暴走するユニコーン編3
俺と涼と委員長が教室に行くと教室がうるさかった。
「どうしたんですか?」
委員長が周りの奴らに話を聞くと、近いうちに学年対抗魔法対戦があるそうだ。
へぇ~。うちの学園はそんなものがあるのか。
俺はその時はあまり気にしていなかった。
昼休みに我がテリトリーの屋上に堂々と乱入してきたのは委員長とその友達のえっ………………と奏だったかな?
「なんの用だ!俺達は今忙しいんだ!」
「あんた達の忙しいって言うのは二人でトランプのポーカーしてるだけじゃない。いいから聞きなさい」
俺達が寝転がりながらポーカーをしているところを上から目線で奏?は言ってきた。
「何だよ、一応話だけは聞いてやる」
「涼、焔。あんた達、今度の土曜日よ私達の買い物に付き合いなさい!」
俺と涼は互いに互いの顔を見た。おそらく状況が掴めないのは涼も同じようだ。
「何で俺達がそんな事をしにゃならんのだ」
「まぁ、簡単に言えばウチの魔法少女が面と向かって礼を言えないからかしら」
「はぁ?委員長が礼を言えない?どういうことだ?」
俺達が頭を横にしていると奏は俺達に向かって大きな溜め息をついて話を続けた。
「いいかしら、この子はあんた達にこの前助けてもらった。でもこの子は恥ずかしいから礼を直接礼を言えないのよ。だから、私が代わりにあんた達にお礼にデートに誘ってあげるのよ。喜びなさい」
「そうか、でも断っていいかな?」
「ダメに決まってるでしょ。もし断るなら私の魔法であんた達を殺すわよ」
「やめろ!お前がそれを言うとシャレにならないだろ!」
俺は必死に止めていた。
この奏という女の潜在魔法は毒魔法。
毒魔法は何かの剣先などにつけて攻撃したりなどしたりもするが、毒魔法は主に暗殺に使われたりする。
そのせいで毒魔法の使い手を怒らせると数日間は何か食事や水分を取るときに命の危険に陥るのだ。
「はぁ、分かったよ。今週の土日だな。覚えとくよ」
「そう、じゃあよろしくね」
そう言って奏と委員長は屋上を去った。
はぁ、面倒だ。
今日は授業が終わると真っ先にある場所に向かった。
そこはこの島でも一番大きい病院だ。
どこかの大学病院の系列なのでそこそこ腕の良い医者もいる。まぁ、当然の事だがヤブ医者もいる。
俺は病院に入ると真っ先にある病室に向かった。
そこでは一人の女の人が寝ていた。
日本の古き良き大和撫子を思わせる綺麗な長い黒髪と雪のように白い肌で、顔も素晴らしく整えられた恐らく町中で見たら誰もが振り返りそうな顔の女の人だ。まぁ、俺の姉さんなのだが。
姉さんはこの前の事件以来、一度も目を覚ましていない。
姉さんの口からは何の手がかりも得られないと警察は言っていた。
しかし、僕俺そんな事はどうでも良かった。
とにかく姉さんをこんな風にした相手を見つけたい。
「姉さん待っててね。すぐに姉さんをこんな目に合わせた奴を見つけるからね」
俺は姉さんの病室のベッドで姉さんの手を握って誓った。
俺が家に帰ると一つの封筒が郵便ポストに入れられていた。
黒い封筒で怪しさに満ち溢れた封筒だった。
俺はその封筒を開けて中の手紙を読んだ。
『私は貴方のお姉さんを今の状態にした犯人も、貴方の親友の涼さんの思い人の暁さんが不登校になった理由も全て知っています。もし、貴方と涼さんが真実を知りたいのなら今度行われる学年対抗試合に貴方と涼さんが出場してください。そこで優勝すれば真実を全てお話しします AKより』
どうやら、俺は面倒なのだが学年対抗試合に出る必要が出来たようだ。
本当なら犯人探しに使う時間だったが、まぁ犯人に繋がるかもしれないのだから今回は本気を出すか。
俺は次の学年対抗試合の為に家を出て学校の自主訓練室に向かった。
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