第6話
今日は家族揃ってルノー湖まで遊びに来ている。最近、家族で出掛けることが多くなった。
もうすぐ5歳になるため神殿入り確実なので、思い出作りのためじゃないかと思う。この家族の元に、転生して良かったと思う。
もう会えないと思うけど…。
「凄く綺麗。素敵。」
ローズ姉さまが瞳をキラキラさせている。ローズ姉様は10歳になり、大人びた話し方をする。早く大人の仲間入りをしたいらしい。すぐ大人になれるのにね。子どもの時間は短いんだから、子どもを楽しめばいいのに…。
私は目一杯子どもを楽しんでますよ。
お父様も兄様には厳しいけど、娘達には激甘だし、母様は優しいけど天然さんだし、兄様もイケメンだけど、弄ったら面白いし。
特に困ることもなく、成長してます。
遊び疲れて、一人皆と離れたとこでお昼寝をしようとしてるところだった。
「ステラ、懐かしい方が見えられるわ」
フウちゃんが教えてくれる。私ももちろん気づいてるよ。
そう答えようとしたら、突然押し倒された。
「ユカママ会いたかった」
私は押し倒されたけど、ツッチーが私が倒れた所の土をまるで羽毛のように変えてくれたので、頭を打つことはなかった。
押し倒した人が私を見つめる。
15歳くらいの美少女。
「久しぶりね。ミリー」
あなたを受け止めるには、5歳児の身体はむりがあるのだけど…。
「ミリー苦しいから降りてくれる?」
とっさに防御膜を張ったから、そんなには苦しくはないけれど、困った顔で言うと
「ママごめんなさい 。あんまり嬉しかったから」
涙ぐみながらミリーが言う。
相変わらず周りが目に入らないのね。あれほど女神として視野ん広く持ちなさいって教えなのに、好奇心いっぱいで興味を持ったら、それしか目に入らなくなっちゃうところはそのまま。
彼女はミリー。トリドート様に依頼されて私が育てた女神。
そう、神の育ての親というのも経験した。理美と真吾を育てた経験が役に立った出来事だった。
ミリーが落ち着いたところで、私が昼寝をしているように見える幻惑魔法をかける。
「ユカママ、ユカママが転生したって聞いて会いにきたの。可愛い」
「今はステラ=エスペランサよ。もう転生して5年になるけど、いつ聞いたの?」
「ついさっきよ。」
唇をとがらせて怒る。
騒がしくなるから、ワザと遅く知らせたのね。トリドート様グッジョブ。
ひとしきり話あとミリーは帰って行った。