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七鍵~姫と七つの鍵~  作者: 夕闇 夜桜
第一章:一学年一学期・桜庭鍵奈とゆかいな仲間たち
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第二話:遭遇


 さて、昼休みです。

 昼食の時間です。


 ついさっきまでストーカー化しそうな先輩から朝日を守ろうとしていたのだが、腹が減っては戦はできぬ、ということで昼食です(二回目)。


 現在、私は学食兼購買に来ている。

 実は、入学してから数日後ぐらいに学食兼購買に一度来ているのだが、その時と変わらず、購買戦争は繰り広げられていた。

 学食では好きなメニューを選べ、食べることができる。弁当を持ってきた人は、教室か学食などや飲食禁止されてない場所で食べることができる。

 ちなみに、私はいつもなら弁当派なのだが、忘れたので購買に買いに来たというわけでーー


「行きたくねぇ……」


 はっきり言って、あの中に突っ込んでいけるのは、勇者だと思う。

 だが、私もあの中へ行かなければ、午後の授業を昼食抜きで過ごすことになる。

 それだけは阻止しないといけない。


「よし!」


 そして、覚悟を決めた私は購買戦争の中へと突入した。






「おぉ……」


 何とか、購買戦争から脱出し、パンと飲み物を確保した。


「はぁ、疲れた」


 そう言いながら軽く溜め息を吐き、学食兼購買を出て、早く教室に戻ろうと、再び歩き出す。

 それにしてもーー


「最初は何から調べようか」


 先輩の可能性、茶髪、突然のナイフ。


 朝日に聞いた情報から調べる順番を考える。

 先に言うのなら、ナイフについてはある程度予想できているから後回しでもいい。


「うーん……」


 その時だった。


 目の前から走ってきた男子生徒とぶつかったのは。


「あ、ごめん。大丈夫?」

「はい」


 雰囲気から察するに、男子生徒は上級生なのだろう。

 それに、肩同士がぶつかっただけなので、大怪我をしたわけでもないし、持っていたパンなどを落としもしなかった。


「こちらこそ、すみませんでした。少し考え事をしていたので気づかなくて……」

「いや、それでも、こっちのミスだから」


 こちらも謝れば、少し申し訳なさそうにしながら、それじゃあ、と男子生徒は学食兼購買に入っていった。


「あの様子じゃ、もう無いかもなぁ」


 学食ならまだしも、飲食系に関しては購買側はすでに無いだろう。

 そして、時計に目を向けて、残り時間を確認すると、慌てて教室に向かうのだがーー……


「まさか、ね」


 振り返り、そう呟くも、止まった足を再び動かし、私は歩き出した。


 先程、ぶつかった男子生徒が茶髪だった、という事実を記憶の片隅に残しながらーー



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