episode15
ハリュとクリュの二人との競争。
まっすぐとどこまでも続いているのではないかというほどのルートを突き進み、ラクはようやくゴールにたどり着いた。
「っ!! 」
まばゆい光がゴールを通った途端にラクの眼を襲い、ラクはゆっくりと歩きながら目がその光になれるのを待った。
やがて視界が、見えるもののルン核がはっきりと確認できるようになるまで回復すると、ラクはそこに広がる光景に思わず息をのんだ。
そこにあったのは巨大なドーム状の空間。
甲子園球場に匹敵するのではないかという巨大な空間。
しかし半円を描いている天井の岩は崩落し、そこからまばゆい陽の光が差し込んでいる。
そのおかげでこの空間は外にいるのではないかというほど明るく、どことなく幻想的な空間になっている。
崩落した天井のがれきは真下に落ちて山になっており、それらを覆い隠すように草花が茂り、2メートルほどの広葉樹が生えている。
「ここって……? 」
ラクがぽつりとつぶやくと、それに反応した元気な声が後ろから聞こえた。
「びっくりした? 」
「っ!!!?? 」
あまりに唐突だったので、ラクは肩をびくっと振るわせて勢いよく振り返った。
「やっほー。ようやく来たね」
「ようやく? 」
「うん。ようやく。僕の勝ちだよ」
どうやらラクはクリュよりも遅く到着したようだ。
しかしクリュはいるがハリュがどこにも見当たらない。
それらしき服もないし、声を聞こえない。
先にいったのだろうかな……
ラクはそんなことを考えながら、ハリュのことを聞いてみた。
「ねぇハリュちゃんはどこにいるの? 」
「ん~お姉ちゃん?それなら……」
クリュはそういいながら振り返ってある場所を指で示した。
それは【俊走迷宮】にある3本の道、その真ん中の通路だった。
「――もしかして……」
「そろそろ来るんじゃないかな……」
「まさか……」
想像してしまったラクの元を離れ、クリュは自身が示した場所の出口の前まで歩いて行った。
するとまるでタイミングを見計らったかのように、息を切らしてふらふらして通路から出てきたハリュが現れた。
きれいな黒髪は乱れ、服はなぜか泥まみれ。
呼吸は乱れ、いまにも倒れそうな状態だ。
ラクはハリュのほうを見ながら、クリュに話しかけた。
「なんであんなにハリュちゃんばててるの? 」
「そりゃ……お姉ちゃん体力全然ないから」
「そ、そう……。でもじゃあなんでお手柔らかにとか言ったんだろう……」
「お姉ちゃん結構負けず嫌いだから」
「へ、へぇ……」
あきれながらそういうクリュにあいまいな返事を返すと、ラクは肩を上下に揺さぶって呼吸を整えようとしているハリュの元へと歩いて行った。
「だ、大丈夫? 」
「はぁ……はぁ……へ?あ、ああラクさん……ちょ、ちょっとまって、ください……」
「う、うん」
「ふぅ……。それで、どうかしましたか? 」
「どうかしたっていうか……大丈夫? 」
「だ、大丈夫です!私まだまだ走れますから!! 」
「おねーちゃんもうやめた方がいいんじゃなーい? 」
「だめ!まだ走れる! 」
「でもいつも通りへとへとじゃん」
「今日はまだまだいけるもん!お姉ちゃんを甘く見ないで! 」
ラクを挟んでハリュとクリュがもめていると、あきれてこれ以上いうのをやめたクリュが歩み寄ってきた。
「ところでラクさんはどうする?もう一回やる? 」
「当然。一回で諦めるほど私はやわじゃないよ」
「そっか。そっか!でもボクも簡単には負けないからね! 」
「わ、私だって……」
「お姉ちゃんはここで休んでて」
ハリュの発言をさえぎったクリュは、素早くラクの手頸を掴み、自身が走ってきた通路へと向かった。
「あ、ちょっと!クリュ待ちなさい!! 」
そんな声が聞こえたが、クリュはラクとともに通路へと消えていった。
昨日は投稿できないですみませんでした。
原因としてはこのパートが納得のいくものに仕上がらず、修正をしたけど間に合わなかったからです。
それではまた次回!
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