おいしい。アデンさん。これおいしいです。」
「そうか!それはよかった!どんどん食べてくれ。」
アデンはとてもうれしそうな顔をしていた。
それでこの料理の感想はというと、完全に見た目を裏切らない、完璧なチンジャオロースでした。
それもラク、現実での宿梨の母親が作るものの味がそっくり。
それを食べたラクは、なんだか急にこの世界から現実世界に連れ戻されるような感じがした。
そしてダリアはどういう感想なのか気になって横を見ると・・・・
フードで良く見えなかったが、ちらっと表情が見えたとき、とてもおいしそうに食べていた。
どうやらこの料理が気に入ったようだ。
それから20分。
この料理を食べながら三人はたびたび話をして楽しく過ごした。
「ふう。食べた食べたぁ。」
「「ごちそうさまでした。」」
「二人ともとてもおいしそうに食べてくれたからうれしいよ。さて、ここからはまじめな話でもしようか。」
「そうですね。でもその前に。ダリアさん。」
「はい。えっとアデン様。このたびはありがとうございました。私はダリアと申します。以後お見知りおきを。」
「そのことは気にしなくていい。もう知っているみたいだがアデンだ。この先の街で考古学者をしている。よろしくな。」
お礼とお互いの自己紹介が終わった二人はラクに目線で合図をした。
「ではこれからのことを話しましょう。まずは森林で起きていることについてですが、これは【ハンターウルフ】が原因と考えて間違いないと思います。」
「同意見だ。ダリアさんは?」
「わたしもラク様と同じ意見です。なによりあれを連れてきてしまったのは私なので・・・・申し訳ないと思っております。」
「?ダリアさん。それはどういうことですか?」
突然うち明かされた真実に、ラクは動揺し、ダリアに聞いてみた。
「あの【ハンターウルフ】の群れをここまで連れてきてしまったのは私です。私は南の奥から北に向かう途中、あの群れに襲われてしまったのです。私一人では勝てるはずもなく、そのまま振り切ることもできずにこの森林まで気逃げてきてしまったのです。そのうえ弓もなくしてしまい、途方に暮れていた時にラク様を湖で見つけました。それからはご存知かと思います。」
「・・・・・・・なるほど。原因はわかりました。それで、ダリアさんはどうしたいですか?」
「なぜそれを私に?」
「私の考えはすでにまとまっているのであとはアデンさんとダリアさんの意見を踏まえたうえで提案しようかと。」
「私は・・・・あの群れを倒したいです。責任というのもありますが、恩返しの一つとしてラク様とアデン様のお役に立ちたいのです。」
「わかりました。アデンさんはどうですか?」
「俺はバリケードさえどかしてくれればいいから自由にやってくれて構わない。けど、おれはサポートとして参加させてほしいとおもっている。」
二人の意見を聞きラクは少しの間、二人の意見と自分自身の意見を合わせてどうするかを考えた。
そしてまとめた結果は・・・
「ではこうするのはどうでしょうか?目標は【ハンターウルフ】の群れの討伐。それが完了すればそれぞれの目標が達成できます。役割は私とダリアさんが戦闘、アデンさんはここでサポートをお願いします。」
「ちょっとまった。俺も戦闘に参加する。信用してないわけではないんだが俺だけここで待つのはなんだか申し訳ない。」
「失礼なのは承知でお聞きしますがアデンさんは戦闘できますか?」
「無理だ。」
「ならここで戻ってくる私たちのサポートをしてくださった方が活躍できると思いますがどうでしょうか?」
「・・・・なら仕方がないな。わかった。サポートは任せろ。その代わり戦闘は任せたぞ。」
「ダリアさんはどうでしょうか?」
「私はそれで構いません。皆様。よろしくお願いします。」
【クエスト情報】
クエスト更新:ハンターウルフの群れを討伐せよ
【ラクの活動記録】
今回、これからの目標が決まった。ハンターウルフに勝つためにいろいろ準備が必要そうだから急いで準備しないと・・・・・
それにしてもまさかチンジャオロースを再現するなんて・・・・両親はいったい何種類の料理を登録しているのか・・・・・
今回、森林の問題の原因が判明しましたね。
ここから折り返し地点!
それではまた次回!




