episode5 東:森林エリア4
なぜか木の陰から見ていた金髪の女性を背負い、ラクはバリケード前のアデンの小屋に来ていた。
「すみませーん。アデンさんいますかー。」
扉をコンコンっとノックすると、しばらくしてガタイのいい男性、アデンが小屋から出てきた。
「だれだい?ってラクさんじゃないか。森林の問題は解決しそうか?あとその背中のお嬢さんは?」
「こんにちは。森林のことで少しわかったので報告と、あとこの人をどこかに寝かせたいんですけどよろしいでしょうか?」
「ああ、構わんよ。とりあえずあっちのベッドにでも寝かせるといい。」
「ありがとうございます。ではお邪魔します。」
小屋の中は、ワンルームでベッド、キッチン、ソファ、テーブルといったものしか置かれておらず、シンプルな内装になっていた。
しかし、机の上や床に、古そうな本や資料、古い石板などが無造作に置かれており、正直少し埃っぽかった。
「見ての通り少し散らかっているがゆっくりしていってくれ。」
金髪の女性を部屋の奥にあるベッドに寝かせたあと、二人は向かい合うようにソファに座った。
「それで、森の中はどんな状態だった?」
「ある知り合いの情報と、森の中を見た結果からの考察ですけど・・・原因は【ハンターウルフ】だと思います。」
ラクは【ハンターウルフ】に襲われたことをアデンに話した。
それを聞いたアデンは眉間にしわを寄せて少し考えた。
「・・・・・確かにこの森に【ハンターウルフ】がいるのは妙だな。あれは南の森の奥に住んでいるはずなんだが・・・・・どうしてここに・・・・」
「南?あれは東の森林に生息しているのではないですか?」
「いや、本来は南にいるものだ。初めて確認されたのは俺が南の森林の奥に行ったときに巨大な群れを発見した時だ。その中には何匹もの【ハンターウルフ】が【ハンターフェンリル】に付き従う姿を確認した。」
「なるほど・・・・・でもなんで東に・・・・・」
「あくまでこれは俺の予想だが、仮説は二つある。一つは群れを追われたから。もう一つは何かを追ってきた。このどちらかだろう。」
「どちらにしろ【ハンターフェンリル】と【ハンターウルフ】をなんとかしないとバリケードの問題は解決しそうにありませんね。」
「そうなんだよなぁ。どうやってあの群れを倒すのか・・・・それが現状の課題だな。」
「・・・・・しかしそれ以上のことはわかりそうにありませんね。」
「そうだな。さて、この話はいったん終わろう。」
「そうですね。・・・・そうだ。この近くに湖ってありますか?」
「湖?それならこの小屋から少し奥に行ったところに一つあるが・・・・何するんだ?」
「知り合いに【ビーズフィッシュ」をとってきてほしいといわれたので取りに行こうかと。」
「なるほどな。ならよく釣れるポイントを教えよう。せっかく釣りをやるならたくさん釣れた方が楽しいだろ?」
そうしてそのポイントを教えてもらったラクは、小屋を出て湖に向かって歩き出した。
小屋を出て5分ほどでその湖についた。
大きさはバリケードの向こうにあったものと比べると一回り小さいぐらいだった。
上から見るとひょうたんのような形の湖で、静かでゆっくりとできるセーフティゾーンになっていた。
「えっと、たしかこのあたりが良く釣れるって言ってた場所よね。」
ひょうたんの底のあたりの場所が良く釣れると教えられたラクはその場所に座ると、竿を三本取り出して、【レッドベリー】を付けて投げ入れた。
「さて、あとはかかるまで待つだけだけど・・・・手持ちのアイテムでなにか役に立ちそうなもの作れないかなぁ。」
インベントリの中には、西で拾った様々なアイテムが入っていた。
MOBのドロップアイテムから木の実、ツタ、キノコまで捨てず、売らずにとっておいたアイテムがたくさんあった。
ラクはその中から、手に持てるほどの大きさの短い丸太と加工ナイフを取り出すと、少しづつ削り始めた。
まず表面の樹皮をきれいに削り取り、ざっくりとした形に丸太の上部を削っていった。
今の状態では何を作っているかはわからない。
途中、針に魚がかかった竿をひいては魚をインベントリにしまい、また木の実を付けて投げ入れるという一連の動きを何度も繰り返した。
しかし釣れる魚は【ビーズフィッシュ】ではなく、【アカウオ】という別のものでなかなか必要数に到達しなかった。
そしてついに29個あった【レッドベリー】がなくなった。
「どうしよう・・・・近くに落ちてないし・・・・」
あたりを見回すも、【レッドベリー】は落ちておらず、釣りを再開することはできなかった。
「・・・・・濡れることになるけど・・・・・・潜ってみる・・・か。」
そういうとラクは少し太くて長い丈夫そうな木の枝と突進牛の骨(小)、ツタを取り出した。
木の枝の余分な部分を切り落とし、先端に切れ込みを入れ、骨は半分にして先端をとがらせ、その骨と木の枝を割いて細くしたツタで固定した。
そして木のモリが完成した。
「なんとなくそれっぽい形にはなったけど・・・・・これで取れるのかどうか・・・まあいいか。」
ラクは装備画面から余分な装備を外して動きやすい格好になると、湖に飛び込んだ。
湖の中は澄んでおり、水面からでも湖底を見ることができた。
そして魚はというと・・・・・・ものすごいたくさんいた。
赤い派手なものから茶色い地味なものまで、大きさも様々な魚が縦横無尽に泳いでいた。
ラクは身体強化をかけて一気に潜ると、【ビーズフィッシュ】を探して湖底に沿って泳いでいった。
湖底には特に目新しいものは沈んでいなかった。
あるのは水草の生えた石やごつごつとした大きな岩だけだった。
岩と岩の間や岩の下など、入念に探していくと、ついに【ビーズフィッシュ】を発見した。
ラクと同じようにい湖底に沿って泳いでいる数匹の【ビーズフィッシュ】が目の前に現れた。
ラクはなるべく気づかれないようにゆっくりと近づくと、そのなかの一匹に狙いを定め、モリをついた。
モリは見事魚を貫いた。
しかし喜ぶことなく一気に水面に浮上した。
「ぷはっ。と、取れたぁ。」
一度岸に上がり、モリの先から魚を外すと、インベントリにしまった。
しかしかなり体力を消費し、すでにへとへとになっていた。
「狙いを定めて取れるのはいいけど結構疲れるなぁ。これならのんびり釣りをした方がいいかも。乾いたら木の実集めに行こうかな。」
それから体と服が乾くまで寝そべって空を見上げていた。
【ラクの活動記録】
意外と素潜りでも魚て取れるんだ。ゲームだからいろいろ簡単になってるかもしれないけど結構難しかったなぁ。結構疲れるのは慣れてないせいなのかなぁ。素潜りのスキルがあったらきわめて漁師プレイしている人いそうだなぁ。
【入手したもの】
ビーズフィッシュ×8(前回と合計)
アカウオ×6
最後に書かれたクエストとは・・・・・
それはまた後程・・・・・
さて、今回はいかがでしたでしょうか。
次々と現れる謎。
これからどうなるのか!?
それではまた次回!!
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