第9話
思わず大声を出してしまい、肩で息をする。
「しかし、もう誓約も交わしてるが…。我が嫌いか?」
そんな悲しそうな顔しないで、トリドート様とは長い付き合いだし、私が苦しくて辛い時、そばにいてくれて助けてくれて、だからトリドート様のガーネットラドのために一緒に頑張って支えようと思ったから、了承したんだから。
「我が対の女神を望んだのは、そなたが初めてだ。いやか?」
そんな色気駄々漏れの熱い眼差しで見つめないで、腰砕けそうです。私もついつい忘れてしまいますが、今の私は5歳の幼女。幼女を腰砕けにさせてまっせ。
思わず座り込んじゃった。
すると、すかさずトリドート様が私に近寄ってきて、床に片膝つき、片膝を立ててそこへ私をもたれかけさせ、じっと私の目を見つめながら、再度問う。
「どうしても我の者になるのはいやか?」
無理です。この色気攻撃にはどんな防御も抵抗できません。
気がつけば、操られるように首を降っていた。
途端に輝く笑顔になり、トリドート様の顔がドアップになったかと思うと、唇を温かいものに塞がれたと思って、キスされてるっと思った時には口からも鼻からも息ができないことに気づく。大人と幼女だから、唇だけじゃなく鼻も塞がれてるのね。と考えながら意識がなくなっていった。